この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:Are Google’s SERP Features Stealing Traffic from Your Site? [Research]
(著者:Nayomi Chibana / 原文の最終更新日:June 13, 2017)
※フルスピード註:この記事は2017年6月13日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs公式ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。
ほとんどのSEO担当者は、GoogleのSERPフィーチャーが両刃の剣になる可能性があることに同意するでしょう。あなたのコンテンツがSERPフィーチャーに掲載されていないときはウェブサイトのトラフィックを大幅に削減してしまう可能性があり、逆にSERPフィーチャーとしてあなたのコンテンツが紹介されている場合は、歓迎すべきトラフィックの増加をもたらす可能性があります。
Googleの最大の使命は、できるだけ少ないクリックでユーザーのクエリに答えることです。したがって、フィーチャードスニペットや関連する質問などのSERPフィーチャーによって、自分のサイトを含むサイトへの全体的なクリック数が大幅に減少するというのは常識的に仮定されるでしょう。
たまたま、先ほど挙げたいずれかにあなたが出演しない限りは。
以下の例を見てください。Ahrefsの投稿の1つは、5位にランクされていたにもかかわらず、フィーチャードスニペットに掲載されました。
これにより、記事内容の信頼性が即座に強化され、訪問者が詳細を確認するためにクリックするようになりました。
編集者注記
最近の調査「Ahrefsによる200万件のフィーチャードスニペットの調査:10個の重要なポイント」から、フィーチャードスニペットについて判明した直感に反する事実をすべて学びましょう。
しかし、これはさまざまな種類のキーワードにも当てはまるのでしょうか?そして、SERPフィーチャーごとにどう異なるのでしょうか?
以下が、さまざまな業界にわたって5,000を超えるキーワード分析で、私が答えようとしたことです。調査の結果、大手のSERPフィーチャー候補へのトラフィック損失を回避する方法について、いくつかの実用的な結論が得られました。
研究方法
調査したキーワードの種類
Googleは検索意図の理解が向上しているため、この要素を考慮して、この調査で分析された5,126個のキーワードをそれぞれ3つのタイプへ分類することにしました。
- 情報:トピックに関する特定の情報を見つけたいという欲求を示す検索クエリ。
- ナビゲーション:特定のサイトに移動する意図を示す検索クエリ。
- トランザクション:アイテムの購入、製品のダウンロード、トライアルへのサインアップなどのトランザクションを暗示する検索クエリ。
この作業は、特定の修飾子と接尾辞を分析し、意図に従って分類することで実現しました。以下の表を参照してください。
ビジネス・産業から旅行・観光まで、さまざまな分野からキーワードを選定しました。また、月あたり100件の検索から1億件を超える検索まで、幅広い検索ボリュームを調査しました。
分析された指標
合計5,126の検索クエリを調査に含めました。キーワードは複数の非オーガニック結果を表示する可能性があるため、この調査では合計11,065個のSERPフィーチャーが分析されました。
ここでは、既存のSERPフィーチャー全種をリストするつもりはありません。それらについては、MOZ のこのビジュアル ガイドで完全に説明されています。
以下の指標は、AhrefsのKeywords Explorerを使用して収集され、処理されました。
- 合計SERPフィーチャー(Total SERP features):特定のキーワードに対して表示されたSERPフィーチャーの合計数を示す数値。
- SERPフィーチャーのタイプ(Type of SERP feature):特定のキーワードに存在する各SERPフィーチャーの名前。
- クリックを含む割合(% With clicks):クリックにつながった月あたりの検索割合。
注:たとえば、「chauffeur(運転手)」という単語には42,000件という大量の検索ボリュームがありますが、この単語を検索するほとんどの人は単にスペルと定義を確認したいだけであるため、クリックにつながるクエリは22%のみです。
- クリックなしの割合(% Without clicks): クリックが発生しなかった月あたりの検索割合。
- 検索ボリューム(Search volume):そのキーワードが月ごとに検索された合計回数。
