38万件以上のページを分析!アンカーテキストが検索順位に与える影響とは?

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この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:Anchor Text: A Data‐Driven Guide (384,614 Web Pages Studied)


著者:Joshua Hardwick (Head of Content @ Ahrefs )
初出日:2019/2/26

フルスピードによる要約:
・アンカーテキストとは何か、どのような種類があるかを解説しています。
・アンカーテキストの使い方はランキングに影響を与えるか、Ahrefs本社チームが相関を分析しました。
・Googleが文脈の理解を深めている現在では、大量にアンカーテキストを作成するのではなく、トピック(話題)の繋がりを深めロングテールのキーワード流入を増やすことが重要としています。

目次(クリックで見出しに移動します)

リンクが重要なランキング要素であることは誰もが知っています。では、リンク先となるアンカーテキストはどうでしょうか。

以下は、Googleのジョン・ミューラー氏によるツイートです:

Googleは、リンクの文脈を理解するためにアンカーテキストの内容を分析しているため、「ランキングの要因」かもしれないことを暗示しているように思えます(後でもっと詳しく解説します)。

以下は、ジョン・ミューラー氏による、アンカーツイートの重要性を改めて表明した別のツイートです。

問題は、どのようなアンカーテキストを使うべきかということです。(Googleの)検索エンジンでランクインしたい場合は、特定のアンカーテキストの使用を制限する必要があるのでしょうか?まったくアンカーテキストを操作する必要はないのでしょうか?

この記事では、384,614のWebページで被リンクとなっているアンカーテキストをAhrefsが調べ、見つけたことを解説します。ですが最初に、私たちがアンカーテキストの基本を理解していることを確認しましょう。

アンカーテキストとは

アンカーテキストとは、あるWebページと別のWebページをリンクするために使用される、クリック可能な単語のことです。


<例:青い単語の部分がアンカーテキストです。>

アンカーテキストの種類

誰かが、Ahrefsの被リンクチェッカーにリンクすることを決めたとしましょう。

このページは、主要なターゲットキーワードとして「被リンクチェッカー」が存在します。Ahrefsのキーワードエクスプローラーで確認すると、このキーワードでは毎月平均で80000のグローバル検索ボリュームが存在します。

しかし、すべての人が同じように、「被リンクチェッカー」というアンカーテキストでリンクするわけではありません。これは、リンクをする人たちが使うかもしれない、アンカーテキストのバリエーションの一つです。以下のようなバリエーションが存在します。

完全一致:アンカーテキストが、(リンクされた側が)ランクインしたい、正確なキーワードまたはフレーズであること。
例:Ahrefsの被リンクチェッカーは、私のお気に入りのSEOツールのひとつです。

フレーズ一致:アンカーテキストが、ランクインしたいキーワードフレーズを含んでいること。
例:Ahrefsの被リンクチェッカーは、私のお気に入りのSEOツールのひとつです。

部分一致:アンカーテキストにはランクインしたいキーワードがすべて含まれているが、順序がちがう、表記ゆれなど正確なフレーズではないこと。
例:Ahrefsのチェッカー デ ラ 被リンクは、私のお気に入りのSEOツールのひとつです。

ブランド: アンカーテキストが、対象キーワードではなくブランド名になっていること。
例:Ahrefsの被リンクチェッカーは、私のお気に入りのSEOツールのひとつです。

裸のURL:アンカーテキストが、生の「裸の」URLに付けられていること(つまり、URLがブラウザに表示されます)。
例:Ahrefsの被リンクチェッカー(https://ahrefs.com/backlink-checker/)は、私のお気に入りのSEOツールのひとつです。

ランダム:アンカーテキストにターゲットキーワードを含まない、不特定のフレーズ(たとえば、「ここをクリック」、「このサイト」、「この記事」など)。
例:Ahrefsの被リンクチェッカーは、私のお気に入りのSEOツールのひとつです。試してみるには、ここをクリックしてください。

画像リンク: アンカーテキストが、画像の代替テキストとしてリンクされていること(Googleによる解説はこちら)。
例:<img src=”/backlink-checker.png” alt=”Backlink Checker”/>

