SEOサービス契約書の無料テンプレートのご紹介

究極のSEO契約書テンプレート【100%無料】 SEO

この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:The Ultimate SEO Contract Template [100% Free]
( Gary Coutard / 原文の最終更新日: July 22, 2021)

フルスピードによるこの記事の要約:

  • Ahrefsのチームが作成した、SEOサービスの契約書テンプレートをご紹介しています。
  • このテンプレートは無料です。各自でコピーし、自由にカスタマイズできます。
  • また、この記事では契約書テンプレートの中で、特にカスタマイズすべき項目をまとめています。
  • この契約書テンプレートに限らず、実際にクライアントと契約するときに改めて契約書を作成するときは、必ず弁護士など法律の専門家と相談しながら作成してください。

もし、あなたのクライアントがSEOサービスの書類にサインする準備ができているなら、当社が作成した無料で使えるSEO契約書のテンプレートを送りましょう。

このテンプレートには、自分自身を守り、クライアントに明確な期待を持たせるために必要な13項目が含まれています。また、どの部分もカスタマイズ可能なので、名前を入れ替えたり、価格やサービスを編集したり、規約の内容を微調整したりできます。

当社はこれをどうやって作成したのか?

40社以上のSEO業者やフリーランサーを調査し、SEO契約書を分析して、それぞれのテンプレートから良い部分を抽出しました。

免責事項:この記事を書いている私、ゲイリーは弁護士ではありませんので、ここで紹介されている内容は法的なアドバイスに代わるものではありません。当社(Ahrefs)も寄稿者である私も、あなたがこの記事の内容をどのように活用するかについて、一切の責任を負いません。この記事で公開しているSEO契約書のサンプルは自由に再利用できますが、実際の契約においては必ず資格を持った法律の専門家へ相談してください。

なぜSEOサービスの契約書が必要なのか?

SEOサービスの契約書を作成することで、以下の効果が期待できます。

  1. 信頼の確立
  2. 法的な保護に役立つ
  3. クライアントの期待値を明確にする

ではなぜ、口頭での契約だけではダメなのでしょうか?

その答えはありません。
しかし、私たちが調査した同業他社の統計データをご紹介します。

  • 当社が調査した世界中にいる40人超のSEOプロフェッショナルのうち、86%がSEOサービスにて書面による契約を使用しています。
  • 調査対象者の中には、平均9.5年のSEO業務経験を持つ代理店、フリーランサー、請負業者が含まれています。
  • また、平均して22人の従業員や請負業者が働いています。

つまり口約束が通用する場面は、ごく少数の人に限ればそうと言えるでしょう。しかし、私たちが調査した人たちや、10年以上SEOに携わってきた私の個人的な経験に基づけば、SEOのビジネスには書面による契約がベストだと考えています。

私の考えでは、ビジネスでしっかりとした契約書を作成することは、飛行機に乗る前に搭乗券を用意するようなものです。契約書があれば、新しいクライアントをスムーズに迎え入れることができます。SEOビジネスにおける契約書は、クライアントがどこに向かっているのか、どうやってそこにたどり着くのかを伝えるものです。

ここでは、私たちが調査した中からいくつかの意見を紹介します。

クリス・アンダーソン(Chris Anderson)は、SEO契約が信頼の確立にどのように役立つかについて語っています。

契約書がしっかりしていたからこそ、何度も救われたのだと思います。何よりも、契約書があるからこそ、プレッシャーに負けずに契約を守る自信が持てるのです。私たちは世界中のクライアントと仕事をしているので、契約書が現地の法律に準拠しているかどうかを法律の専門家に確認してもらうことは重要です。

Chris Andersonクリス・アンダーソン(Springhill創設者)

サミュエル・ハーリー(Samuel Hurley)は、SEOの契約がどのようにあなたを守るかについて語っています。

新興の代理店だった頃、私たちは非常に小さな企業と仕事をしており、相手側の窓口は企業オーナー自身だったことがよくありました。そのオーナーが突然、予告なしに予算を削減したり、毎月のアドホックな配分を変更したりすることが一度や二度ではありませんでした。そんなとき、契約書が私たちを守ってくれたのです。また、「これはあなたとの合意事項です」という基準点があることは、特に重要です。我々の業界では、特にリテーナー(※)が長期間続いている場合、このことが忘れられてしまうことがよくあります。