注:私は、Googleキーワード プランナーの検索ボリューム指標よりも、Ahrefsが出す検索ボリューム指標を使用することを好みました。これは、同様のキーワードやキーワードフレーズに対する同一の検索ボリューム推定値を表示することで、データをひとまとめにしないためです。代わりに、指定されたキーワードのほぼすべての検索バリアントについて、正確なローカルおよびグローバルな推定値が表示されます。
- クリック数(Clicks):特定のキーワードで表示した検索結果の合計クリック数。前述したように、すべての検索でクリックが発生するわけではありません。
- 検索ごとのクリック数(Clicks per search):ユーザーがキーワードを検索した後にクリックした検索結果の平均数。
- 再検索率(Return rate):1か月間にユーザーが同じキーワードを再度検索する頻度を示す相対値。
注:再検索率は、正確な検索数として解釈されることを意図したものではなく、あるキーワードを別のキーワードと比較するために用いる場合にのみ価値があります。たとえば、再検索率2.25のキーワードは、再検索率1.5のキーワードよりも頻繁に検索されるとわかります。
結果
観察された相関関係
変数間の正または負の関係を検出するため、以下に示すように、変数のさまざまなペアの相関係数を計算しました。
注:ピアソンの r は2つの比率変数に対して計算され、点双直列相関は1つの二値変数と1つの連続変数のペアに対して計算されました。
月間検索ボリュームと月間合計クリック数の間に、予想される強い相関関係があることがわかります。SERPフィーチャーの総数と再検索率の関係は、弱から中程度の負の関係にあります。フィーチャードスニペットの表示とクリックを含む割合についても、同じことが観察されました。
SERPフィーチャーとクリック数の比較
さらなる証拠が必要ですが、上記の相関関係は、SERPフィーチャー、特にフィーチャードスニペットの出現によって検索結果のクリック数が減少するという仮定を示している可能性があります。
これを確認するために、最初のページに表示されるSERPフィーチャーの数ごとに、クリックにつながる月ごとの検索の割合も計算しました。
以下に示すように、SERPフィーチャーが1つまたはまったくない検索では、非オーガニック検索のコンテンツが2つ以上ある検索結果よりも多くのクリックが発生します。
フィーチャードスニペット
仮説どおり、フィーチャードスニペットを含むSERPでは、フィーチャードスニペットを持たないSERPよりもクリック数が18.5%減少しました。
関連する質問
関連する質問を含むSERPでは、この機能がないものと比較してクリック数が11.3%減少しました。
イメージ パック(画像パック)
イメージ パックの出現でも同じ傾向が見られますが、その差は前の2つほど大きくありません。
サイトリンクと広告
分析されたすべてのSERP機能のうち、クリック数が増加したのはサイト リンクと広告の2つだけで、それぞれ11.6%と4.7%増加しました。これらの目的は質問に答えることではなく、ユーザーを別のサイトに誘導することであるため、想定内の結果です。
キーワードタイプ別のSERPフィーチャー
データをさらに詳しく調べるために、個々のSERPフィーチャーごとでキーワードタイプ別に結果を分析しました。
予想通り、クリックを伴う検索の割合は、情報キーワードからトランザクションキーワードまで、検索意図ファネルを下に進むにつれて増加します。
SERPフィーチャーの存在をキーワードタイプごとに分析した後、フィーチャードスニペットと関連する質問が、情報検索クエリで最も多く表示されるという仮定も確認しました。
一方、ナビゲーションクエリはサイトリンクとナレッジパネルによって占められていますが、トランザクションクエリではサイトリンクと広告の両方が普及しています。
結論と実践的なポイント
この調査結果を振り返ると、SERPフィーチャーとその種類がサイトトラフィックに及ぼす影響に関する最も論理的な仮定が正しいと思われます。
- フィーチャードスニペット、関連する質問、ナレッジパネルなどのナレッジグラフ機能は、従来のオーガニック検索結果のクリックを大幅に削減します。
- サイトリンクはオーガニック検索結果へのクリック数増加につながります
- 広告機能も全体的なクリック数を増加させますが、PPCトラフィックはオーガニックトラフィックの一部ではありません。さらに、広告主はPPCキャンペーンで最も「クリックされやすい」キーワードを使用します。
これらすべては、ユーザーが探しているものをできるだけ少ないクリックで正確に提供するという使命において、Googleが検索意図の理解がますますうまくなっているという事実を裏付けています。
しかし、どうすればこれを利用して競争で優位に立つことができるでしょうか?
