
この記事は、Ahrefs.comブログの日本語訳です。
原文:Steal Our SEO Report Template (and Make It Even Better)
(Jake Sheridan / February 15, 2018)
著者のページはこちら:
https://ahrefs.com/blog/author/jake-sheridan/
あなたは、良いSEOコンサルタントと悪いSEOコンサルタントの違いについて、適切に伝えられますか?
まずは、両者のSEOレポートについて考えてみましょう。
- 悪いSEOレポート:無意味で膨大なデータが羅列されているだけ(またはデータが不十分)で、クライアントにとって有用なアドバイスがほとんどない状態のものです。基本的には、「ただデータを出力しただけのスライド」と言えるでしょう。
- 良いSEOレポート:重要なデータのみ取捨選択と要約ができており、指標(メトリクス)の変動について解説し、施策として実施できる洞察(インサイト)を提供します。さらに、クライアントのWebサイトに何が起こったのかを報告するだけでなく、その理由を説明できるのが良いSEOレポートです。
簡易的なものから100ページ超えのモンスター級まで、決定的なSEOレポートと言うものはありません。ページの長さや詳細の量に関係なく、レポート作成には時間がかかるものです。
さて、質問に答える時が来ましたね。
あなたは良いSEOレポートを作成したいですか?それとも、そんな心配は要らないでしょうか? 良いレポートを作成したいと考えるならば、ぜひここから先も読んでください。
SEOレポートとは何か?
SEOレポートは、Webサイトが検索エンジンでどのように成果を上げているか示すものです。その成果とは通常、ドメインの動向、オーガニック流入の量およびランキングの推移に焦点が当たります。しかし、それらはSEOエージェンシーやフリーランサーによって行われた施策を強調するものでもあります。
良いSEOは計画に基づいており、実際にさまざまな作業に明け暮れています。SEOレポートは、この計画と作業の組み合わせによって生産された効果を確認するためのものです。
言うまでもないことですが:あなたの作業について分析しないで、どうしてそれが成果へ繋がっているか理解できるでしょうか?
しかし、SEOレポートはあなたの利益のためだけでなく、主にクライアントのために必要なものです。
クライアントがあなたの隣に張り付いて、仕事の様子を見ている状態でもなければ、彼らはあなたの作業(とそれによる成果)を知る方法がないでしょう。
たいていの場合、レポートはあなたの仕事(または少なくともそれによる効果)を確認できる唯一の方法です。ですから、良いレポートは簡単に消化できる内容であることで、クライアントはあなたの仕事ぶりを判定し、なぜあなたにSEO施策の費用を支払っているのかを正当化できます。
効果的なSEOレポートは、3つの事柄を伝えます:
- 進捗(または努力):良いレポートは、あなたがクライアントに提供している知見(あなたを雇った理由)だけでなく、進捗も報告する必要があります。たとえば、あなたはその月にどれぐらいクライアントのWebサイトを育てましたか? 最後のレポート以来、どのぐらい目立った変化をもたらしたでしょうか?
- 洞察(インサイト):クライアントに直接関係する事柄について、あなたの知見を提供すること。
具体的に言うと:今後数ヶ月にわたって、SEOの作業が必要とされている問題と分野を強調して伝えることです。 - 推奨事項:クライアントがWebマーケティングを通じて目標を達成するために、あなたは何を推奨できるでしょうか?
※訳者補足:良いSEOレポートは、1.現在の進捗を伝えること、2.今後施策が必要な領域やSEO・Webマーケティングのトレンドを共有できること、3.クライアントWebサイトの目標達成をするための提案をできること、としています。
(業界特有の)略語まみれになる準備をしておこう:
基本的に、彼らはSEOのROI(※)を見たいと思っています。要するに、クライアントはSEOの費用が自社の投資となっていて、利益をもたらしている証拠を求めています。
それを提示することは、うまくいく(はず)です……。
※訳者補足:ROI(Return On Investment)の略。投資利益率。
クライアントはSEOレポートで何を見たいのか?
