この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
Keyword Competitive Analysis: How to Find Your Competitors’ Keywords
(著者:Joshua Hardwick / 原文の最終更新日:February 23, 2021)
※フルスピード注:この記事は2021年2月23日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs公式ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。
競合他社がSEOに注力しているのであれば、おそらくあなたがランクインしていないキーワードでランクインしているはずです。
これはマイナスに聞こえるかもしれませんが、プラスになることもあります。
競合他社がキーワード調査を行い、あなたが見逃しているトピックを見つけたのであれば、彼らはあなたのために大変な仕事をしたことになります。競合キーワードの分析を行うだけで、新しい価値あるキーワードを見つけることができます。
この記事で学ぶことは以下の通りです。
競合キーワード競合分析とは?
競合キーワード分析とは、競合他社はランクインしているが自社はランクインしていない、ビジネスと関連性があり価値のあるキーワードを見つけるプロセスです。
なぜ、競合分析をする必要があるのでしょうか?
競合他社が関連キーワードをターゲットにしていて、そこからトラフィックを得ているならば、そのキーワードはあなたのビジネスにも大いに関連する可能性があります。
競合キーワード分析の方法
キーワードの競合分析プロセスは、新しく取り上げるべきトピックを探している場合でも、既存のコンテンツとのギャップを探している場合でも、ほぼ同じです。
このセクションでは、新しいトピックを発見することに焦点を当てて解説します。(既存コンテンツとのギャップを見つけたい場合は、次のセクションに進んでください)。
- 競合他社を探す
- コンテンツギャップツールを使う
- 価値あるトピックを探す
- ランキング難易度を評価する
1. 競合他社を探す
ビジネス上の競合が誰であるか既に知っている場合でも、ビジネス上の競合と検索上の競合は、必ずしも同じではないことを知ることが重要です。関連性があり、価値のあるトピックを探す場合は、後者を分析する方がよいでしょう。
ビジネス上と検索上の競合の違いを説明するために、私たちAhrefsとbacklinko.comを考えてみましょう。私たちはSEOツールを販売してお金を稼いでいますが、Backlinkoの創設者であるBrian Deanは、SEOの受講コースを販売してお金儲けをしています。彼はビジネス上では直接の競合ではありませんが、同じオーディエンスを相手に戦っているため、検索上は同じキーワードの多くで競合しているのです。
では、オンライン上の検索競合を見つける3つの簡単な方法を見てみましょう。
a) Googleの「関連」検索を実行する
Googleの検索演算子の一つ「related: 」は、あなたのサイトに関連するウェブサイトを見つけます。検索バーで「related:yourwebsite.com」と検索すればよいのです。
補足:ブログ(/blog)のように、ウェブサイトの特定配下にある部分に特化して競合他社を探したい場合、サブフォルダやサブドメインを使って検索するのもいいでしょう。
この調査方法は、少し当たり外れがあることに注意してください。あなたのウェブサイトがかなり新しく、まだ多くのキーワードでランクインしていない場合、検索結果が数件しか表示されないこともあります。いずれにせよ、次のステップに進む前に、必ず手動で関連ウェブサイトをチェックしてください。その結果が競合他社のように見えない場合は、無視してください。
b) 重複するキーワードを持つウェブサイトを探す
Ahrefsのサイトエクスプローラーにあなたのウェブサイトを入力し、競合ドメインレポートにアクセスしましょう。レポート内の各ウェブサイトは、あなたがランクインしているものと同じキーワードで上位10件にランクインしており、上位に近いウェブサイトほど、ランクインしているキーワードが重複しています。
あなたのサイトが新しく、多くのキーワードでランクインされていない場合、このレポートは共通のキーワードを探すため、調査が特にうまくいかないことがある点に注意してください。あなたのウェブサイトが何にもランクインしていない場合、このレポートに表示された競合サイトとキーワードが重複することはありません。