できることは次のとおりです。
1. 検索意図ファネルを作る
SERPフィーチャーをめぐる争いは、人口統計よりも検索意図の問題であることを理解することが重要です。重要なのは、潜在的な顧客が質問に答えたりニーズを満たしたりするために Googleを利用するとき、「そこにいる」ことです。
これは、非常に切望されているSERPフィーチャー、特にフィーチャードスニペットや関連する質問などのトップオブファネルなクエリがトリガーとなって、そうしたSERPフィーチャーに表示されることを意味します。
まず、ターゲットとするさまざまな種類のキーワードを使用して、以下のような検索意図ファネルを作成しましょう。これは、潜在的な顧客が購入過程のさまざまな段階で使用する検索用語の種類を視覚化するのに役立ちます。
2. フィーチャードスニペットのコンテンツをフォーマットする
次に、その用語をGoogleで検索し、これらの非オーガニック検索結果に含まれるコンテンツの形式を分析して、独自に既存ページを調整しましょう。さらに一歩進めたい場合は、Ahrefsのキーワード エクスプローラーを使用して、SERPフィーチャーの機会を検出し、それに応じて新しいコンテンツを作成することもできます。
たとえば、「履歴書の書き方」の記事をSERPフィーチャーに掲載したい場合、現在のSERPにステップバイステップ(箇条書き)の説明を含むフィーチャードスニペットが含まれているのであれば、H1タグとH2タグで狙っているキーワードを使用し、その下の質問に対する回答は、ステップごとに番号が振られた読みやすく構造化された形式で記載されていれば「勝てる」でしょう。
フィーチャードスニペットは、取得可能なSERPフィーチャーのリストの先頭にある必要があります。その理由は次の 3 つです。
- あなたがフィーチャードスニペットに含まれている場合、これによりあなたのコンテンツの信頼性が自動的に高まります(Googleがあなたのコンテンツを選んだからです)。
- ナレッジカードやナレッジパネルなど他の著名なSERPフィーチャーは、ほとんどのサイトでは簡単に入手できません。
- フィーチャードスニペットを獲得することは、SERPで最初の位置に表示される競合他社を追い抜く1つの方法です。
3. コンテンツをイメージパック用にフォーマットする
イメージパックに表示される可能性を高めるには、まずGoogle画像検索用に画像を最適化します。画像ファイルには必ずわかりやすい名前、altテキスト、読みやすいURLを付けてください。
4. 検索意図に一致するコンテンツを作成する
最後に、最も切望されるSERPフィーチャーを獲得し、オーガニック検索結果の順位を高める最も重要な要素の1つは、魅力的でユニークで役立つコンテンツを作成することで、高いCTRと滞在時間を確保することです。
ユーザーの期待にできる限り応えるために、見出しが読者の注意を引き、検索意図と一致し、ページの内容を正確に反映していることを確認してください。
この記事を読まれた方へ
この研究についてどう思いますか?SERPフィーチャーによる同様の(または逆の)影響を経験したことがありますか?
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著者プロフィール
Nayomi Chibana(ゲストライター)
Nayomi Chibanaは、ブラウザベースのインフォグラフィック・プレゼンテーションツールVismeのジャーナリスト兼コンテンツエディターです。ビジュアル・コミュニケーションと次世代ストーリーテリングのトレンドを研究する傍ら、データ主導のコンテンツ・マーケティングに情熱を注いでいます。著者のTwitter
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