これは本当にクライアントによりけりですが、それでは答えになっていないように感じますよね。しかし、クライアントによって、SEOレポートで見たいと思うものは実際に異なります。
ただし、全てのクライアントに共通して、SEOレポートに求められている項目があります:
- SEOの健康状態:SEO visibility.(※)に影響を与える可能性がある、技術的な問題とエラーの概要。※訳者補足:SEO visibility.とは、対象のドメインがオーガニックな検索結果(SERP)でどれぐらい表示されるかを重みづけしたスコアのこと。「Searchmetrics」が開発・提唱。「このドメインはどれぐらいSERPに表示されやすいか」を示すもの。GoogleはブラックなSEO施策や脆弱性のあるWebサイトを評価しないため、この問題を抱えたWebサイトはSERPに表示されにくくなります。
- 被リンクの健康状態:クライアントのWebサイトが持つ被リンクのタイプを示すこと。良い被リンクなのか、それともスパムや逆SEOを狙った被リンクなのか見極めること。
- ランキングの進捗:Webサイトの順位がどのように変化したか、潜在的な落ち込み要素があるか監視できているか。
- オーガニック流入の進捗:オーガニック流入の状況をすぐに理解でき、どのページがWebサイトへの流入を促進しているか、確認できること。
- セールス/リード:SEOから獲得した具体的なROIをクライアントに示せるか。
※被リンクの質や量を調べる方法についてはこちらの記事をご確認ください
関連記事:被リンクを調べる方法|無料・有料の被リンクチェックツール8選
以上のデータをまとめて抽出することは、(作業的な意味で)の終わりにすぎません。ここからが重要です。
SEOレポートは、単にデータを出力しただけではダメです。これらの項目は全て、クライアントがSEOの成果について理解することを助けます。
できるだけスマートに見せようとしたり、グラフや数字の見せ方で圧倒させたり、クライアントを試すようなことをしてはいけません。
意表を突こう:クライアントも人間です。
ほとんどの人は、理解しづらいサービスを解約するものです。SEOコンサルタントの仕事(とSEOレポート)は、クライアントが施策を理解するのを助けることです。
費用をかけるに値するSEOとは、Webサイトにおけるトレンドを発見し、メトリクス(※)がどのように作用しているか、その理由を調べることです。また、これは読みやすく有益なレポートとして、クライアントに伝える必要があります。
※メトリクス=さまざまな施策を定量化し、定量化したものをデータとして扱えるようにしたもの。
これを作るのにどれくらい時間がかかりますか?
データのエクスポート、クリーンアップ、コピー&ペースト、グラフのダウンロードなど、「時間をかけさえすれば」簡単に作成できます。
しかし、この手法はあなたの時間を最大限に活用しているでしょうか? これはクライアントがお金を支払うに値する、最善の方法でしょうか?
「時間をかけて」作られた丁寧で魅力的なビジュアルのレポートは、あなたのマーケティング能力を伝えることができ、クライアントは施策を理解するのに役立ちます。
でも、覚えておきましょう:
素晴らしい出来栄えのレポートを作ることで、本質を見失ってはいけません。体裁の良さと内容の甘さは紙一重です。様式的で中身の無いレポートは、長期的にはあなたを助けるものとはなりません。そこには、スライドのスタイルテンプレートが含まれています。
どうすれば良いSEOレポートを作成できますか?