c) 価値のあるキーワードでランキングされているサイトを探す
上記の方法のいずれでも適切な結果が得られない場合、関連する価値のあるキーワードをAhrefsのキーワードエクスプローラーに入力し、ドメイン別トラフィックシェアレポートを確認してください。このレポートでは、検索されたキーワードから最も推定オーガニックトラフィックを持つと考えられるウェブサイトを見つけることができます。
この方法は、次のような場合に最適な方法です。
- あなたのウェブサイトが、まだ多くのキーワードでランクインしていない場合
- 特定のトピックの競合他社を探している場合
例えば、私たちのブログのコンテンツはSEOに関するものが多いので、上記の方法は他のSEOブログを浮上させる傾向があります。しかし、私たちは最近、コンテンツ・マーケティングやブログといった他のトピックも扱うようになりました。これらのトピックの競合を見つけるには、「コンテンツマーケティング」、「コンテンツ戦略」、「エディトリアルカレンダー(コンテンツカレンダー)」などのキーワードをキーワードエクスプローラーに差し込み、どのウェブサイトが最も検索トラフィックを得ているか、チェックすることが可能です。
2. コンテンツギャップツールを使う
コンテンツギャップツールは、他のウェブサイトがランクインしているのに、あなたがランクインしていないキーワードを見つけることができます。ほとんどの大手SEOツールにある機能ですが、Ahrefsブログをご覧の皆様には、弊社(Ahrefs社)のツールをご紹介します。
手順は以下の通りです。
- あなたのウェブサイトをAhrefsのサイトエクスプローラーに接続し、コンテンツギャップツールに移動します。
- “Show keywords that the below targets rank for “と書かれているところに、下記の競合のキーワードを入力します。
- Show keywords “を押すと、結果が表示されます。
競合他社がランクインしているが、弊社はランクインしていないキーワードが表示されました。
キーワードが多すぎて選別できない場合や、ほとんど無関係に見える場合は、交差(Intersect)の数を絞り、一定数の競合他社しかランクインしていないキーワードを確認しましょう。
上級アドバイス
競合ウェブサイトの特定セクションでランクインしているキーワードのみを確認したい場合は、代わりにサブドメインまたはサブフォルダを入力してください。例えば、Ahrefsブログのキーワード競合分析を行う場合、BacklinkoやMozのような競合を入力することができます。しかし、私たちはブログのコンテンツにしか興味がないので、ブログの記事のURLにはすべてこの接頭辞が含まれていることから、moz.comではなく、(サブフォルダとなる)moz.com/blogを分析したいと思います。
3. 価値あるトピックを探す
競合他社が上位にランクインしているものすべてに、自分もランクインしたいと思うことはまずないでしょう。ここでは、キーワードを選ぶ際に考慮すべき3つのポイントを紹介します。
a) ビジネスバリュー
ビジネスバリューとは、あるキーワードがビジネスにとってどのような「価値」を持っているかを表すために、私たちが作成したスコアです。最終的には判断材料になります。検索者があなたの売っているものを買いたいと思う可能性がどれくらいあるか、自問自答してみてください。この可能性が高ければ高いほど、そのキーワードの「ビジネス価値」は高くなります。
例えば、コンピュータの部品を販売している場合、「1tb ハードドライブ購入」というキーワードの「ビジネス価値」はおそらくかなり高いでしょう。逆に、「コンピューターとは」というキーワードで検索している人は、すぐにコンピューターを作りたいとは思わないでしょうから、このキーワードのビジネス価値はかなり低くなります。
Ahrefsでは、シンプルにするためにキーワードに0~3のビジネスバリューを割り当てています。
b) 検索ボリューム
検索ボリュームとは、キーワードの月間平均検索回数のことです。一般的に、キーワードの検索ボリュームが高いほど、そのトピックのトラフィック・ポテンシャル(流入可能性)が高いと言われています。コンテンツギャップのレポートでは、キーワードの横に検索ボリュームの表示列があります。
c) オーガニックトラフィックの可能性
このキーワードの検索ボリュームと、上位表示されるページへの推定トラフィックを見てみましょう。