たとえば 、Ahrefsのサイトエクスプローラー被リンクチェッカーのAnchors(アンカーテキスト)レポートを確認すると、先ほどあげた種類のアンカーテキストをいろいろ確認できます。

サイトエクスプローラ> URLを入力 >アンカー

Ahrefsの機能を詳しく知りたい方はこちら

それでは、多種多様なアンカーテキストが、ランキングへどのように影響するかを見てみましょう。

アンカーテキストが検索エンジンのランキングに与える影響

Googleでは、外部リンクのアンカーテキストを使用して、ページの内容やランクインするキーワードについて理解を促しています。これはどのようにして分かるのでしょうか?

以下は、Googleのアルゴリズムがベースとする論文からの抜粋です。

「Googleは、ページランク、アンカーテキスト、近接している情報など、検索品質を向上させるためのさまざまな手法を採用しています。」

そのため、アンカーテキストに「dog biscuits(犬用ビスケット)」を使ってこの記事をリンクした場合、リンク先のページとなるこの記事は、dog biscuitsと何らかの関係がある可能性が高いとGoogleに判断されやすくなります。

他の人も同じことをした場合、この記事が「dog biscuits」というキーワードでランクインされる可能性が高まります。ところで、この記事はdog biscuitsと関係がないにも関わらず、2つ以上の無関係なWebサイトが同じアンカーテキストでリンクするでしょうか?まずしないでしょう。

(この問いによって)アンカーテキストが、ランキング要因の一つと考えられる理由がわかりやすくなったと思います。

しかしもちろん、SEOはこれほど単純なものではありません。

初期Googleの、アンカーテキストへの(過剰)依存

アンカーテキストは、Google独自のアルゴリズムで大きく重み付けされていました。1998年の論文で、Googleの創設者Sergey Brin(セルゲイ・ブリン)氏とLarry Page(ラリー・ペイジ)氏は次のように説明しています。

リンクのテキスト(アンカーテキスト)は、私達のサーチエンジンで特別な形で扱われます。ほとんどの検索エンジンは、リンクのテキストをそのリンクがあるページに関連付けます。さらに、リンクが指すページに関連付けます。これにはいくつかの利点があります。第一に、アンカーはしばしばWebページよりも正確にWebページの記述を提供します。

アンカーテキストを使用することで、Googleは典型的なページ上のシグナルを使用できないメディアフォーマットのトピックを決定することもできました。

次に、画像、プログラム、データベースなど、テキストベースの検索エンジンで索引付けできないものにはアンカーが存在する可能性があります。これにより、実際にはクロールされていないWebページを返すことができます。

この論理はしっかりしており、(検索)結果は、特に当時の競争と比較して印象的でした – 創設者自身も気づかないほどの事実でした。

完全なユーザー評価は、このホワイトペーパーよりも多くの要素がありますが、Googleの経験によると、ほとんどの検索で主要な商用検索エンジンよりも優れた結果が得られています。

しかし、Googleはすぐにアンカーテキストが非常に操作しやすいことを発見しました。特定のWebページをランクインさせるためには、 人々はターゲットとするキーワードをアンカーテキストとして利用し、複数のリンクを貼りまくるだけでよかったのです。

競合他社よりもキーワードが豊富なアンカーテキストリンク=勝者

この操作は、「Google爆撃」と呼ばれる面白い事例につながりました-(当時の)SEOは、関連性のないページでもアンカーテキストリンクをたくさん貼ればランクインできたため、GoogleでのSEO対策がどれほど簡単だったかを教えてくれます。


<2006年、「Google爆弾」によって、George Bush(ジョージ・ブッシュ元大統領)が「miserable failure(惨めな失敗)」という用語で1位にランクインした例。>

明らかに、この状況から変わらなければなりませんでした。

Googleが操作的なアンカーテキストに対して反撃した

2012年4月、Googleは今や悪名高いPenguinアルゴリズム(ペンギンアップデート)の取り組みを公開しました。アンカーテキストは、ペンギンの主な解決対象の1つでした。

