サイテーションとは、SEOやMEOの文脈において、自社の固有情報(企業名、ブランド名、サイト名、住所、電話番号など)が他のウェブサイトやSNSで言及または引用されることを指します
これは、リンクを含まない単なる言及や引用を意味し、検索エンジンによる評価対象の1つとして考えられています。
この記事では、SEOとMEO両方の観点から、サイテーションとは何か、SEOの成果にも繋がるサイテーションを見つけ、被リンク獲得に繋げる方法を解説していきます。
サイテーションと被リンクの違いとは?
はじめに、サイテーションと被リンクの違いについて、5つのポイントで整理していきましょう。
サイテーションと被リンクには、主に以下のような違いがあります:
- リンクがあるかどうか
- SEO効果の違い
- サイテーション:間接的なSEO効果があると考えられています。潜在層のブランドを問わない検索よりは、サイテーションで認知度を高められることから指名検索の増加につながります。
- 被リンク:直接的なSEO効果があり、検索順位の向上に影響します。ただし、被リンクの増加だけで検索順位が上がるわけではなく、あくまでも検索順位を高める要素の一つであることを理解しておきましょう。
- 獲得難易度の違い
- サイテーション:リンクを伴わずテキストで言及するだけでもサイテーションとみなされるため、比較的簡単に獲得できると言えます。
- 被リンク:dofollow リンク獲得を狙うことが重要となり、サイテーションよりも獲得が難しいとされています。
- 目的の違い
- サイテーション:主に企業やブランドの存在を認知してもらうことが主な目的です。話題となるコンテンツを公開し、拡散されることもサイテーションの目的を達成するために必要となる場合があります。
- 被リンク:ウェブサイトの評価を高め、SEO効果を高めることが目的です。また、信頼できる出典として外部リンクと内部リンクを適切に設置することで、ユーザーを目的のページへ誘導することも目的に含まれます。
- Google の見解
- サイテーション:Google が公式に SEO 効果を認めているわけではありません。
- 被リンク:Googleが公式にSEO効果を認めています。ただし、被リンク以外にも自サイトで検索エンジン最適化を行っていることが重要です。
表にして、違いをご紹介いたします。

MEOでは特にサイテーションが重要な理由
サイテーションは、特にMEO / ローカルSEOで重要な役割を果たすとされています。その理由は以下の通りです。
- ローカルSEOの特性に合っている
MEOは地域に特化した検索結果を対象としているため、実店舗の情報が重要です。サイテーションは主に店舗名、住所、電話番号などの情報を含むことでサイテーションとみなされるため、ローカル検索として実店舗を検索しているときの検索結果に影響しやすいとされています。 - Google のローカル検索評価基準に影響する
Google は、Google マップを含めたローカル検索結果のランキングを改善するために「視認性の高さ」を重視しています。視認性の高さとは、さまざまなディレクトリサイトやメディアサイトに、店舗の情報があることも含みます。したがって、サイテーションが増えるほど店舗の知名度が上がっていると評価されやすくなります。 - ビジネスの実在性を証明しやすくなる
MEO / ローカルSEOでは、ビジネスの実在性が重要です。サイテーションを通じて様々なウェブサイトやディレクトリサイトに店舗情報が掲載されることで、ビジネスが存在することを証明し、Googleからの信頼を得やすくなるとされています。
ローカルSEO / MEOをさらに詳しく知るには、関連記事もご覧ください。
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なぜ、被リンク獲得よりもサイテーションが簡単とされるのか?
被リンク獲得よりもサイテーションのほうが簡単な理由は、以下の通りです。
リンクがなくても成立する:サイテーションは単なる言及や引用で成立するため、リンクを含む必要がありません。一方、被リンクは外部サイトの管理者がリンクを設置することが必須です。
もし、被リンク獲得が自サイトに必要なフェーズである場合は、リンクを設置する価値があることを、言及した人に知らせましょう。
自社でコントロールできる部分がある:サイテーションは自社がSNSやブログを通じて情報発信をすることでも成立します。また、ディレクトリサイトや予約・クチコミサイトに自社公式情報を掲載することもサイテーションの一種です。これに対し、被リンクは第三者のWebサイトが自サイトにリンクを設置することが前提となり、コントロールの難易度が高くなったり、コントロールできなくなったりする場合があります。
サイテーションが間接的にSEO効果があるとされるのはなぜ?
Googleが公式にサイテーションのSEO効果を認めているわけではありませんが、間接的にSEOに影響を与える可能性があると考えられています。
ここでは、Google が明確に言及内容から考えられる根拠をご紹介します。
- 信頼性の向上
サイテーションによってWebサイト名やブランド名の言及が増えたり拡散されたりすると、Googleの評価基準であるE-E-A-T(専門性、権威性、信頼性、経験)の向上が期待できます。
インターネット上に自サイトや自社ビジネスの存在を増やすことで、実在性が高まることも影響していると考えられます。 - (MEO / ローカルSEO向け)視認性の向上
Googleは、ローカル検索結果のランキングを改善するために「視認性の高さ」を重視しています。サイテーションが増えるほどビジネスの知名度が上がり、検索結果での表示回数が増加します。 - (MEO / ローカルSEO向け)MEOとSEOの相互作用
サイテーションを含めてMEO対策を行うことで、マップパックやGoogle マップで上位表示されたとき、Google ビジネスプロフィールに設置した自サイトへのアクセスも増える可能性が高くなります。
いわゆる「青い10個のテキストリンク」以外にもトラフィックを得る機会が増えるため、サイテーションは間接的にSEO効果があると言えます。
※ナレッジグラフやフィーチャードスニペットを通じて、自サイトのトラフィックが増えると考えていただけると、分かりやすいと思います。
サイテーションを増やすには何をするべき?