このキーワードは月に7,200回しか検索されないにもかかわらず、1位のページは約25倍のオーガニックトラフィックを獲得しているのです。これは、ロングテールキーワードと呼ばれる、他の何千もの関連キーワードでもこのページがランクインしているためです。これらの多くは、同じものを検索するために使われている、あまり一般的ではないクエリです。
検索ボリュームよりも、上位表示されているページへのトラフィックを見る方が、そのキーワードの潜在的なトラフィックを判断する上ではるかに信頼できる方法です。キーワードを狙うかどうかの最終決定をする前に、常にこれを確認することをお勧めします。
コンテンツギャップツールでこれを行うには、「SERP」ボタンを押し、トラフィックの列をチェックするだけです。
4. ランキング難易度を評価する
競合他社と同じキーワードで上位表示することは、必ずしも容易ではありません。彼らがあなたよりも簡単にキーワードごとにコンテンツをランクインできている理由はたくさんあります。そのため、キーワードの選定作業に飛び込む前に、いつでもランキング難易度を評価する必要があります。
Ahrefsのキーワード難易度(KD)メトリクスは、ランキングの難易度を非常に大まかに把握するのに十分なものです。これはコンテンツギャップレポートで見ることができます。
しかし、どのツールであっても、キーワード難易度指標だけでランキング難易度を判断してはいけないのです。
ここでは、その他に考慮すべき3つのことを紹介しましょう。
1. 検索意図
検索意図とは、人々がキーワードを検索する理由のことです。
- 情報を探しているのか?
- 何かを買いたいのか?
- 特定のWebサイトを探しているのか?
もし、あなたのコンテンツが人々の検索意図に合致していなければ、上位表示の可能性は限りなくゼロに近いでしょう。
Googleは誰よりも意図を理解しているので、上位に表示されるページは検索意図の優れた代用品となります。
例えば、「speed up windows 10(Windows10 高速化)」の検索結果はすべてリスト形式のブログ記事ですが、「corsair k70」の検索結果はすべてeコマースストアの製品ページになっています。
「windows10 高速化」の検索結果は、リスト型の記事ものばかりです。
「corsair k70」の検索結果一覧は、全て製品ページが表示されています。
ただし、検索意図に合致したタイプのコンテンツを公開することに価値がない限り、そのキーワードをターゲットにすることはあまり意味がない、ということは知っておいてください。例えば、あなたがコンピュータ関連のブログを運営している場合、「corsair k70」のようなキーワードはその検索者が購買モードにあるため、それをターゲットにすることはあまり意味がないでしょう。この場合、ブログ記事ではなく製品紹介・購入ページがなければ、検索者の意図を満たす方法はないのです。
おすすめの記事:検索インテントとは?初心者のための完全ガイド
2. ウェブサイトのオーソリティ(権威性)
GoogleのJohn Mueller氏は、ランキングアルゴリズムにウェブサイトオーソリティの指標のようなものは使用していないと公言しています。
しかし、この問題については、業界関係者の間でも意見が分かれており、中にはGoogleが完全に真実を語っているわけではないとの意見もあります。確かに、あるキーワードの検索結果が、ほとんど有名ブランドで占められているのを見れば、その理由は容易に理解できます。
Ahrefsでは、被リンクプロフィールの強さに基づいたウェブサイトのオーソリティを表す、ドメイン評価(DR)という指標を設けています。これはKDスコアには反映されませんが、一般論として、あるキーワードの上位結果があなたのサイトよりも圧倒的に高いDRスコアを持つサイトである場合、順位が上がりにくいと感じるかもしれません。
上位表示されているすべてのサイトのDRは、SERPの概要で確認することができます。
あなたのウェブサイトのDRは、Ahrefsのサイトエクスプローラーで確認できます。また、弊社の無料ウェブサイトオーソリティ・チェッカーを使用することもできます。
おすすめの記事:ウェブサイトオーソリティ(ドメイン評価)を高める方法
3. 他のウェブサイトからの高品質なリンク
Keyword Difficulty(KD、キーワード難易度)では、上位表示されているページへのリンクの量は考慮されますが、その質は考慮されません。ですから、キーワードをターゲットにする前に、ランキング上位のページの被リンクプロフィールをチェックする価値があります。あるページには多くのウェブサイトがリンクしているものの、その多くが低品質であることがよくあります。