過度に完全一致のアンカーテキストリンクを積極的に貼っていたWebサイトは、ランキングが一夜にして変化しました。しかし、Googleによると、検索クエリの影響を受けたのは全体の3.1%のみでした。

しかし、取り組みはそこで止まりませんでした……。

Googleはその後のPenguinアップデートで、アンカーテキストスパムとの戦いを続けました。

ほとんどのSEO研究者は現在、完全一致アンカーテキストの使用を控えめに – 通常は1%から5%の間で使うことを推奨しているようです。


<例:他のSEOブログから引用した、完全一致アンカーテキストの推奨%。>

結局、どうすればいいのでしょうか? 完全一致アンカーを最小限に抑えるべきか、それとも完全に避けるべきか?フレーズ一致や他の種類のアンカーについては-どのように使うべきなのか?

これについて調査するため、2つの研究を行いました。

研究1:19,840のキーワードを分析してわかったアンカーテキストの影響

アンカーテキストの種類とランキング要因との相関関係を調べるために、Ahrefsでは19,840のキーワードで、上位20件の検索結果を調べました。つまり 、合計384,614の Webページを分析しました。

注釈:19,840 * 20!= 384,614ではなく、396,800であることに気づいたかもしれません。これは、いくつかのURLが複数のキーワードでランクインされているためです。

調査したキーワードの条件:

  • 毎月平均2000-5000の検索ボリュームがあること(ランダムに選びました!)
  • 2-4の英単語からなるキーワード(日本語で言うと複合検索ワード)
  • (!、#、@などの)特殊文字を含めていない
  • 数値以外で構成されていること(電話番号などのキーワードを除外)

さらに、上位10件の検索結果のURL評価 (UR)スコアが似ているキーワードのみを選択しました。その目的は、アンカーテキスト変数を「分離」することでした。

粗い例で説明しましょう。

例えば、「ベストプロテインパウダー」の上位10件のアンカーテキストは、次のような種類と割合になっているとしましょう。

  1. 完全一致のアンカーテキスト:100% URスコア: 60
  2. 完全一致のアンカーテキスト:90% URスコア: 55
  3. 完全一致のアンカーテキスト:80% URスコア:50
  4. 完全一致のアンカーテキスト:70% URスコア:45
  5. 完全一致のアンカーテキスト:60% URスコア:40
  6. 完全一致のアンカーテキスト:50% URスコア:35
  7. 完全一致のアンカーテキスト:40% URスコア:30
  8. 完全一致のアンカーテキスト:30% URスコア:25
  9. 完全一致のアンカーテキスト:20% URスコア:20
  10. 完全一致のアンカーテキスト:10% URスコア:15

この例では、「完全一致のアンカーテキスト」の割合がランキングと相関していることがわかります。このことから、アンカーテキストの完全一致率がランキングに影響を与えていると推測できます。

ただし、これは誤解を招く可能性があります。URの相関関係もあるためです。

したがって、被リンク(または内部リンク)の数と品質も、この相関関係の一部である可能性があります。

一方、結果がこのようになったとしたら……。

  1. 完全一致のアンカーテキスト:100% URスコア: 30
  2. 完全一致のアンカーテキスト:90% URスコア:25
  3. 完全一致のアンカーテキスト:80% URスコア:32
  4. 完全一致のアンカーテキスト:70% URスコア:33
  5. 完全一致のアンカーテキスト:60% URスコア:28
  6. 完全一致のアンカーテキスト:50% URスコア:31
  7. 完全一致のアンカーテキスト:40% URスコア:31
  8. 完全一致のアンカーテキスト:30% URスコア:27
  9. 完全一致のアンカーテキスト:20% URスコア:36
  10. 完全一致のアンカーテキスト:10% URスコア:29

