SEO担当者必見!Googleの検索品質評価ガイドラインの謎をひも解いて解説します

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この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
Google’s Quality Raters Guidelines Demystified for SEOs
(著者:Vince Nero  / 原文の最終更新日:Octorber 21,2021)
※フルスピード注:この記事は2021年10月21日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs公式ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。

あらゆるSEO対策ガイド記事が、Googleのアルゴリズムについてその謎を解き明かそうと躍起になっています。しかし、すでにGoogleがアルゴリズムに対し、どのように振る舞って欲しいかを伝える文書を持っているとしたらどう思いますか?

GoogleのQuality Rater Guidelines(検索品質評価ガイドライン)が、その文書です。ただ、残念ながら、172ページもあります。そこで、この記事を読まれているあなたの正気を保つために、執筆者である私が文書のすべてに目を通した上で、あなたが知るべきことだけをこの記事でお伝えすることにしました。

このガイドで学べることは以下の通りです。

Googleの品質評価者とは?

Googleの品質評価者は、Googleが雇用した1万~10万人のチームです。彼らは、Googleの検索結果がユーザーのニーズをどの程度満たしているかを判断します。

Googleは、アルゴリズム調整の影響を理解するために、彼らのフィードバックを利用しています。ガイドラインはアルゴリズムやランキングに直接影響を与えるものではありませんが、GoogleはCNBCのインタビューで、ガイドラインは “アルゴリズムが何をすべきかを根本的に示している “と述べています。

Googleの検索品質評価ガイドラインとは?

Googleの検索品質評価ガイドラインは、品質評価者が検索結果をどのように評価すればよいかを正確に伝えています。これらは172ページに及ぶ文書の中にすべて記されています。

この文書には、3つの主要なセクションがあります。

  • ページ品質評価ガイドライン – このセクションでは、品質評価者が検索結果で確認すべき主な要因について説明します。ページの目的、E-A-Tシグナル、コンテンツの品質、ウェブサイトの所有権、ウェブサイトの評判などが含まれます。
  • モバイルユーザーのニーズを理解する -このセクションでは、Googleがモバイルでのインタラクションをどのように見ているかを説明します。
  • ニーズメット評価ガイドライン – この尺度は、検索結果がモバイルユーザーのニーズをどの程度満たしているかを評価するものです。

QRGの謎を解くSEO担当者が知っておくべきことは?

172ページに及ぶ文書のすべてがSEOに役立つわけではありません。そして、役に立つセクションは、明白ではありません。しかし、Googleがそれぞれのトピックについて述べていることを深く掘り下げると、貴重な情報を引き出すことができます。

ここでは、主なポイントをご紹介しましょう。

他のウェブサイトからの評価に注目する

Googleは、シニカルさとウィットを織り交ぜながら、「多くのウェブサイトは、自分たちがいかに素晴らしいかをユーザーに伝えることに熱心である」と、品質評価者に伝えています。そこでGoogleは、サイトの評価だけでなく、ページ外からの評価も行うよう、品質評価者に指示しています。

ガイドラインでは、外部の「ニュース記事、ウィキペディアの記事、ブログ記事、雑誌の記事、フォーラムの議論、独立した組織による評価」において、サイトや著者について言及があるかどうかを調べるように評価者に指示しているので、あなたもそうすべきでしょう。

Google検索にて、「自分のドメイン -自分のドメイン」とマイナスの演算子を入れた状態で検索すると、あなたのウェブサイトやそのブランドについて、他の人が書いたもののみが表示されます。

また、AhrefsのSite Explorerを使って、あなたのサイトへの被リンクをチェックし、他のサイトがあなたのブランドについて何を、どこで言及しているかを把握することができます。

この作業は、他の人があなたのサイトやブランドをどのように見ているかを知るだけでなく、あなたの製品やサービスの弱点を明らかにするためにも有効です。

ポジティブレビューとネガティブレビューへの対応

オンラインレピュテーションマネジメントのもう一つの大きな要素は、Yelp、Better Business Bureau、Amazon、Google Shoppingなどのレビューサイトを常にチェックすることです。Googleは、検索品質評価ガイドラインの中で、評価者がウェブサイトやブランドの評判を判断するために使用すべきものとして、これらの特定サイトに言及しています。