例えば、「最高の 家庭用プリンター」の検索結果に出てきた、最初の2、3ページを見てください。
上位のページにはたくさんのウェブサイトからリンクが張られているため、最初はかなり難しいキーワードのように見えます。しかし、Ahrefsのサイトエクスプローラーでその被リンクをチェックすると、そのほとんどが低品質でnofollowedとなっています。
検索意図にマッチし、ウェブサイトが十分に権威あるものであれば、このページを上位に表示するために、おそらくそれほど多くの高品質なリンクは必要ないでしょう。
上級アドバイス
キーワードへのランクインが難しいと思われる場合でも、そのキーワードをターゲットにしてはいけないということではありません。現実的に考えて、ランクインしたいキーワードを長期、中期、短期の目標に分ける必要があります。
ページ単位でキーワード競合分析をする方法
ドメイン単位ではなく、ページ単位でキーワードの競合分析を行うことで、既存コンテンツとのギャップを見つけることができます。これは、検索者が知りたいと思うようなことを、あなたのページではカバーできていないことを意味します。これらのギャップを埋めることで、以下のことが可能になります。
- より多くのロングテールキーワードでページの上位表示を目指す
- メインキーワードで上位に表示されるようにページを改善する
例えば、「Guest Blogging(ゲスト投稿)」というキーワードの上位表示を見てみると、そのほとんどに定義が書かれています。
残念ながら、Ahrefs社のゲスト投稿ガイドには、このことは含まれていません。この「ギャップ」を埋めない限り、メインターゲットのキーワードで上位にランクインすることはまずないでしょう。また、「ゲストブログとは」のようなロングテールでは、私たちの投稿が質問に答えていないため、確実に上位にランクインすることはないでしょう。
しかしながら、既存コンテンツのギャップを修正する前に、まずはギャップそのものを見つける必要があります……それは、上記とほぼ同じプロセスで実行できます。違いは、ページ単位で分析を行うことです。
まず最初に、2つの方法のどちらかで競合ページを見つけましょう。
- Googleでターゲットキーワードを検索し、上位に表示されるページが競合です。
- キーワードエクスプローラーの「ページ別トラフィックシェア」レポートを使用します。いくつかのキーワードを入力し、左メニューの「トラフィックシェア」セクションで、「ページ別」をクリックします。
そこから、コンテンツギャップツールにいくつか競合するURLを差し込み、モードが “URL “に設定されていることを確認してください。下部の枠からあなたのサイトを削除し、ここは空白のままにします(この方法で、より良い結果が得られる傾向があります).
あなたが目にするキーワードの多くは、同じものを検索する他の方法(類義語、言い換え、ローマ字、誤変換など)である可能性が高いです。それは気にしないでください。あなたがコンテンツに書くことを忘れていた、サブトピックを表すキーワードを探せばいいのです。
これらのサブトピックのランキング難易度を評価する必要はなく、既存のページに新しいセクションを追加して追記修正し、コンテンツのギャップを埋めるだけでいいのです。
まとめ
キーワードの競合分析プロセスを時々繰り返すのは、悪いアイデアではありません。これは、見逃していたかもしれないトピックを見つける素晴らしい方法です。
また、一度競合を把握すれば、キーワードアラートを設定することで、競合がランクインしている新しいキーワードやターゲットにしている可能性のあるキーワードを常にチェックすることができます。そのためには、Ahrefs Alertsで新しいキーワードのアラートを設定しましょう。競合を入力して国・地域を選択し、検索ボリュームの範囲とアラート頻度を設定すると、アラート設定が完了します。
Ahrefs Alertsで競合他社の新しいキーワードランキングを監視しています。
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著者プロフィール
Joshua Hardwick
Ahrefsのコンテンツ責任者(わかりやすく言うと、私たちが公開するすべてのブログ記事が壮大でであることを保証する責任者)です。
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