タイトル:YouTubeで設定できるタグとは?タグの選び方を3ステップで紹介
この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:What are YouTube Tags and Which Ones Should You Add?
著者:Joshua Hardwick (Head of Content @ Ahrefs ) ー Ahrefsのコンテンツ責任者(または、読みやすい英文にしたり、私たちの公開する記事がすべて大作であることを保証する責任者)。
原文更新日:2019/11/14
フルスピードによるこの記事の要約:
- YouTubeの動画に付けられるタグについて、概要を解説しています。
- YouTubeの動画にタグを付けるときの考え方と、簡単な手順を紹介しています。
- YouTubeの動画において、タグはタイトルや概要欄ほどは重要ではありません。考えすぎずにできる範囲で設定しましょう。
YouTubeの動画にタグを追加するときの、シンプルで論理的な方法を知りたいですか?
この記事では、あなたの動画YouTubeのタグを追加するときに意識したい、2つの方法をご紹介します。
- 最も効果的で、理にかなっていると感じるタグを追加する
- 論理的なプロセスで、意味のあるタグを探して追加する
このガイドでは、Ahrefs社が作っているYouTube動画にタグを追加するにあたって、5~10分程度で簡単にできる手順を解説しています。
まずはYouTube動画のタグについて、基本的なことから見ていきましょう。
YouTubeのタグとは?
YouTubeのタグとは、動画の概要やカテゴリ、ジャンルなどを説明するものであり、ユーザがあなたの動画をYouTubeの中で探しやすくするために、多くの文脈を提供する単語やフレーズのことです。
<単語や フレーズを入れてEnterキーを押すかカンマ(,)で区切ると、タグとして入力されます。>
なぜYouTubeのタグは重要なのか?
大きな意味で言うと、YouTubeのタグはそれほど重要ではないという考えが前提にあります。
YouTubeは、「動画にタグを追加する」公式ヘルプページ で以下のように解説しています。
タグとは、コンテンツを検索でヒットしやすくするために動画に追加できる説明的なキーワードです。動画の検索時には、動画のタイトル、サムネイル、説明などのメタデータのほうがタグよりも重要な役割を果たします。こうした主要な情報は、ユーザが動画を見るかどうか決めるときの判断材料になります。
タグは、スペルを間違えられやすいものが動画のコンテンツ内にある場合に役に立つことがあります。その場合を除けば、動画の検索時にタグが果たす役割はごく小さなものです。
そのためか、BRIGGSBY(動画SEOとJavaScript SEOコンサルティング企業)による研究では、タグに注力するキーワードを使うことと、注力キーワードでYouTube内を検索したときの順位とでは、わずかな差しかないとされています。
<横軸: 特定のキーワードでYouTube内検索を検索したときに表示された動画の順位 縦軸:その順位の動画が、検索キーワードに最適化されたタグを使っている割合。>
出典:BRIGGSBY-YouTube SEO Ranking Factor Study
※フルスピードによる注釈: このグラフは、10万件の動画・7万5000件のチャンネルを対象に実施しています。しかし、特定のキーワード検索で1位になっている動画であっても、調査対象のうち36%しかキーワードを意識したタグを使用していない、という結果になっています。
この調査では、上位表示している動画のうち、タグにキーワードを使用しているのは約1/3だけとわかりました。著者のJustin Briggs氏が指摘するように、「YouTubeのタグは、動画のタイトルや説明文よりも重要性が低いことを示唆しているかもしれない 」ということです。
もちろん、相関関係と因果関係は必ずしもイコールではありませんが、どちらにしても、わざわざYouTubeのタグをつけるべきなのか、と疑問に思うかもしれません。
その答えは簡単です。Youtubeのタグは付けるべきです。ただ、タグを付けるとき、あまり時間をかけすぎないようにしましょう。
YouTubeの動画にタグを追加する3つのステップ
些細なことにこだわる前に、YouTubeの動画タグを追加する「手順」はとても単純ですが、決定的なものではないことに注意するのが重要です。私たちが行っている方法ではありますが、過去数年で、私たちのYouTubeチャンネルの成長に重要な役割を果たしたという、確固たる証拠はありません。
この手順はあくまでも目安として使用しており、各動画にタグを追加する時間は5~10分以内としています。それ以上時間をかけるのは無駄だと思います。
さて、3つのステップで手順をご紹介しましょう。
1. 優先度の高い注力キーワードを最初のタグに設定する
