SEOにおいて、サブディレクトリはサブドメインよりも優れているわけではない

この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文：Subdirectories Are Not Better Than Subdomains For SEO
（著者：Patrick Stox, Joshua Hardwick / 原文の最終更新日：March 9, 2021）
※フルスピード註：この記事は2021年3月9日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs公式ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。

サブドメインは、ルートドメイン（subdomain.domain.com）の左側に存在し、サブディレクトリはルートドメイン（domain.com/subdirectory）の右側に位置します。

なぜSEOがこのトピックで議論するのか、そして実際にどのように機能するのかを見てみよう。

サブドメインとサブディレクトリのどちらがSEOに有利か？

私の知る限りでは、SEOの専門家たちはこれについて議論してきました。多くのSEO担当者は、サブディレクトリの方がSEOに有利だと主張し、サブディレクトリの使用を推奨しています。この考えは、古い研究に基づいて広まった神話です。

グーグルは何度も、どちらの方法でも問題ないと述べてきました。

マット・カッツは2012年にこう語っています：

どちらもほぼ同じです。私なら基本的に、設定やCMS、その他もろもろの面で、あなたにとって使いやすい方を選ぶと思います。どちらを選んだ方が幸せになれるか…私ならそうします。

マット・カッツ グーグル元ウェブスパム責任者

ジョン・ミューラーは2017年にこう語っています：

Googleのウェブ検索において、サブドメインとサブディレクトリのどちらも問題ありません。サイトのURL構造を変更すると、検索結果が安定するまで少し時間がかかることがありますので、長期的に維持できる選択をお勧めします。

ジョン・ミューラー 検索擁護者グーグル

これ以上はっきりしたことを言うことは難しいですが、一部のSEO担当者は今でもGoogleと異なる意見を持っています。私は、このような議論に対するジョンの皮肉たっぷりの返答が大好きです。

What reason could Google possibly have to be misleading here? "We're running low on subdirectory-servers"? I knew this would trigger some folks, so I spent time to prod folks internally about the reality, and there's nothing to hide here.

— John has updated his unnamed profile name #stapler (@JohnMu) January 24, 2018

パス（URLの一部）の左右のどちらが良いかを議論するのはあまり意味がないことです。ここでは技術的な詳細は省略しますが、これらのパスはほとんどの最新システムで仮想的なものであり、物理的なサーバー上の場所を指しているわけではありません。パスの名前やURLの構造を簡単に変更できます。

サブドメインをサブディレクトリとして提供するように変更することは、他に変更する必要がない場合、すぐに行える作業です。

多くのSEO担当者は、サブドメインが別のドメインとして扱われると考えていますが、実際のところはもっと複雑です。サブドメインがサイトの主要な一部として組み込まれている場合、サブディレクトリと同様の扱いを受ける可能性が高いです。しかし、サブドメインをメインウェブサイトの一部として扱っていない（内部リンクで接続していない）場合は、別ドメインとして扱われる可能性があります。

少し歴史を振り返ると、かつて、サブドメインはSERPに別の表示がされることがありました。多くの場合、このことはSEOの悪用に繋がりました。Googleは、古いドメインやホストのクラスタリングに関するアップデートで、この問題を修正しました。

最近では、サブドメインが同じウェブサイトの一部として見える場合、同じウェブサイトの一部として扱われることが多いです。サイトリンクでさえ、サブドメインへのリンクを含んでいることがあります。

様々なディズニーのサブドメインがサイトリンクとして表示されている例。データはAhrefsのサイトエクスプローラーより取得。

GitHub、LinkedIn、Google、Amazon、Microsoft、Yahoo、Netflix、Walmartなど、多くのブランドが自社のサブドメインをサイトリンクとして表示している例をたくさん挙げることができます。

SEOケーススタディ

多くの事例が示すところによれば、サブディレクトリはサブドメインよりも優れた結果を示しています。ただし、内部リンクの追加や複数のプロパティを1つに統合するなど、他の変更が複雑に影響を及ぼすことはあります。

一つの具体例を見てみましょう。サイトエクスプローラーの トップページ2.0を使うと、履歴チャートをクリック＆ドラッグして、任意の2つの日付間での違いを比較できます。mention.comのケースを見てみると、2016年1月にサブドメインからサブディレクトリに移行しました。この移行の時点では大きな変化は見られませんでした。実際、トラフィックの増加はその後のコンテンツ追加によるものでした。

さらに注目すべき点として、トラフィックを失ったページが再びほぼ同じトラフィックを獲得していることが挙げられます。トラフィックは単に新しい場所に移動しただけで、実質的な増加はなかったということです。

もう一つの興味深い事例はGitHubです。彼らはサブディレクトリ（github.com/blog）からサブドメイン（blog.github.com）、さらには完全に異なるドメイン（github.blog）へと移行しました。移行中には多少の流動性がありましたし、他の変更も同時に行われましたが、URLの違いだけでトラフィックに大きな影響はありませんでした。

トラフィックの違いが見られる理由

移行の影響が大きかったり小さかったりする理由は、いくつかの異なる要因に起因しています。

一時的な信号の変化

新しいページや移動したページは、Googleがまだクロールの方法や順位付けを理解しきれていないため、一時的にフォルダやサイト全体で以前の信号を引き継ぐことがあります。そのため、変更が完全に反映されるまで、一時的な変動が生じる可能性があります。

問題の追跡または測定

これはさまざまな形で現れます。例えば、サブドメインのトラッキングが正しく設定されていない、アナリティクスのセットアップに問題があるかもしれません。繁忙期や通常のトラフィック期間、Googleのコアアップデートのタイミングなどの問題も関わるかもしれません。新しいフォルダの成長だけが注目されていることもあるでしょう。重要なのは、適切な比較が行われていることです。

ブロックまたはインデックスされていないページ

ージがクロールされないようにブロックされたり、noindex属性が設定されたりすると、信号が正しく統合されず、移行中にトラフィックが低下する可能性が高まります。robots.txtガイドを読んで理解を深めることをお勧めします。

再設計またはプラットフォーム変更

ウェブサイトを再設計したり、プラットフォームを変更したりすると、さまざまな要素が変わる可能性があります。技術、速度、見出し、URLなど、すべてが影響を受ける可能性があります。

内部リンクの変更

サブドメインとサブディレクトリのケーススタディにおいてよく見られるのが、内部リンクの変更です。独立したサブドメインからすべてのページでリンクされるサブディレクトリへの移行が一例です。もちろん、この変更によってトラフィックの向上が見込まれることもあります。

削除または更新されたコンテンツ

コンテンツが変更されると、ランキングやトラフィックに影響を及ぼす可能性があります。トラフィックがあったコンテンツを削除すると、トラフィックが減少することがあります。

まとめ

変更にはリスクがつきものです。サブドメインからサブディレクトリへの変更を、純粋にSEOのためだけに行う場合は、よく考えることをおすすめします。

もし、上述のような変更をせずに移行し、それでも改善が見られるケースがあるなら、ぜひ見てみたいです。ツイッターでメッセージを送ってくれれば調査することができます。その違いを説明できる変更があることに賭けてもいい。