クライアントが見たいと思うSEOレポートを作成するには、3つのポイントがあります。
クライアントが求める「効果的なSEOレポート」とは:
- Pull data(データを引き出す)
- Explain it(説明する)
- Make further recommendations(さらなる提言をする)
あなたのように、クライアントも忙しく皿回しをして、帽子をたくさん被っている状態なのです。(あくまでも例えですよ)。
※訳者補足:忙しく皿回し=転じて「超忙しい、タスクや情報過多で散漫気味」を指すこと。たくさんの帽子を被る=マネジメントすることがあり過ぎること。
簡潔で明確なレポートは、(ダラダラと読み進めることなく)インパクト抜群にハイライトデータを提示します。
私たちのSEOレポートテンプレートを盗もう
私たちのレポートテンプレートは決して最高のものではなく、これだけで完結するソリューションでもありません。
しかし、これはあなたが最初のSEOレポートを作成するには素晴らしい出発点です。 あるいは、既に作成しているレポートの構成に、何らかの知見を提供するだけかもしれません。
クライアントが本当に見たいSEOレポートを作成するため、私たちのテンプレートを用いる場合は、少し作業ツールが必要です。:
- Google Slides(Googleスライド)
- Ahrefs(エイチレフス)
- Skitch (または似たようなスクリーンショット機能を持つアプリ)
まず最初に、ここをクリックしてSEOレポートテンプレートのコピーを作成します。
“エディターズノート:
これを行うには、[ファイル]> [コピーを作成]をクリックします。
テンプレートに名前を付けて、Googleドライブ上のどこに保存するかを選択して、[OK]をクリックします。
これで、Googleドライブに編集可能なファイルのコピーが作成されます。
元のファイルへ編集権を要求しないでください。テンプレートが破損してしまうため、許可できません。加えて、迷惑なメール通知も来てしまいます。 だからやめてくださいね!:)
Joshua Hardwick(コンテンツ責任者)”
ブランドやクライアントのカラーに合わせるため、配色を変更してください。同様に、独自のロゴとクライアントのURLを追加することもできます。
※註:Googleスライドの使い方から知りたい場合は、Googleラーニングセンターのガイドをご覧ください。
あなたの時間を節約すること以外では、このテンプレートを使用する主な利点は柔軟性です。クライアントのニーズに合わせて、また提供するサービスに合わせてスライドの中身を調整できます。
ローカルSEOに焦点を当てたいですか? オーガニック流入のスライドを特定の場所に合わせて、最もトラフィックの多いエリアを強調してください。
高品質のコンテンツを制作することに重点を置いていますか? ほとんどの被リンクを生成するコンテンツページを深堀りして、スライドで説明しましょう。
高品質なコンテンツを作成し、良質な被リンクを増やす方法についてはこちらの記事をご確認ください。
関連記事:被リンクを増やす方法|被リンクが増えるコンテンツ7選【事例あり】
また、良質な被リンクがもたらすSEO効果についてはこちらの記事をご確認ください。
関連記事:被リンクとは? SEO効果を得るには被リンクの質と量が重要
繰り返しますが、このテンプレートは時間を節約するためのものです。 あなたのニーズに合わせて内容を調整してください。テンプレートというだけで、退屈なコピペ作業しかない、と言うわけではありません(とは言え、コピペ自体はここでも登場します)。
あなたにとってベストなSEOレポートを作成する準備はできましたか?
さあ、始めましょう。
1.タイトル(Title Card)
最初のスライドは、作成するレポートで最も簡単な部分です。
レポートの日付/月、自分のロゴ、クライアントのウェブサイトのURLを追加してください。日付を報告月に変更してください。これはかなり見落としがちです!
タイトルスライドが終了したら、実際のSEOレポート作成ステップへ移動しましょう。
2.サマリー(Summary)
サマリーページは、効果的なイントロダクションとして機能します。その月のマーケティング施策の主要な項目を要約したり、施策によって得られた大きな成果を強調したりできます。
※訳者補足:SEO施策で特に伝えたい項目や数値をサマリーに記載しましょう。
サマリーのスライドは簡潔に、普段使っている言葉を使えば、サクっと伝えることができます(勘違いされることもなく)。また、これはあなたがその月に行った、全てのWebマーケティング活動の詳細を示すものもあります。ですから、要約は努力を惜しまず分かりやすく書きましょう。
ここでの努力は、遠くに届きます。 特に、レポートが部門間を通過する企業の場合、良いサマリーはクライアントに文脈を提供し、あなたのSEOレポートを単なるデータではなく、意味のある物語に変えます。
サマリーにはどのような項目を含められますか?
- レポーティング期間中に完了したタスク
- 実施されている、または注意を必要としている項目
- オーガニック流入の増加(または減少)の要約
- 次回の会議、今後のタスク
これらを意識して、サマリーを作成しましょう。
3.SEOの健康状態 概要(SEO Health Overview)
ここでは、Webサイトの健康状態をスクリーンショットで示します: SEO visibilityに影響を与える可能性がある、技術的な問題とエラーの概要にあたる項目を説明するスライドです。
このデータを取得するには:
Ahrefsの、「サイト監査(Site Audit)」へアクセスしてください。
この機能を使って、クライアントのWebサイトをクローリングします。概要ページでは、健康状態、クロールされたURL、およびページタイプのスクリーンショットを取得できます。
このスクリーンショットを[今月]の見出しの下にコピーします。
「サイト監査(Site Audit)」が便利な点は、クローリングの実行タイミングをスケジュール化できることです。 これを毎月実行して、過去のクローリング結果と比較することをおすすめします。
※註:「サイト監査(Site Audit)」を使い始めたばかりで、以前に参照するデータがない場合も心配ありません。 今すぐテンプレート内の [先月(Last Manth)]の枠を削除してください。次回からは[先月(Last Manth)]の枠を追加することを忘れずに:)
クロールデータを取得するには、[サイト監査]> [プロジェクト]> [すべてのクロール]に移動してください。
このスライドに用意されているテキストボックスには、何が起きているのか、なぜこれが当てはまるのかを入力できます。
[SEO Health Overview]のスライドでは、どのような報告を含められるでしょうか?