BACKLINKO(SEOコンサルティング企業)による、130万本のYouTube動画を対象とした調査では、動画のタグに含まれるキーワードの存在と順位表示との間に、わずかな関係があることがわかりました。
<BACKLINKOによる調査結果。横軸:特定のキーワードでYouTubeを検索したときに表示された動画の順位 縦軸:その順位の動画が、検索キーワードに一致している単語のタグを使っている割合。>
出典:BACKLINCO-WE ANALYZED 1.3 MILLION YOUTUBE VIDEOS Here’s What We Learned About YouTube SEO
(この結果も)相関と因果はイコールではないので、これらの結果は話半分程度に聞いた方が良さそうです。とは言え、前のセクションで紹介したBRIGGSBYの研究結果と同じことが言えますね。
また、YouTubeは動画に付けられた最初のタグを最も重視している、という説もあります。
これが本当かどうかは推測でしかなく真偽不明です。しかし、YouTube公式チャンネルによると、タグを付けるためのチュートリアル動画では、「公開する動画にとって最も意味のある言葉やフレーズを使ってください。」とあるように、動画検索で狙っているキーワードをタグにするのは良い出発点と言えます。
そのため、Ahrefs社はほとんとの場合最初に入力するタグとして、動画検索で意識している注力キーワードを用いています。
たとえば、Ahrefsチャンネルで公開しているキーワード調査動画のタグを見てみましょう。
<Ahrefsチャンネルの動画「Keyword Research Tutorial: From Start to Finish」に付けられている動画タグ。赤枠が最初に入力したタグ「keyword reseach(キーワード調査)」です。>
最初のタグが「キーワード調査」なのは、このキーワードが特に注力しており、上位表示を狙っているキーワードだからです。
これは、私たちが公開しているSEOチェックリストの動画でも同じです。「SEO チェックリスト」で上位になりたかったので、これを最初に入力しました。
<Ahrefsチャンネルの動画「SEO Checklist: How to Get More Organic Traffic (Complete Tutorial)」に付けられている動画タグ。赤枠が最初に入力したタグです。>
2. 上位表示の動画に共通している関連キーワードを追加する
まずは無料で使えるvidIQ(YouTubeアナリティクスツール)のブラウザ拡張機能またはTubeBuddy(YouTube SEOに特化した分析ツール。Chrome拡張機能)をインストールし、youtubeでターゲットキーワードを検索します。
※フルスピードによる注釈: どちらのブラウザ拡張機能も「YouTube Certified(YouTube 認定資格プログラム)」のマークが付けられていますが、インストールやご利用についての責任は負いかねます。
次に、注力するキーワードによる検索で最も関連性が高いとされた、上位3~5件の動画をそれぞれブラウザの「新しいタブ」で開きます。
通常、これらの動画は1位から順に3~5件開けば良いのですが、常にその手順で良いというわけではありません。
たとえば、「iPhone アプリ」が注力キーワードだとして、このキーワードで上位表示するため、人気トップのアプリを10~20件リストアップした動画を作ったとします。
以下は、「iPhone アプリ」でYouTube検索したときの上位表示された動画です。
<1位の動画は、「iPhone用の代替アプリストア(※AppleのApp Store以外のアプリストア。)>
上位2位から5位までの動画は、例として作成した動画の内容と似ていますが、1位の動画はそうではなく、紹介している切り口が全く異なっており、「iPhone アプリ」というキーワードをターゲットにしているようには見えません。
そのため、1位の動画は無視して、以降の上位動画をいくつか新しいタブで開きましょう。
(動画を開くと)画面右側にvidIQのオーバーレイが表示され、それぞれの動画に付けられたタグが見られるはずです。
<フルスピード注:vidIQのChrome拡張機能が有効な状態で、動画を開いた状態。赤枠がこの動画に付けられているタグのリスト。>
それぞれの動画に付いているタグをよく見て、注力キーワードと関連性がありそれらの動画で共通して付けられているタグを自分の動画にも追加することを検討してください。
3. 検索ボリュームのある関連キーワードをタグに追加する
続いて、Ahrefsのキーワードエクスプローラーへアクセスし、検索エンジンをYouTubeに設定します。
先ほどのステップで開いた動画のタグをすべて入力欄に貼り付けて、検索してください。
※Ahrefs社ブログ原文の注釈:重複除外は気にしなくてかまいません。Ahrefsのキーワードエクスプローラーは、自動的に入力したキーワードの重複を除外します。
これで、各キーワードの推定月間検索ボリュームが、降順にソートされて表示されるようになりました。