Samuel Hurleyサミュエル・ハーリー、(Novos共同創業者)

※フルスピード註:「リテーナー」とは、固定報酬によるコンサルティング業務契約のこと。

ブライアン・クレイグ(Brian Craig)は、SEO契約がどのように明確な期待値を設定するのに役立つかを語っています。

SEO契約における最大のメリットは、期待値を前もって設定できることです。問題が発生したとしても、一般的に人は正しいことをしようとするものだと思っています。ほとんどの紛争は、満たされていない、あるいは語られていない期待から生じます。特定の状況をどのように処理するかについて疑問が生じた場合は、正しく処理する方法について、二人が署名したこの文書を参照できるようになります。このような契約書は、常に弁護士に確認してもらうことが重要だと思いますが、すでにアウトラインやテンプレートを用意しておけば、その費用を大幅に節約できます。

Brian Craigブライアン・クレイグ(LegalScapes創設者)

適切なSEO契約書がない場合、どのような危険性があるのか?

契約書がないと、口頭やメールで言ったことが誤って適用されたり、誤解されたりすることがあり、その結果、以下のようなことが起こる可能性があります。

  • (あなたに非がなくても)信頼を失うような長い議論になる。
  • 望んでもいない仕事を押し付けられる可能性がある
  • 不機嫌なクライアントがあちこちで悪評を書きこむ。
  • 最悪の場合、訴訟沙汰になることもあります。

契約書がなければ、何の責任も負わないし、訴えられることもないと勘違いしている人がいます。それは危険な考え方です。

国や法律によって異なりますが、米国では契約した仕事については、契約書がなくても訴えたり訴えられたりすることがあります。ですから、SEOサービスの契約書があっても揉める可能性を完全に否定できるわけではありませんが、期待される内容や成果物が契約書で定義され、合意されているので、揉めごとが起こる可能性は間違いなく低くなります。

結論:当社(Ahrefs)のテンプレートを使用する場合でも、SEOサービスの契約書をクライアントに送付する前には、必ず法律の専門家に相談してください。

私たちが使用している法的文書は、クライアントとこれまで行ったすべての会話を参照しているため、契約書ではなく、クライアントが私たちに依頼した仕事のために用意した合意書と呼んでいます。当社の契約書はすべて弁護士が作成しています。これは、お客様のために正しいことをするだけでなく、いざというときに自分たちが何を扱っているのか、現地の法律がどのように守ってくれるのかを確認するためです。この契約書は、私たちの日課に役立っています。

Sagar SethiSagar Sethi, MD Xugar

SEO契約書テンプレートのカスタマイズ方法

当社のSEO契約書テンプレートには、40人以上のSEO専門家に行ったアンケートと、10数件の実際にあるSEO契約書を手作業で確認して得られた13の重要な要素が含まれています。しかし、テンプレートはあくまでテンプレートであり、ご自身でカスタマイズする必要があります。

そこで、この契約書をクライアントへ送る前に、13の構成要素のそれぞれについて、どのようにカスタマイズできるかを説明します。

  1. 契約書の定義
  2. 責任の所在
  3. クライアントの責任
  4. 契約期間
  5. 支払い方法
  6. 契約終了
  7. 保証について
  8. 賠償責任
  9. 補償
  10. 不可抗力
  11. 管轄権および解釈
  12. 守秘義務
  13. 署名

1. 契約書の定義

このセクションでは、契約書の主要な用語の意味を説明します。くだらないと思うかもしれませんが、これは非常に重要です。

例えば、「SEO」や「SEO対策」といっても、具体的には何を指しているのでしょうか。お客様の頭の中には一つの定義があるかもしれませんが、あなたの頭の中には、内部施策であったり外部施策であったり、まったく別の概念があるかもしれません。ここで、フレーズや用語、コンセプトにまつわる疑念を払拭し、誤解を気にすることなく前に進めるようにしましょう。

2. 責任の所在

このセクションでは、SEO業者として何をするのか、いつ、どのようなことをするのかを記述します。クライアントのためにどこまでサービスを提供するのか、その概要を説明します。

あなたが提供するSEOサービスは、検索エンジンのアルゴリズム更新やクライアントのニーズにより、時間とともに自然と変動するので、使用するプロセスについてはあまり具体的にならないようにしましょう。そうすることで、特定の戦術やワークフローに縛られることがなくなります。