……この場合は、被リンク(または内部リンク)によって引き起こされる相関の可能性は、はるかに低いです。

理にかなってますか?いいですね、では結果を見てみましょう。

完全一致アンカーテキストの影響

最初に、ランクインした順位ごとで、完全一致のアンカーとなっている被リンクの平均と中央値の割合を調べました。URLへの被リンク総数に対して計算しました。


<※訳者註:青い線は平均。オレンジの線は中央値。上位のページほど被リンクの平均が多いように見えるが、中央値はほぼ動いていないことに注目。>

かなり明確な相関関係があるように見えますね?でも慌てないで。

相関関係を示すように見える青い線は、平均です。極端な値は平均を容易に歪める可能性があるため、これは各順位に属するスコアの「偏った」表現です。

この調査は失敗なのでしょうか?1位となっているページで、以下のサンプルがあるとしましょう。

  • ページ1:完全一致のアンカーテキスト:0%
  • ページ2:完全一致のアンカーテキスト:0%
  • ページ3:完全一致のアンカーテキスト:0%
  • ページ4:完全一致のアンカーテキスト:0%
  • ページ5:完全一致のアンカーテキスト:100%

このサンプルの完全一致アンカー平均= 20%。

これは、サンプル全体を表すにはよくないものとわかります。1つの値が平均を劇的に歪めています。グラフに中央値も追加したのは、そのためです(オレンジ色の線)。それを見ると、各順位で中央値がゼロであることがわかります。

以下は、Loveme Felicilda(Ahrefsのデータサイエンティスト)の発言です。

平均は、相関を表すのには良い方法ではないと思います。中央値も表示しましょう。すべての順位で「完全一致アンカーテキスト」の中央値がゼロであるという事実は、完全一致アンカーテキストの被リンクがないページが多数あることを意味します。
調査したサンプルの中央値が平均と同じ「パターン」を示していれば、強い相関になっていたでしょう。ですから、相関関係があるかどうか提示したい場合は、グラフ上のすべての平均を点でプロットし、中央値の線を追加する必要があります。


Loveme Felicilda(Ahrefsのデータサイエンティスト)

と言うわけで、やってみました。

これで、本当の相関が非常に弱いことを確認できます。それに加えて、以下は相関のヒストグラムです。x軸はバケット相関値を示し、y軸は各バケットに属するSERP /キーワードの数を示します。

一般的に言って、グラフの形状がベル型で対称性が高いほど、相関は中間値(この場合はゼロ)に近くなります。右に傾いている場合、正の相関になります。左に傾いている場合は、負の相関関係にあります。

この場合、わずかに右へ傾いていることがわかります。弱い正の相関関係ということです。

どれぐらい弱い相関なのでしょうか?以下はスピアマン相関の結果です。

スピアマン相関(平均): 0.1436
スピアマン相関(中央値): 0.1869

調査結果:完全一致アンカーリンクの割合とランキングの間には、比較的弱い相関があります。平均値と中央値の両方でその結果となりました。
注釈:特定の業界(例:ペイデイローン/給料を担保とする高利率の消費者金融)は非常にアンカーテキストが多く、平均を歪めている可能性があるので、中央値スピアマン相関を含めました。

しかし、なぜでしょうか?

Googleがランキング要素としてアンカーテキストを使用している場合、または少なくともジョン・ミューラー氏が述べているように、ページのコンテキストを理解するためアンカーテキストを使用している場合、それ以上の相関関係はないはずです。

必ずしもそうではありません。ジョン・ミューラー氏は、Googleのアルゴリズムの中でアンカーテキストはどれほどの重みを与えるのか、決して言いませんでした。

さらに、 私たちはAhrefsの調査データの透明性を保ちたいという潜在的な、やや避けられない欠陥があります。ですから、その内容について紹介します。

まず、他のアンカーテキストタイプの数値を見てみましょう……。

フレーズ一致アンカーの影響

要約すると、フレーズ一致アンカーはターゲットクエリを含むアンカーテキストです。

たとえば、キーワードが「SEO tool(SEO ツール)」の場合、「best SEO tool(おすすめSEOツール)」または「私がお気に入りのSEO tool」というアンカーテキストは、どちらもフレーズ一致になります。これらがどのようにグラフを積み重ねるかを見てみましょう。