<フルスピード注:vidIQのChrome拡張機能で開いたYouTube動画のタグを、全てAhrefsのキーワードエクスプローラーに貼り付け、YouTubeを対象として検索ボリューム分析を行った状態。赤枠が各キーワードの推定月間検索ボリュームで、降順にソートされています。>
検索ボリュームが高く関連性のある、説明的なキーワードのリストを順に見ていきましょう。
先ほど例に挙げたiPhoneアプリの動画のためにこのリストを見るとしたら、「最高の(または おすすめ) iPhone アプリ」、「インストールすべき iPhone アプリ」、「iOS アプリ」などが関連性が高く、付けるべきタグかもしれません。
※Ahrefs社原文ブログの注釈:時には、より一般的なタグを追加する場合もあります。たとえば、Ahrefs社が作るSEOのヒント動画では、メインターゲットとしているキーワードと密接に関連した「SEO トリック」や「SEO テクニック」といったタグが追加されていますが、「SEO」や「Google SEO」など、もっと漠然としたタグも含まれています。ただし、大抵はそうしたキーワードでもYouTube検索で動画が上位表示する、と感じた時にのみ行っています。
YouTubeでタグを付けるときのベストプラクティス
この項目では、YouTube動画にタグを追加するときに考えるべき、汎用性の高いアドバイスをご紹介します。
タグを使いすぎない
YouTubeでは、動画に追加できるタグの数に制限はありません。ただし、合計500文字 までという制限があります。
しかし、500文字まで追加できるからといって、常に文字数の限界まで追加しなければならないわけではありません。
前述の「なぜYouTubeのタグは重要なのか?」の項目でも紹介した、10万本のYouTube動画を対象としたBRIGGSBYの分析によると、上位表示している動画のタグに付けられた文字数で最もパフォーマンスが良かったのは、200~300文字程度 だそうです。
<横軸:特定キーワードでYouTube内を検索したときに表示される、1~10位程度の上位動画に付けられたタグの合計文字数。 縦軸:上位動画をタグの合計文字数で分類(0~500文字まで100文字ごと)し、グループごとの平均順位を表したもの。>
出典:BRIGGSBY-YouTube SEO Ranking Factor Study
この結果について、Justin Briggs氏は以下のようにコメントしています:
直接的な要因ではないと思いますが、合計文字数が多すぎるタグを付けられた動画グループは、最適化の問題が示唆されていると考えます(関係ない話題のタグが入っている、キーワードをタグに詰め込み過ぎている、など)。
結論:YouTube動画は内容に関連するタグを追加すべきですが、キーワードを詰め込んだり、盛り込みすぎたりなど、やりすぎたりしてはいけません。
ユーザを惑わさない
タグを使って「見たいコンテンツと思わせておいて、そうではないと騙す」ことは、YouTubeのスパムポリシーに反しており動画が削除される可能性さえあります。
では、誤解を招くタグとは何を指すのでしょうか?
YouTubeヘルプでは具体的な例を提示していませんが、下記はポリシーでも名言しており、ここから推測することは可能でしょう:
- 有名人の名前
- 競合他社の名前
- 無関係なキーワード(例:iPhoneアプリに関する動画なのに「android アプリ」のタグがあるなど)
肝心かつ当たり前のことですが、YouTube動画に付けるタグは、関連性のあるものにしましょう。
動画の説明欄にタグを追加してはいけない
YouTubeは、ユーザを誤解させるもう一つの例として、「動画アップロード時にタグとして設定するのではなく、動画の説明文に過剰な量のタグを配置すること(タグスタッフィングとも呼ばれる)」を挙げています。
<動画の説明欄にタグを詰め込む「タグスタッフィング」を行っている例。赤枠の中に「キーワード:Vidmate for PC~」などスパム的な詰め込みをしています。>
結論:YouTube動画の説明欄に、タグのリストは配置しないこと。説明欄には説明だけを記載しましょう。
タグを付けるときに考えすぎない
常識で考えられることをやりましょう。考えたタグが動画と関連性がありそうならば、追加する。そうでない場合は、追加しないでください。
まとめ
YouTubeの動画に関連性のあるタグを追加することは、間違いなく価値がありますが、たくさん時間をかけるほどのことではなく、見合った対価は得られない可能性が高いです
YouTube自体も、動画に付けるタグはタイトルやサムネイル、説明欄に比べ重要でないことを率直に認めています。そのため、通常のSEOと同様に、タグよりもこれらにもっと時間と労力をかけること、何よりもユーザの関心を引く、面白くて魅力的な動画の中身を作ることに集中しましょう。
YouTube SEOについて、もっと学びたいですか? Ahrefs社ブログの関連記事を読むか、以下の動画をご覧ください。
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