その代わり、クライアントのSEO全体に有益な各成果物を説明することに集中してください。このセクションをカスタマイズする際には、オンサイトまたはオンページSEOなど、各成果に到達するために、行うSEOの基本的なことを箇条書きにします。

また、特定のドメインレーティング(DR)やGoogleでのランキング1位など、特定の指標を約束するようなSEO担当者にはならないでください。SEOは、Googleのアルゴリズム変更により、変動する可能性が非常に高いためです。

3. クライアントの責任

お話というコインを裏返すような話題になりますが、次にクライアントの責任範囲を説明します。

このセクションをアレンジしたり確認したりするときは、サービスの対価を支払う以外に、クライアントに約束してもらいたいことを考えてみてください。例えば、依頼を受ける際の連絡方法について説明することもできます。また、あなたが適切に仕事をするために、クライアントがどのような情報を提供する必要があるのかを説明することも必要です。

4. 契約期間

SEOは継続的なプロセスであるため、このセクションでは、契約がいつまで続くかを定義します。

プロの仕事はそれぞれ異なるので、契約期間を正確に定義するため、このセクションを微調整する必要があります。

あなたが良い結果を出せるように、クライアントにはあなたのサービスが一定期間行われることを約束してもらうために、必須となる6ヶ月の期間を設けていますか?あなたのサービスは月単位でしょうか?契約期間はいつまでですか?ここでは、それを定義するのに適しています。

5. 支払い

この契約書の支払いセクションでは、SEO施策の作業に対していくら請求するかだけではなく、その概要を説明しています。支払いが遅れた場合の具体的なペナルティを記述したプレースホルダーセクションや、債務不履行や紛争をどのように処理すべきかを記述した条項があることに気づくでしょう。これらを確認し、契約書の支払い条項を決定する際の参考にしてください。

6. 終了条項

契約解除条項は、あなたやクライアントが友好的に契約を終了するための法的根拠となるため、非常に重要です。そのため、このセクションでは、何が契約違反を構成するのか、またそのようなケースがどのように処理されるのかを定義する必要があります。

契約違反がなければ、クライアントはいつでも好きなときに契約を解除できるのでしょうか?あなたやクライアントが廃業した場合や、単に一緒に仕事をしたくなくなった場合はどうでしょうか?いつ、どのようにして契約を解消できるか正確に定義するため、条項を編集してください。

7. 保証について

保証条項は、基本的には、双方の当事者が契約を履行し、いくつかの基本的なルールに従うことを正式に約束するものです。また、ポイ捨て(一方的な契約解消)や相手方の権利侵害といった非倫理的な行為からも守ることができます。

当社のSEO契約書サンプルを見て、あなたやクライアントが同意すべき他の「約束」を追加してください。地域や国によって異なりますので、当社の契約書には、ほとんどの状況で必要とされる基本的な内容が含まれています。

8. 責任について

サービスを提供するあなたにとって、賠償責任は大きな問題です。物質的な損害は発生しませんが、あなたのビジネスの評判とお金がかかっています。

そこで、SEO契約書サンプルにおけるこのセクションでは、基本的に、GoogleがWebサイトをどのようにランク付けするかについて、あなた自身ではコントロールできないことをクライアントに伝えています。

順位が低いこと、顧客に結びつかないリード、その他自分ではコントロールできない虚栄心の強い指標など、望ましくない結果に対して責任を負わないことを巧みに説明しています。もちろん、あなたが同意した上記の成果物については、あなた自身が責任を負うべきです。

責任の範囲を明確にすることは、合理的な期待値を設定し、苦情を回避するのに非常に役立ちます。このセクションを確認する際は、契約書の賠償責任セクションへ特に注意を払い、それがあなたにとって有効であることを確認してください。そうすることで、後々の大きなストレスを回避することができます。

9. 補償

補償するということは、「(誰かの)行動に対する法的責任を担保する」ということであり、潜在的には「法的紛争に引きずり込まれた場合の損失を補償する」ということでもあります。

つまり、契約書の免責事項は、基本的にお互いに相手を投げ出さないことに同意するところです。これは、あなたが訴えられるのを防ぐためのものです

例えば、クライアントからWebサイトに何かを載せるように言われ、後にそれが原因で訴訟を起こされた場合、クライアントから自分に責任を押し付けられたくはないでしょう。そのような事態を防ぐために、万が一法的紛争に巻き込まれた場合、どのような補償を受けるべきかを定めているのがこの項目です。