ネガティブな発言やレビューを無視するのではなく、正面から取り組みましょう。

ネガティブなレビューは、カスタマーサービスやサイト内の情報、製品提供全般を改善するための貴重な情報源となる可能性があります。これは、SEO対策にもなり、長期にわたって新しい顧客を維持し、引きつける確率を高めることができます。

専門性をアピールする

これは、ほとんどのSEO業者にとって驚くべきことではないかもしれませんが、Googleはガイドラインの中でE-A-Tについて多く語っています。E-A-Tとは、専門知識、権威、信頼の略で、質の高いコンテンツの主要なシグナルの1つです。

私は、Googleの品質評価者に対する指示は、SEO業者にとって最も明確な指示であると感じています。

ページが持つテーマについて考えてください。そのページがうまく目的を達成するためには、どのような専門知識が必要なのでしょうか?

「専門性」の質問にきちんと答えれば、当然、権威や信頼もカバーできるはずです。業界によっては、医療に関するアドバイスであれば医学博士のような正式な専門知識を、SEOに関するアドバイスであれば、クライアントのWebサイトの上位表示を長年にわたって支援してきたような実践的な専門知識を意味する場合もあります。

その専門性を示すために、GoogleがE-A-Tに関するこの素晴らしい投稿で言及している、いくつかの実用的なヒントを紹介します。

  • 情報の出所を明確にする。
  • 著者やウェブサイトの背景情報を提供し、「著者」ページや「会社概要」ページへのリンクを貼る(詳細は後述)。
  • コンテンツに専門性や熱意が感じられること。
  • コンテンツに事実誤認がないことを確認する。

しかし、すべての業界が同じとは限らないので、注意が必要です。自分の業界で「専門性」がどのようなものかわからない場合は、現在の検索結果で上位のサイトに注目し、どのように専門性をアピールしているのかを理解することです。

ページ内の情報に対する責任者を明確にする

Googleは、あらゆる種類のWebサイトが同じ専門知識を必要とするわけではないことを認めています。しかし、品質評価者には、「誰がその情報に責任を負っているか」を確認することを求めています。

ブログ記事やその他の情報コンテンツについては、私たちAhrefs社ブログのように各ページの著者を特定し、短いバイオグラフィーを追加することでこれを明確にできます。

ページの作者は、その分野での「正式な」教育は必要ないかもしれませんが、なぜ特定のトピックについて書いているのか、なぜその人を信頼するのかを明確にすべきだということを覚えておいてください。

「about」ページを更新する

すべてのサイトにブログのサブフォルダがあるわけではないですし、誰が情報を担当しているのかを示す著者の経歴が必要なわけでもありません。もしあなたのサイトに著者の場所がない場合は、必ず「about」ページを更新してください。そうすれば、ユーザーはあなたが誰で、どのように連絡すればよいかなどを知ることができます。

たとえば、カリフォルニア州公衆衛生局には、ブログや著者のための明確な場所がありませんが、「about」ページには画像のような情報が掲載されています。読み手は、その情報が誰からのもので、なぜ信頼できるのかを明確に知ることができるのです。

YMYLサイト用の追加すべきE-A-Tシグナル

Googleは、Your Money, Your Life(またはYMYL)として、ページやサイトの種類を指定しています。これらは、「人の将来の幸福、健康、経済的安定、または安全に影響を与える」サイトです。これらは以下の通りです。

  • ヘルス&フィットネス
  • 安全性
  • ショッピング
  • 金融
  • 政府・法律
  • ニュース
  • 人々のグループ(障害者、国籍、退役軍人など特定のグループ)
  • 大学
  • 仕事・求人

Googleの検索品質評価ガイドラインは、これらのサイトから提供される情報の質に細心の注意を払うよう、品質評価者に求めています。

例えば、記事のファクトチェックやレビュープロセスの表示は、健康・医療分野で広く使われているベストプラクティスです。Healthlineの記事には、著者名(略歴ページへのリンク)と事実確認のための記号があり、E-A-Tを証明するのに役立っています。