ここでは、最も一般的なSEOの問題について報告しましょう。
重複コンテンツ&単語数が少ない
「サイト監査(Site Audit)」の画面で、[レポート]> [コンテンツの品質]に移動します。 これにより、クライアントのWebサイトのコンテンツクラスタとページ数の重複が表示されます:
Webサイトに重複したコンテンツがあるのは、「やってはいけないこと」です。 訪問者(そして検索エンジン)にとって役に立たないこと以外では、SERP内でお互いに競合するページを持つことになります。
これは、検索エンジンのクローラーが、クライアントのWebサイト中で、どのページだけ表示すべきか理解できていないために起こります、その結果、ランキング評価に悪影響を及ぼします。
※1-10位までが自社のサイトの似たようなコンテンツで埋め尽くされるのは、クライアントや雇われた側のSEOコンサルタントとしては嬉しいかもしれませんが、ユーザーには不利益しかありません。
単語数については、ページに最小語数は決められていませんが、Googleでは詳細な説明をしているコンテンツを上位評価する傾向があります。 したがって少ない単語数のページは、同様のロジックで評価されないと言えます。
※訳者補足:文字数が全てと言うわけではありませんが、Google検索では情報量が充実しているコンテンツが評価される傾向にあります。Ahrefsのクローリング結果を元に、情報量の少ないページが存在していないか見直してみましょう。
不足しているaltタグ&破損した画像ファイル
「サイト監査(Site Audit)」の画面で、[リソース]> [画像]に移動して、欠落しているaltタグを確認します。
検索エンジンはかなり進歩していますが、画像のインデックスに関しては、もう少し記述によるサポートが必要です。altタグがきちんと入っていることで、テキストの説明を介して検索エンジンのクローリングbotが、画像の内容を理解するのに役立ちます。
「サイト監査(Site Audit)」は、失われたaltタグ、イメージサイズ、読み込み時間を視覚化し、レポートに追加できます。
※訳者補足:テキストも写真も充実しているコンテンツでも、altタグが抜けていればbotにクローリングされにくくなります。また、画像ファイルが破損していたりサイズが大きすぎたりする状態は、人間の訪問者にとってユーザビリティの高いサイトとは言えません。人にもbotにもやさしい状態となっているか、定期的にWebサイトの状態をチェックしてみてください。
HTMLの問題
具体的には、これらはタイトルタグ、H1タグ、メタ記述に関することで、最も一般的な問題です。「サイト監査(Site Audit)」画面の[内部]> [HTMLタグ]で、全てを視覚化した見やすいグラフを表示してみましょう。
破損したリンク
「サイト監査(Site Audit)」画面の[レポート]> [送信リンク]に移動すると、あなたのサイトのページリンクのうち、一時的なリダイレクトや、破損した内部リンクと外部リンクが多すぎないか、確認できます。
破損したリンクは避けて通れないものです。Webサイトが成長するにつれて、リンクは変更され、(リダイレクトされることなく)404ページを得てしまいます。よくあることですが、404ページが何百にも及ぶと大きな問題になります。ユーザーが404ページにアクセスしても、必要な情報が得られないため、流入が失われる可能性があるからです。
また、検索エンジンにインデックスされるチャンスも浪費します。検索エンジンのクローラーが、Webサイトにアクセスしたときに破損したリンクを見つけた場合、リンク先が本来は稼働しているページであっても、インデックスされることはありません。
そこで、「サイト監査(Site Audit)」で破損したリンクを特定し、修正します。修正したリンク数を書き留めておき、レポートに追加してクライアントに知らせましょう。
4. クロールされたURL(URLs Crawled)
このスライドは、サイトのSEOの健全性についてさらに詳しく説明しています。 ヘルススコアとクロールされたURLの数にフォーカスしています。
Webサイトは、コンテンツ生成や整理によって、次にクロールするまでにページ量が増減する可能性があるため、問題の総数にも影響します。したがって、現在と前月の違いについて、Webサイトのページ数も比較して、クライアントに進捗状況を示すことは理にかなっています。