サイテーションを増やす方法は多種多様です。この項目では、一人でWEB担当者をされている方向けに、難易度の低い順に優先度を付けてご紹介します。
※注:どのようなビジネスをされているか、どのようなスキルをお持ちであるかによって、難易度は変わります。
- ディレクトリサイトに自サイトを登録する:地域や業界特化型のディレクトリに自社情報を掲載しましょう。ディレクトリサイトとは何かを知るにはこちらをご覧ください。
難易度:低。自社でコントロール可能。 - SNSを運用する:自社のSNSアカウントを開設、適切に運用し、最新情報を発信しましょう。
難易度:低~高。自社でコントロール可能。※ソーシャルメディアの運用ノウハウをお持ちの場合の難易度です。 - プレスリリースを作成・配信する:プレスリリースに値するニュースバリューのあるコンテンツを作成し、配信することでニュースメディアへのサイテーションも目指す方法です。
難易度:中~高。自社ビジネスのニュース発信が多い、自社データをプレスリリースに変えるノウハウがある、調査を行うリソースがある場合におすすめです。 - 他サイトとコラボレーションする:合同企画や相互紹介を通じて、お互いに新しい読者層へリーチし、サイテーションを促進する方法です。
難易度:中~高。コラボレーション先を見つけること、打診が必要です。 - 引用されやすい高品質なコンテンツを書く:業界の専門サイトにエキスパートとして寄稿し、自社の専門知識や最新情報を提供する。または、自サイトで価値のある情報を提供し、自然と拡散されやすくする。
難易度:中~高。エキスパートとして提供できる知見があること、またはエキスパートに寄稿をお願いする予算があるかで難易度が変わります。 - (MEO / ローカルSEO向け)地域特化ブログやメディアに取り上げてもらう:プレスリリースやイベント情報を地域メディアに提案することも、サイテーションに有益です。被リンク獲得も期待できます。
難易度:中~高。地域メディアとのコネクションがあるかどうかで変わります。 - イベントやセミナーを開催する、取材を受ける:自社の活動や情報を広く知ってもらう機会を作り、他メディアに取り上げられる可能性を高めることで、サイテーションの機会を増やします。
難易度:高。知名度を高めること、ソーシャルメディアやプレスリリースとも組み合わせた情報発信が重要です。 - SNSで拡散してもらう:面白い、または興味深いコンテンツを作成し、ユーザー間で共有されやすくすることでサイテーションを狙います。インフルエンサーマーケティングも効果的な手段となります。
難易度:高。ビジネス内容、トレンド・時勢、ターゲットに刺さるコンテンツであるなど、総合的な視点によるコンテンツ作成が必要です。
まずは、自社に合ったやり方からサイテーションを行うことをお勧めします。
サイテーションは自社で行うべき?外注すべき?
サイテーションの獲得は、自社の状況や目標によって自社で行うか外注するかを判断すべきでしょう。両方のアプローチにメリットとデメリットがあります。

自社でサイテーションを行う場合
メリット:
- コストを抑えられる
- 社内にノウハウが蓄積される
- 自社の状況に応じて柔軟に対応できる
デメリット:
- SEOの専門知識を持つ人材の確保・育成が必要
- 最新のアルゴリズム変更への対応が必要
- 時間と人的リソースが必要
サイテーションを外注する場合
メリット:
- SEOの専門知識や最新トレンドに精通した業者に依頼できる
- 社内の作業負担を軽減できる
- アルゴリズム変更にも適切に対応してもらえる
デメリット:
- 外注費用が発生し、規模によっては高額になる可能性がある
- 社内にSEOのノウハウが蓄積されにくい
- 外注先とのコミュニケーションコストが発生する
サイテーション獲得の注意点
サイテーション獲得は、ただ行えばいいというわけではありません。以下の注意点があります:
- 自作自演は避ける
複数のSNSアカウントを作って言及するなど、スパムに値する行為や、他のアカウントやWebサイトに金銭を払って言及してもらったりする行為はNGです。これらの行為は検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。 - NAPの統一性を保つ
自社ビジネス、自サイトの名称・住所・電話番号、そしてウェブサイトの場合はURLも表記を統一することが重要です。
長すぎる名称や難しい漢字、親しみのない英語は避けたほうが良いとされますが、屋号を正確に記述すること、正式な愛称・略語を設定することのほかに、自社ビジネスの名前を想起させることも重要です。
※例:当ブログを運営している株式会社フルスピードの場合、「株式会社フルスピード」「(英語名)FullSpeed Inc.」の表記を徹底させる。 - 過度なサイテーション獲得を避ける
自然な形でのサイテーション獲得を心がけ、過度に増やそうとするのは避けましょう。質の高いコンテンツや優れたサービスを提供することで、自然なサイテーションを獲得することが重要です。
まとめ
サイテーションはMEOとSEO、両方で効果的な施策です。
言及・引用・被リンクを増やすために有効ですが、主に言及を増やすための施策であることを理解しましょう。
しかし、被リンク獲得にも有効であることを理解すれば、SEOの効果を高めることも期待できます。
サイテーションについてお悩みの企業様は、ぜひ株式会社フルスピードにご相談ください。