また、他の専門家の意見で主張を裏付けることもできますし、特にYMYLトピックではそうすべきです。以下のHouse Beautifulの住宅リフォームの例を見てみましょう。House Beautifulは優れたE-A-Tシグナルを持っていますが、情報を強化するために専門家の意見を記事に追加しています。

数回のクリックでウェブサイトの機能が使えるようにする

Googleは品質評価担当者に、高品質のページは単に「見た目が良い」だけではないと伝えています。サイトによっては、表面的には素晴らしい、あるいはうまく機能しているように見えても、数回クリックすると崩れてしまうような機能があります。そこでGoogleは、品質評価者に各サイトの機能をクリックすることに時間をかけるよう促しています。

あなたも同じように、ウェブサイトが複数のデバイスで意図したとおり実際に機能することを確認する必要があります。そのための方法をいくつかご紹介します。

  • インタラクティブなコンテンツをテストする。サイト上のツールや計算機を使用し、それらが機能することを確認してください。
  • 埋め込み動画を試聴する。動画は、UXにおける問題の一般的な原因です。埋め込んだ動画がきちんと再生され、ユーザーエクスペリエンスに悪影響を与えないことを確認してください。
  • チェックアウト(注文や登録)を実行する。商品をカートに入れ、チェックアウトプロセスを実行し、すべてが期待通りに動作することを確認してください。

低品質なものは避ける

検索品質評価ガイドラインの19ページにあるこの指示で、ネガティブガイドラインのほとんどを要約することができます。

ユーザーの役に立とうとしていないページや、憎悪を広めたり、害を与えたり、ユーザーに誤解を与えたり、騙したりする可能性のあるページなど、何らかの有益な目的を持たないWebサイトやページは、最低の評価を受けるべきです。

また、ガイドラインの後半には、指摘に値する低品質な慣行がいくつか追加されています。

  • 過度に衝撃的な、または誇張された記事タイトル(クリックベイト記事など、ページタイトルがクリックを誘う内容なのに、中身が伴わずユーザーに混乱を残すような場合)。
  • メインコンテンツのコピーやスクレイプドコンテンツ(スクレイプドコンテンツに関するGoogleのガイドラインを読んでください。これは、シンジケートされたコンテンツと混同してはいけません)。

広告がコンテンツの邪魔にならないようにすること

広告がなければ、Googleのビジネスモデルは成り立たなくなります。Googleは、サイトに広告が表示されることは問題なく、実際、ある種のサイト収益化には不可欠であることを認めています。

しかし、サイトに表示される広告の種類と、それがコンテンツ体験にどのような影響を与えるかについて、ウェブサイトが主体性を持つことを期待しています。

そのため、あなたのウェブサイトをブラウズする時間を多めに費やしましょう。そこで表示される広告の種類と、それがユーザーの全体的な体験にどのような影響を与えるかを理解してください。

広告がページ上のテキストを覆っていませんか?過度にグラフィカルな主張をしていたりや暴力的でないでしょうか?これらはすべて、品質評価者にとって低品質であることを示すシグナルです。

広告があまり目立たないサイトでも、コンテンツがいつ、どこで広告を表示しているかを開示することは重要です。Nerdwalletのような非常に権威のあるサイトでは、ページの右上にこの種の情報を表示します。

404ページの情報を充実させる

Googleは、404ページの扱いについて、技術的な推奨事項を設けていません。しかし、品質評価ガイドラインの中で、その外観と有用性を維持することの重要性に言及しています(※)。

※フルスピード注:この記事の原文では、「ガイドラインでは、このAmazonの404ページについて特に言及し、”中”のスコアを与えています。」と記載されていますが、2023/1/24時点では参照先の画像自体が消失しているため、テキストを省いております。

ページが見つからなかったことを伝えるだけの404ページは、それほど有用ではありません。ですから、404ページのカスタマイズに時間をかけましょう。少なくとも、検索バーや関連リンクを用意し、訪問者が探していたものや似たようなものを見つけられるようにする必要があります。