これらのグラフを見つけるには、「サイト監査(Site Audit)」でプロジェクト履歴画面に移動します。 上部には、クロールされたURLのグラフとヘルススコアの内訳が表示されます。
5. SEOの健康状態(SEO Health)
「3. SEO Health Overview」のスライドに入力したコメントに応じて、より詳しく説明できるようにするためのスライドです。
このスライドでは、その月に完了した、さらに具体的なSEOのタスクについて言及できます。 関連するグラフも提供してください。
「サイト監査(Site Audit)」の左側にあるレポートでは、パフォーマンスの技術的側面に関するさまざまなレポートを生成できます。
- HTMLタグ:タイトルの長さ、重複、欠落したメタ記述
- コンテンツ:ワードカウントと複製コンテンツ
- リンク:リンクタイプ、入って来るもの&出ていくもの
- パフォーマンス:ページスピード -Webサイトの読み込み速度はどれぐらいか?
6. 被リンクの概要(Backlink Profile Overview)
次に、被リンクの概要を説明するスライドです:クライアントのWebサイトが持つ被リンクのタイプと、それらが促進しているオーガニック流入を表示します。
SEOの最大の課題の1つはリンク構築です。このスライドは、クライアントにその重要性を伝えるチャンスです。このスライドでは、新しいドメインや紛失したドメインなど、被リンクの状態をより詳細に示してください。
まずは、サイトエクスプローラーに移動しましょう。
被リンクプロフィール(Ahrefsランク、ドメイン参照、新規&紛失)のスクリーンショットを取り、スライドに貼り付けます。
被リンクについてフォーカスしている内容に応じて、新しいドメインや紛失したドメイン、アンカークラウドを表示することができます。 これらの両方は、サイトエクスプローラーの[被リンクプロフィール]画面でチェックできます。
7. 被リンクプロフィール(Backlink Profile)
このスライドは、その月に行われたあなたのリンク構築作業について、より詳細に説明できるように設計されています。
以下を含みます:
- クライアントのために獲得した被リンクの数
- 得られたリンクの品質
- トップアンカーテキスト
- 失われた被リンク数
- 新しい被リンクが運ぶ流入数
Ahrefsの概要レポートには、サイトの実績に関する情報が視覚的に表示されます。 グラフを見てみると、SEOが正しい方向にサイトを促進しているかどうか分かります。
これらのグラフを取得するには、サイトエクスプローラーでドメインを入力します。
ドメインの概要レポートが表示されます。[被リンクのプロフィール]タブにグラフが表示されます。ここで、参照先ドメインとページのスクリーンショットを取得し、スライドに追加します。
8. オーガニック検索(Organic Search)
ほとんどのクライアントが知りたがる、SEOの事柄:「それは(ちゃんと)機能していて、どこからトラフィックが来ているのですか?」
この問いに対しては、Ahrefsのサイトエクスプローラーを使ってオーガニック流入をすばやく理解し、どのページがトラフィックを促進しているか確認できます。
流入とキーワードから始めましょう:
Ahrefsは数百万のキーワード(ハロー!ビッグデータ)を追跡しているため、クライアントのWebサイトがそれらの追跡キーワードのいずれかでトップ100に入っていると、キーワードグラフが表示されます。
これは、どのようにクライアントが「SEOが機能している」と理解することを助けるのでしょうか?
たとえ流入がまだ上がらないとしても、キーワード上位トップ100にクライアントのWebサイトが入っているという事実は、SEOが機能し始めたことを意味します。ランクトラッカーを極端にしたようなものです。
クライアントは、SEOを開始してからトラフィックがどのように変化したかを見たいと思っています。サイトエクスプローラーで、[オーガニック検索]タブに移動してください。
毎月の流入とキーワードを手動で入力することを忘れないでください。申し訳ありませんが、ここはコピー&ペーストできません!