ここで判明する2つのこと:

  1. 平均の「相関」は完全一致アンカーテキストに似ています。
  2. フレーズ一致アンカーテキストの平均パーセンテージは、完全一致の場合よりもわずかに高くなります。

しかし、やはり「本当の」相関関係を見るためには、いくつか異なるグラフを見る必要があります。

これらを見ると、今回の調査では完全一致アンカーよりも相関が低くなります。

スピアマン相関(平均): 0.1057
スピアマン相関(中央値): 0.1393

結果:フレーズ一致アンカーの割合とランキングの間には、非常に弱い相関があります。

部分一致アンカーの影響

部分一致アンカーとは、キーワードの単語すべてを含むが、正確なフレーズとしてではないアンカーテキストです。

たとえばキーワードが「SEOツール」の場合、「SEOに最適なツール」または「私のお気に入りのSEOトリック(テクニック)はAhrefsでこの機能を使用すること」の両方が、部分一致アンカーになります。

これらがどのようにグラフを積み重ねるか、見てみましょう。

平均のグラフは先ほどと同様の相関があるように見え、中央値のグラフはまだゼロで横ばいになっています。さらに、部分一致アンカーの平均パーセンテージは、完全一致とフレーズ一致のパーセンテージ両方と比較して、かなり高くなっています。

部分一致には、完全一致とフレーズ一致両方のキーワードが組み込まれているため、これは理にかなっています。

相関のより良い表現を示す2つのグラフがあります。

この相関は、フレーズ一致相関とほぼ同じです。

スピアマン相関(平均): 0.1076
スピアマン相関(中央値): 0.1393

結果:非常に弱い相関。

ランダムアンカーの影響

ランダムアンカーとは、不特定または総称句を含むアンカーテキストです。それらは対象キーワード(あるいはその要素)を含んでいません。

たとえばキーワードが「SEO tool」の場合、「click here(ここをクリック)」または「this article(こちらの記事)」は、どちらもランダムアンカーテキストとなります。

今度はこのタイプのグラフを見てみましょう。

最初に気付くのは、ランダムアンカーの平均パーセンテージは、私たちが調べた他の種類のアンカーテキストと比べ非常に高いということです。これは理にかなっています。ランダムアンカーは、非常に特殊なアンカーを除き、他のほとんどすべてのアンカーを組み込んでいるからです。

また、平均のグラフは、順位とランダムアンカーの割合に(弱いとはいえ)、ある程度の相関関係を示しているように見えることにも気付くでしょう。これは平均値を見ることが良くない理由の、最良の例だと思います。

真の相関関係を判断するために、もっと信頼性の高いグラフを見てみましょう。

2枚目のヒストグラムは、左右どちらにも傾いていないように見えます。これは、相関が中央値(ゼロ)に向かう傾向があることを意味します。

スピアマンの相関は次のとおりです。

スピアマン相関(平均): 0.0161
スピアマン相関(中央値): 0.0130

結果:事実上相関はありません。

それほど驚くことではない結果となりました。

研究2:16,000ページを分析してわかったアンカー周囲のテキストの影響

Ahrefsのサイトエクスプローラーの被リンクレポートに精通していれば、リンクのアンカーテキストと周囲のテキスト両方を表示して確認できます。

なぜ、アンカーテキストだけではなく周囲のテキストも関係があるのでしょうか。2004年に、Googleは 「文脈の参照に基づくランキング」と題する特許を出願しました。以下は、特許文書の興味深い抜粋です。

[…]リンクを囲むデータ、リンクの左側または右側のデータ、またはリンクに関連するアンカーテキストを使用することで、リンクに関連するコンテキストを特定する。

つまり、実際のアンカーテキストがランダムタイプで、リンク先のページとは無関係である場合、Googleは周囲のテキストを見ることで、そのページの内容を理解することができると言うのです。