Ahrefsの404ページには、このように記載されています。

Ahrefs社では最近(2021年当時)、サイトの構造を大幅に変更し、多くのユーザーのブックマークをリンク切れとさせてしまったため、404をこのように変更しました。ブックマークしていたのに404になってしまったページにアクセスしたユーザーの不満が爆発することを予測して、問題を解決する方法を説明するために404ページを更新しました。

もちろん、404ページですべての人を満足させることはできません。ですから、何を掲載するにしても、それは最適な解決策ではありません。最適な解決策は、訪問者が404ページを目にする頻度を最小限にすることです。これは、404ページを関連するほかのリソースにリダイレクトすることで可能になります。

Ahrefsウェブマスターツールサイトエクスプローラーを使用すると、無料でサイト内にあるすべてのリンク切れページを見つけることができます。ドメインを入力し、Best by Linksレポート(最もリンクされているページ レポート)に移動し、404フィルタを追加してください。

これらのページを、適切な関連URL(特にバックリンクのあるページ)にリダイレクトしましょう。

キーワードの検索意図と鮮度に注意する

Googleは、モバイルユーザーのニーズのセクションで、検索意図は時間経過や検索者が今いる場所によって変化する可能性があると品質評価者に説明しています。

例えば、「フットボール(football)」という言葉は、米国とそれ以外の地域では全く異なる意味を持ちます。以下は、品質評価者のガイドラインから直接引用したものです。

SEO担当者は、キーワードの意味が変化することを考慮し、検索結果がいつでも関連性(=品質)を維持できるように心がけてください。

帽子を販売するウェブサイトの場合、米国で夏に「帽子(hats)」を検索するとベースボールキャップがヒットし、冬に同じ検索をするとニットキャップがヒットする可能性があることを知っておく必要があります。そのため、在庫を適宜入れ替えるか、それぞれ独自のページを作成する必要があります。

マーケティングカンファレンスについての投稿がある場合、ユーザーは最新のマーケティングカンファレンスを求めている可能性が高いので、投稿を最新の状態に保つことが望まれます。

Googleは、すべてのサイトをモバイルファーストにすることを推進しているため、これをモバイルユーザーのニーズのセクションに含めていますが、検索意図にコンテンツを合わせることは、モバイルに限らずすべてのデバイスで重要であることは注目すべき点です。

まとめ

Googleは、この品質評価ガイドラインで多くのことを隠しているわけではありません。結果として、私が話したことのほとんどは、Googleがウェブマスター向けに掲載している品質ガイドラインと重複していることがわかると思います。

ですが、私は172ページを読み終えて、いくつかのことがはっきりとわかりました。

  • Googleは、質の高いコンテンツに報酬を与え、悪意のあるコンテンツや薄っぺらいコンテンツを避けるアルゴリズムを望んでいます。
  • 高品質なコンテンツとは、単に「見栄えが良い」だけでなく、「役に立つ」コンテンツであるべきです。
  • ウェブサイトの評価は、サイトレベルにとどまらず、オフページの要素もGoogleのアルゴリズムへ、思った以上に大きな役割を果たしているようです。

最後に、そして最も重要なことは、品質評価者として人間を雇っていることから、コンテンツ制作のワークフローにおいても人間の要素を維持することが依然として重要であることをGoogleは理解していることにあります。(ウェブサイトを作りSEO施策を行う側としては、)安価な人材やAIが生成したコピーコンテンツでコンテンツの規模を拡大する状況に陥りがちです。しかし、結局のところ、Googleがアルゴリズムに報いることを望むコンテンツとは、人間によって人間のために作成されたコンテンツなのです。

著者プロフィール:

Vince Nero(Ahrefsブログのゲスト寄稿者)
Vinceは、Siege Mediaのコンテンツマーケティング担当ディレクターです。彼は、B2BとB2Cの業界でSEOとリンク構築戦略を成功させ、クライアントのウェブサイト順位上昇をサポートしてきました。彼は、アルゴリズムではなく、ユーザーのために解決するコンテンツを作成するべきだと考えています。

  • ・コンテンツが少なく、Webサイトのアクセスが伸びない。
  • ・競合サイトに検索順位で後れを取っている。
  • ・リンク獲得ができず、Webサイトが評価されない。
  • ・お問合せや資料請求のコンバージョンが増えない。

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