しかし、あなたはクライアントが、SEOで得られた素晴らしい結果を見逃すことを望まないはずです(ですから、ここは手打ちを惜しまないでくださいね!)。
“ヒント:国別の流入量を表示する
Ahrefsでは、国別のオーガニック流入を見られると知っていましたか? これは、米国を拠点としていないクライアントにとっては、流入がターゲット市場/国から来ていることを示すことができるため、有用です。
オーガニック流入グラフの右側には、国の一覧が表示されます。いずれかをクリックするか、プルダウンから選択します。
あなたがここで探せるのは、施策がうまく機能していることを示す突発的なピーク(バズっているブログ記事など)か、反対に何かが機能しなくなったことを示す急降下です。
スライド内にセットされた箇条書きの枠を使って、この状況を入力し、クライアントに伝えてください。”
9. 順位動向(Organic Positions)
Webサイトに運ばれているオーガニック流入だけでなく、それがどんなキーワードで分散しているのかをクライアントに示すことは有用です。Ahrefsの順位履歴グラフは、これを適切に行います:
これを行うには、サイトエクスプローラーの[オーガニック検索]タブをクリックするだけで、キーワードグラフの下に表示されます。[ランキング推移履歴]と言う項目のグラフです。
これらのグラフは、Webサイトのページ全体にわたるオーガニックなランキングの分布を示しています。
次のように表示して、サイト全体でオーガニック検索のキーワードがどのように表示されているかを丸ごと表示します。
- トップ3位
- 4~10位
- 11~50位
※訳者補足:トップ3位のスコアが多いほど、SEOはうまく行っていると言えます。反対に、11~50位のページが多い場合、そのWebサイトはまだまだ改善の余地があります。(もちろん、順位が高いキーワード群が多くても、ターゲットとしているものと異なるようであれば、トップ3位の内容も改善すべきです)
10. オーガニックキーワード(Organic Keywords)
ランキングについて言及せずに、SEOレポートを作成すべきではありません。それらは検索結果の可視性に欠かせないだけでなく、Webマーケティング戦略が機能しているかどうかを示す、優れた指標です。
次のスライドでは、オーガニック検索でのランキング状況や、ランキングがどのように変化しているか、そして、潜在的な下落要因を監視した結果を報告できます。具体的には、流入を最も多くもたらすキーワードをクライアントに表示できますが、現時点ではランキングに入りたい(注力したい)キーワードとは異なる場合があります。
最高の成果を上げているキーワードとページについて、これらのサイクルを維持することで、Webサイトがどのような種類の検索流入を得られるか、クライアントがより良く理解できるようになります。
オーガニック流入分析について案内するこのスライドは、サイトエクスプローラーの[オーガニック検索タブ]にある、2つのスクリーンショットで構成されています。
トラッキングしている(注力している)キーワードのランキングについて報告する前に、あなたはAhrefsのオーガニックキーワードツールを使って、現在Webサイトへの流入を誘導しているキーワードを特定したいと考えるでしょう。
ランキング表示が1位で流入がゼロのキーワードは無意味であり、虚栄の指標として完璧な例です(特定のキーワードで1位でも、流入がなければ意味がありませんよね)。
オーガニック検索キーワードを取得するには、サイトエクスプローラーの「概要」から「オーガニック検索」タブに移動します。 次に下へスクロールすると、上位5個のオーガニックキーワードが表示されます(※)。
これらは、最もオーガニック流入をサイトにもたらすキーワードです。
それらをキャプチャして、スライドに貼り付けます。
※訳者補足:上位5個のキーワードエリアから「すべて見る」をクリックすると、もっと多くの流入キーワードをチェックできます。5個以上の流入キーワードが知りたいときは、ぜひこの項目を深堀りしてください。
11. ランキングの可視性(Ranking Visibility)
今現在のランキングについて言及していないなら、それはSEOレポートとは言えないのではないでしょうか?(先ほども書きましたね!)