Ahrefsをご利用の方であれば、先ほどのスクリーンショットのようにこれがどのように機能するかを確認できます。先ほどの場合、「いまだに重要である」というアンカーテキストはランダム/一般的なタイプですが、周囲のリンクテキストは(検索エンジンやアンカーテキストについて書いていることから)何らかの文脈を提供します。

そのことを念頭に置き、ランキングと周囲のテキストに含まれるキーワードの出現との間に、何らかの相関があるか調べることは興味深いことだと思いました。

以下は、これについて調査した内容です:

先ほどの項目(研究#1)と同じキーワードセットを使っていますが、ランダムなアンカーを持つページ、つまり完全一致/フレーズ一致/部分一致のキーワードを含まないページのみを含めました。その結果、27,156のWebページが残りました。

偏りを最小限に抑えるために、サンプルをさらに16000ページに減らしました。また、対象とするキーワードで1-20位となっているページを、それぞれ800ずつ割り振りました。これは、各順位すべての相関関係を同じ条件で確認するためです。

では、私たちが調査で発見したものを紹介しましょう。

キーワードと完全一致である周囲のテキストが与える影響

ターゲットとするキーワードが「SEOツール」とします。以下は、周囲のテキストに完全一致キーワードを使用したリンクの例です。

Ahrefsの被リンクチェッカーはお気に入りの SEOツールです。

それでは結果を見てみましょう。

ほとんど相関がないことがわかります。

スピアマン相関(平均): 0.0640

結果:周囲のリンクテキストに完全一致キーワードが含まれていても、ランキングに大きな影響はないようです。

キーワードと部分一致である周囲のテキストが与える影響

今度は、ターゲットとするキーワードの単語すべてを含む周囲のテキストと、ランキングの相関関係、つまり部分一致となっている場合の結果を調べました。

たとえば、キーワードが「SEOツール」の場合、部分一致である周囲のテキストは以下のようになります。

Ahrefsの被リンクチェッカーはSEOにおけるお気に入りのツールです。

なるほど?

結果は以下のとおりです。

スピアマン相関(平均): 0.0205

結果:ランキングと、部分一致である周囲のテキストとは、ほとんど相関がありません。

キーワードと1つ以上一致している周囲のテキストが与える影響

最後に、ランキングと、周囲のテキストがターゲットキーワードを少なくとも1つ含んでいる場合の、相関関係を調べました。

たとえば、ターゲットキーワードが「SEOツール」の場合、以下のような周囲のテキストが該当します。

Ahrefsの被リンクチェッカーはお気に入りのマーケティングツールです。
Ahrefsの被リンクチェッカーはSEOの被リンクをチェックするお気に入りの方法です。
Ahrefsの被リンクチェッカーはSEOにおけるお気に入りのツールです。
Ahrefsの被リンクチェッカーはお気に入りのSEOツールです。

例を見てみると、完全一致、フレーズ一致、および部分一致も含まれていることがわかりますね。

結果は以下のとおりです。

興味深いことに、このサンプルの場合平均の割合はかなり高く、すべての順位で20〜25%となっています。それでも、中央値がゼロであることに注意することが重要です。

つまり、調査したほとんどのページは、アンカーテキストの周囲テキストがキーワードと1つ以上一致しているわけではないということです。

ランキングとの相関:

スピアマン相関(平均): -0.0701

結果:わずかに負の相関がありますが、ゼロにかなり近いため事実上無相関です。

なぜ、両方の研究とも潜在的な欠陥があるのか

どんな研究も完璧ではありません、そして私たちのものも例外ではありません。その理由を説明しましょう。

完全一致アンカーテキストを持つ被リンクが、Ahrefsの記事「メールアドレスを見つけるためのガイド」に、いくつあるか知りたいとしましょう。

この記事が7000以上のキーワードで順位付けされているという事実を考えるまで、これは簡単な作業のように思えます。

それから、7,205個のキーワードのうちどれを完全一致として調査すべきでしょうか?

皆さんが考えているであろうこと:この場合、ターゲットキーワードは明らかに「メールアドレスを見つける」ですので、そのフレーズをアンカーテキストとして持つ被リンクの数を研究すべきですよね?