契約書にサインをする前に、法律の専門家に相談して、あなたが完全に保護されていることを確認してください。

10. 不可抗力

ビジネス契約において、「不可抗力」とは、契約を履行することができない制御不能または予測不能な事象を指します。例えば、竜巻があなたの地域を襲い、あなたがインターネットに接続できなくなるような稀な出来事が含まれます。また、世界的なパンデミック(もはやそれほど珍しくはありません!)、戦争、火事なども含まれます。

その他の「不可抗力」イベントがあなたの地域では一般的なものであれば、ここでそれらが何であるかを定義しておくとよいでしょう。

11. 管轄権と解釈

契約の目的は、法的拘束力を持たせることですよね。契約書の管轄条項には、あらゆる紛争をどの地域の裁判所が管轄するかが書かれています。また、解釈条項では、契約書で使用されている用語の明確な意味を他の当事者が否定する余地を与えません。

一般的には、紛争解決のために遠方へ出かける必要がないように、地元の管轄裁判所を追加することをお勧めします。このセクションをカスタマイズする際には、弁護士に再確認を依頼してください。

12. 機密保持

機密保持条項は、個人情報の悪用からクライアントとあなたを守るためのものです。このセクションを検討する際には、クライアントから要求される個人情報をリストアップするようにしましょう。そうすることで、クライアントがあなたにその情報を託すことができます。

この条項でお互いを守ることに厳粛に同意すると、両者は社会保障番号や個人の携帯電話番号などの機密情報を守るための予防措置を実施する動機付けになります。

13. 署名

これは説明する必要がないと思います。両者が書類に署名と日付を記入するセクションを設けるのは常識です。

しかし、私は署名欄に関してお勧めしたいことがあります。

クライアントは、あなたがインターネットの天才であることを期待しているのではないでしょうか?ですから、あなたがSEO契約書をPDFで送り、クライアントが忙しいスケジュールの中でそれを印刷し、署名し、スキャンして、あなたにメールで返信する時間を見つけることを期待しているとしたら、あなたは少し素人っぽく見えるかもしれません。これは悪夢です。

さらに、お客様はステップが多すぎると感じると、物事を先延ばしにしたり、忘れてしまったりするものです。

そこで、「相手を感動させる要素」として、契約書にササっとデジタルサインをしてもらうようにすることをお勧めします!世の中にはたくさんの電子署名アプリがありますが、中には不必要に複雑で、値段が高いものもあります。私がこのアプリを愛用しているのは、非常にシンプルで、監査証跡がクライアントの署名を法的拘束力のあるものとして証明してくれるからで、しかも無料だって説明しましたっけ?

さらに、この記事をTwitterやLinkedInで最も多くシェアしてくれた人には、このアプリの有料ビジネスプランで使えるシートを12枚プレゼントします。

使い方はとってもシンプル:PDFをアップロードして、クライアントに名前とサインを入れてもらいたい場所をクリックするだけでー簡単にできます!これをクライアントに送ると、1分以内に署名されたものが出来上がります。

フルスピード註:こちらはAhrefs社のブログ本文の著者によるものです。弊社では一切当キャンペーンに関与しておりません。

最後に

これまでSEOサービスを提供する際に契約書を使用していなかった方は、このテンプレートを利用することで、新規クライアントとの契約時に競争力を高め、信頼を得ることができると思います。

このテンプレートを編集する際には、以下の重要な2つのポイントを覚えておいてください。

  1. 明確な期待値を設定する。契約書の内容を詳細に書くことを恐れないでください。誰が、いつ、何をするのかを最初から明確にしておくことで、誤解を防ぎ、円滑なビジネス関係を築くことができます。
  2. 弁護士に相談しましょう。ここまで、実用的なヒントや例をご紹介してきましたが、私には法的なアドバイスをする資格はありません。契約書を発送する前に、必ず弁護士に相談してください。

テンプレートのカスタマイズ中にご不明な点がありましたら、LinkedInでお知らせください。

今回の調査にご協力いただいた方々にも感謝いたします。

Gary Coutard
Gary Coutard-マーケティング@Ahrefs。SEOとマーケティングで10年以上。創造的な問題解決とサーフィンに情熱を注ぐ健康愛好家。

  • ・コンテンツが少なく、Webサイトのアクセスが伸びない。
  • ・競合サイトに検索順位で後れを取っている。
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