「ランキングトラッカー(Rank Tracker)」に移動し、クライアントのWebサイトを選択しましょう。概要ウィジェットのスクリーンショットを撮り、スライドに追加します。
クライアントの最も重要なキーワードの概要を示すため、時間の経過に伴うパフォーマンスをチェックできます。「Positions」ウィジェットをクリックすると、上位3位以内、4-10位、11-50位など、現在Webサイトが流入を得ているキーワード群が、どの順位幅にどれぐらいあるのか、マウスオーバーで確認できます。
※訳者補足:上位3位以内は最も青いグラフエリアです。この幅が日を追うごとに伸びているか、確認してみましょう。グラフ全体のボリュームが増えているかも確認を忘れずに!
左上のアイコンで、デスクトップビューとモバイルビューを切り替えできます。さらに多くのSERPデータを表示するには、各ウィジェットをクリックすれば、より詳細な表示に切り替えることができます。
これらは注力キーワードについてさまざまな傾向を示す小型のグラフを表示します。
それぞれのウィジェットについて、もう少し具体的に説明しましょう:
- Visibility(可視性):トラッキング対象のキーワードが、クライアントのWebサイトに移動するクリックの割合。Google サーチコンソールでも閲覧できるCTRのことです。
- Average position(平均掲載順位):これもGoogle サーチコンソールで見られるものと同じです。1~100までのスコアリングを行っています。
- Traffic(流入):これはAhrefsが推定する、Webサイトのオーガニック流入です(検索ボリュームとWebサイトの順位に基づいて計算しています)。
- SERP features (SERP機能):注力キーワードのSERPで、どんな要素が存在するかをチェックします。(リッチスニペット、画像検索結果、動画など)
- Positions(順位):順位の上下変動が見られた注力キーワードの数を表示します。
12.ランキングインサイト(Ranking Insights)
このスライドは、SERP機能の点で、注力キーワードの検索結果に何が起きているかをクライアントに示すものです。クライアントが所有できるもの、所有できないものを示します。
任意の機能をクリックして、そこにフォーカスできます。 たとえば、上のスクリーンショットでは、トラッキングされたキーワードの中に大量のおすすめスニペットの機会があることがわかりますが、クライアントのWebサイトはほとんどランキングされていません。
このスライドではクライアントのWebサイトがSERPにおいて欠けている機能があることを示すだけでなく、表示されている機能も一覧できます。つまり、SEO施策が機能していることを示すのです。
これらのグラフは、ユーザーがWebサイトにどう関わっているかを表すため、クライアントに報告するときに便利です。したがって、あなたの提案について根拠を与えるものとなります。
たとえば、画像でSERPに表示されるキーワードが増加していることに気づいたとします。
この場合、あなたはクライアントに対して、より高品質の画像を含むコンテンツを多く生成し、画像の最適化施策の優先順位を上げることを提案できます。
“ヒント:競合にすぐ勝てるキーワードを見つける
Ahrefsでは、クライアントのWebサイトが持つキーワードを詳しく調べることができます。
Ahrefsのフィルタを使用すると、オーガニックキーワードレポートを実行して、大量のキーワード群から、上位5位のキーワードを表示できます。
方法は次のとおりです。
サイトエクスプローラ>ドメイン入力>オーガニック検索>オーガニック検索キーワード
ここから、いくつかフィルタを適用しましょう。
ポジション:5~10
検索ボリューム:1,000以上
そして適用します。
これにより、「すぐ上位に勝てる」と分類できるキーワードのリストが生成されます。言い換えれば、これらのキーワードに対しては、Web サイトがかなり上手くランク付けされていますが、もう少しSEOを行うことで、さらに順位を上げることができます。
※訳者補足:5-10位で自分のサイトが上がるキーワードを見つけたときは、実際に検索して競合となる1-4位のサイトを見てみましょう。クライアントのWebサイトには何が足りないか、Webサイトの独自性を強めるにはどうすれば良いか考えてSEOを行うと、競合サイトに勝てるかもしれませんよ。
いつもの施策をやってみましょう:これらに該当するページを増やすために内部リンク、新しい被リンク、またはより多くのコンテンツを追加しましょう。
おそらく、次回のレポートでこれらの「すぐ上位に勝てる」最適化施策の結果を追加できるはずです。”
13. ランキングの進捗(Ranking Progress)