やや論理的な前提ですが、2つ問題があります。

第一に、私たちはこの記事のターゲットキーワードを知っているため、このページの調査は簡単にできます。しかし、今回サンプルとした384,614というスケールのWebページに対して、どうすれば同じように調査できるでしょうか?これらのページが何をターゲットキーワードとしているか確実に把握できるわけではないので、完璧な調査は不可能でしょう。

注釈:
Ahrefsのキーワードエクスプローラーでは、SERPの概要にターゲットキーワードの上位10のランキングページが表示され、さらに「上位のキーワード」を含む多数のSEO指標が表示されます。

Ahrefsの機能を詳しく知りたい方はこちら

「トップキーワード」は、そのページへ最もオーガニック検索流入しているキーワードたちです。では、なぜ今回のアンカーテキスト研究で、先ほど上がった問題を克服するために、こうした指標を使わないのでしょうか?

答え:「トップキーワード」は、あくまで最もオーガニック検索流入しているキーワードのみを表示するため、記事の作者が本当にランキングしたいキーワードとは限りません。

また、多くのアンカーテキスト付きリンク、特に完全一致リンクは、「リンク操作」の結果であると言っても過言ではありません。つまり、記事の作者であるSEO担当者は、ターゲットキーワードを含むアンカーテキストを作成してリンク構築し、ターゲットキーワードでの検索順位を高める目的を持っています。

これら2つをまとめると、「トップキーワード」の指標を使用しても問題が解決しない理由がわかります。
※訳者註:ターゲットキーワード「SEOツール」でアンカーテキストを作成したとしても、「マーケティングツール」など他のキーワードでの流入が上回っていた場合、「トップキーワード」の指標を使っても本来のターゲットキーワードがどれなのか確かめる術がありません。

次に、384,614のサンプルは、19,840のサンプルキーワード上位20件のページです。 ただし、これらのキーワードはすべて、一連の初期条件に一致していました。

条件の1つは、2,000~5,000の月間検索ボリュームがあることです。 この条件だけでも、一部のページのターゲットキーワードは(ボリュームがないので)確実に除外されます。 実際、「find email address」の場合、米国では毎月平均5,500件の検索があります。

さて、この点を説明するのに使用したページが異常値であり、ほとんどのページがそれほど多くのキーワードにランキングされていないと考える前に、以下をご覧ください。

300万件のランダムな検索クエリを調べたところ、平均して上位10位にランクインしているページも、400~1,300件ほどその他のクエリでもランキングしていることがわかりました。これは明らかに、私たちの研究が考慮に入れていない大規模な出来事です。

この発見は、皆さんがおそらく期待しているであろうセクションに繋がるものでしょう。

2019年は、特定のアンカーテキストでリンクを構築する必要があるか?

調査した各ページの、主なターゲットキーワードを知る魔法のような方法があったとしましょう。それは何かを変えるでしょうか?そうした質問自体が適切でしょうか?

私はそう思いませんし、大量にアンカーテキストを構築することが2019年のSEO対策として良い戦略とも思いません。その理由は3つあります。

1)トピックス>キーワード

これは興味深い事実です。

平均して、Ahrefsブログ全体の記事で、メインターゲットのキーワードから来ているオーガニック検索流入は22%(全体の1/5)のみです。

そのため、仮に調査に欠陥がなく、完全一致アンカーテキストを使用した場合でも、アンカーの一致とは、13%の確率程度でターゲットキーワードにランキングする秘訣であるということです(明確ではありませんが)。論理的には、大量のアンカーテキスト作成にフォーカスするメリットはないでしょう。

そうした一つのキーワードに対するランキング改善という努力は、明らかに見落としがあります。そのページへの総トラフィックのうち、ごく一部を増やす責任しかありません。

自分や他のWebページへの流入が、メインのターゲットキーワードによる割合で占められていないのはなぜでしょうか?これについて、説明させてください……。

Googleによる自然言語クエリの理解は、これまでになく優秀になってきています。Wikipediaによると、2013年にハミングバードが導入されたおかげで、「個々のキーワードよりも文脈や意味を考慮しながら、自然言語クエリをより重視するようになりました」とのことです。