このスライドは、注力キーワードの順位を追跡するかどうかに関わらず、検索の可視性をクライアントへ伝えるのに役立ちます。
もう少し具体的に言うと、クライアントのWebサイトが検索エンジン上でどれぐらいSERPに上がっているのか、比率を伝えるものです。
「ランクトラッカー(Rank Tracker)」でタグ機能を使えば、ダラダラ続く報告スライドに退屈することなく、Webサイトのキーワードのランキング状況を表示できます。
タグ機能を使用すると、キーワードをグルーピングしてラベルを付けることができます。 たとえば、クライアントが車のガレージに関する業種だった場合、以下のようにタグを使ってそれぞれの製品をグルーピングできます。
- 冬タイヤ、格安のタイヤ、ランフラットタイヤなどは、「タイヤ」の下にタグを付けることができます。
- 自動車の診断、MOTテスト、吸排気系修理などは、「サービス」の下でタグ付けできます。
10~20個程度のキーワードをトラッキングしている場合は、それらを全てレポートに含めることができます。一方、何百ものキーワードをトラッキングしている場合、顧客が最も関心を持る重要なキーワードのうち10-20個だけに除外することができます。
しかしながら、あなたはWebサイトのランキングを表示すると決めた場合、それらの良い点は:Webサイトの流入は増えていなくても、ランキングが正しいか間違った方向に移動しているか、伝えることができます。※ランキング施策が正しい方向に向かっていれば、いずれ流入も増えますよね:)
あなたは何をクライアントに見せたいですか?
- ランキングされているキーワードの総数
- キーワードによって生成されるオーガニック流入量
- これらのキーワードで順位付けされている対象URL
以上のメトリクスは、このスライドで伝えましょう!(もちろん、「ランクトラッカー(Rank Tracker)」も活用してくださいね)
14. 来月のこと(Next Month)
クライアントに全てのデータとグラフを送信した後は、SEOの改善を続けるか、Webサイトの流入を抑えているものを修正するため、来月は何をするか計画する必要があります。それは、このスライドで説明しましょう。
このスライドには、来月にあなたの行動を説明する簡単なリストがあれば十分でしょう。
これには2つの利点があります。
- クライアントは、来月であなたのやるべきことを理解できます。
- あなたが良い仕事をするために、クライアントは支払いを続けなければならないという考えを強めます。
私たちのSEOレポートサンプルを自由にアレンジしよう。
さて、あなたはそのサンプルを既に持っています。
クライアントに提供する、完全にカスタマイズ可能なSEOレポートのテンプレートです。
下記のサンプルレポートをご覧ください:このURLからダウンロードできます(必ずコピーを作成してくださいね!)。
Download the sample SEO report.
このレポートを使う最善の方法は、あなたなりのSEOレポートを構築する基盤にすることです。
Googleアナリティクスのデータ(営業/リードなど)やその他のデータソースを追加して、クライアントに合わせたカスタマイズもできます。レポートテンプレート(全てのクライアントに使用可能)を活用することで、ワークフローの多くを自動化し、1か月あたりの時間を節約できます。
あなたが今リライトできる、全てのメタディスクリプションの量を考えてみましょう!(レポート作成の時間を節約すれば、こちらの作業に時間を使えますよね!)
あなたの好きなSEOの仕事ではないかもしれませんが、クライアントのためにレポートをまとめることは、あなた自身とクライアントの両方にとって有用な練習になります。
簡潔で良い書き方のレポートは、クライアントがあなたの仕事ぶりを把握することを助け、うまくいけばSEOの仕事を理解するのに役立ちます。つまり、あなたはSEOの仕事を簡潔に説明するスキルが身に付き、クライアントはSEOに対する理解を高めやすくなるわけです(そうしたら、クライアントがあなたにSEOの費用を支払い続けやすくなりますね:))。
あなたとクライアントのニーズに合わせて、このテンプレートを編集・微調整してください。
もし、私たちが何か重要な説明項目を見逃してしまったと思われる場合は、下記のコメントでお知らせください。
著者:Jake Sheridan
ジェイクはコンテンツマーケッターであり、スプレッドシートラングラー(※)です。彼は犬とSEOとピザが大好きです。時々、同時にそれらを楽しむこともあります。
https://jsvxc.com/
https://twitter.com/jsvxc
※訳者註:ラングラーは「カウボーイ」など、複数の意味がありますが、ここでは「スプレッドシートを使いこなす人」と言う意味で受け止めてください。