このため、ターゲットキーワードでランキングしたページは、ロングテールのバリエーションキーワードでもランキングする傾向があります。これらを組み合わせると、ページへのトラフィックの大部分を占める原因となることがよくあります。

一例を挙げると、Ahrefsのサイトエクスプローラーで、先ほどの「メールアドレスを見つけるためのガイド」記事の、全オーガニック検索流入を見てみましょう。

そして、これがターゲットキーワードからのオーガニック検索流入です。

1,076 / 6,200 = ターゲットキーワードからのトラフィックは、全体の約17%。

つまり、メインのターゲットキーワード+そのほかのロングテールキーワードで、circle(全体)の流入となります。

完全一致アンカーテキストは、その定義により1つのキーワードしかターゲットにできません。2019年は、1つのキーワードへの順位付けはSEOのすべてを意味するものではなく、また主な目的であってはいけません。

おすすめ関連記事:How To Do Keyword Research for SEO — Ahrefs’ Guide(英文)

とは言え、読者の中にはこの議論に潜在的な欠陥を発見したかもしれません。もっと正確に言うと、反論したくなったかもしれません。次のような意見を引用しましょう。

アンカーテキストとして「x」を使用してリンクを作成し、そのページがxについてであることを納得させることができた場合、ハミングバードはxとy、およびzを関連付けます。
その場合、大量にキーワードリンクを作成しても、そのページがxだけでなく関連性の高い結果として役立つという、Googleの自信が間接的に高まります。
それ故に、ページの全体的なランキングとトラフィックを増やす可能性があるのではないでしょうか?

それは本当かもしれませんが、その結果を達成するためにはとても危険で不必要に難しい方法となります-特に投稿は-ペンギンアップデートの存在があるためです。

いくつかのオンページSEOを実行し、トピックに関連するキーワード(つまり、xだけでなく y とzも)を最適化する方が、はるかに簡単です。

2)リスク

大量のアンカーテキストでリンクを構築することは危険です。

そう、リンクを構築するという意味で、です。

アンカーテキストを正確なターゲットキーワードを書き、自分のページへ自然にリンクしてくれる人は、とても稀な出来事であることを私たち全員が知っていると思います。これは注意すべきポイントが何か、考えさせてくれます:

PBN(プライベートブログネットワーク)を使用するような、低品質のブラックハット戦術に頼らない形で、このようなリンク構築は困難です。これは(スパムであるため)Ahrefsでは提唱していません。

3)弱い相関

調査に使ったデータセットの潜在的な欠陥は別としても、私達の調査結果で発見した非常に弱い相関は、2019年のSEOに関しては、アンカーテキストが重要な役割ではないことを示しています。

まとめ

アンカーテキストは複雑なトピックです。業界の多くの人々は平均以上の完全一致アンカーテキストを作成すべき、と言い続けていますが、一方で私のように、皆さんはこれらについてより安全な形で利用した方が良いと考える傾向があります。

人によっては、ターゲットキーワードのために現在の上位ページが持つアンカーテキスト比率を分析して、その発見を元にアンカーテキストの推奨比率を定めています。しかし、これは1つの包括的な理由で推奨するものではありません。

ほぼすべての、合法的でホワイトハットなリンク構築戦略では、使用されるアンカーテキストを管理することはできません。

実際、ゲストブログ投稿が、リンクのアンカーテキストを指定できる唯一の戦略です。少なくとも著者略歴については、ブランドリンクを使うべきでしょう。

結論:自然なアンカーテキストの比率を持った被リンクプロフィールにするには、どうすればいいのでしょうか?これはGoogleが望んでいることです。

それはとても簡単なこと-アンカーテキストの比率を操作してはいけません。

Joshua Hardwick


コンテンツ責任者@Ahrefs(または、わかりやすい英語で執筆し、公開するすべてのブログ投稿が大作であることを確認する責任があります)。The SEO Projectファウンダー。

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