この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:Enterprise Sites Are Where Technical SEO Shines
(著者:Patrick Stox / 原文の最終更新日:July 9, 2024)
※フルスピード注:この記事は2024年7月9日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs公式ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。
エンタープライズ テクニカルSEO とは、大規模なエンタープライズ企業のWebサイトを最適化して、検索エンジンがそれらのページを見つけ、クロールし、理解し、インデックスできるようにする手法です。これにより、検索エンジンでの可視性と順位が向上します。
エンタープライズWebサイトは、テクニカルSEOが輝く場所です。ここには多額の金銭が絡んでいます。1つのミスで、何百万ページものページがインデックスから外れたり、サイト全体が検索結果から削除されたりする可能性があります。一方、1つの修正で、何百万ドルもの収益につながる可能性があります。
エンタープライズ環境でテクニカルSEOを成功させるために必要なことを見てみましょう。
- 企業の状況を把握する
- エンタープライズ テクニカルSEOのクロール設定
- エンタープライズ テクニカルSEOで優先順位を付けるには
- エンタープライズ テクニカルSEOでやるべきことの例
- 開発にチケットを送るときの重要なポイント
- エンタープライズ向けのテクニカルSEOツール
- まとめ
企業の状況を把握する
エンタープライズWebサイトには、複雑なインフラストラクチャと多くのレガシーシステムが存在している場合があります。多くのチームと連携し、多くの問題を解決し、賛同を得るため懸命に取り組む必要があります。
他の人と協力する
何かを成し遂げるには、さまざまなチームと連携する必要があります。優れた対人スキルは企業環境で役立ちますが、テクニカルSEO担当者にとっては必ずしも自然なことではなく、改善が必要な分野かもしれません。
これらのチームにはそれぞれ独自の優先事項があり、SEOは彼らの責任の一部に過ぎません。そのため、テクニカルSEOのためのリソースと注意を得るために戦うことになります。私の経験では、機会を逃さず行動することで、より多くの成果が得られます。彼らが作業する準備ができたら、支援する準備をしておきましょう。
これらのチームがどのように機能しているか、そのプロセスとツール、そして参加できるプロジェクト コール、チームコール、オフィスアワーなど、チームとやり取りできる機会があるかどうかを把握する必要があります。あなたの存在が目立てば、チームメンバーがあなたと協力する可能性が高くなります。
彼らが働いている場所で働きましょう。彼らのプロジェクト管理システムで、問題、期待される結果、変更を実施する価値を伝えるチケットを書く方法を学びましょう。チケットについては後で詳しく説明します。
テクニカルSEOは、多くの開発チームと連携する可能性がありますが、製品やサービス、hreflangによる国際性、ウェブサイト構造の分類学者やオントロジスト、インフラストラクチャ、CMSチーム、さらにはインデックスされるべきではないもののセキュリティなど、さまざまな分野のさまざまなチームと連携することになります。
おそらく、さまざまなチームや役員向けに、多数のレポートを作成する必要があるでしょう。エンタープライズSEO指標とレポートに関するガイドで、自分の環境に合うものは何か、ヒントを確認してください。
組織の改善
ほとんどのエンタープライズSEOチームは、進化するにつれて同様の進行段階を経ます。これはSEO成熟度モデルと呼ばれることもあります。
多くのチームはアドホックな作業から始めますが、最終的には集中化が始まり、標準とプロセス(SOP ※訳者注:手順書、標準マニュアル)が作成され、さらにはより積極的に行動して他のチームをトレーニングするなどの取り組みを行うことで、より多くの賛同を得られるようになります。
この進歩の多くは、組織内で成功し、目立ち、SEOを売り込むことができるリーダーにかかっています。リーダーは、仕事を行うのと同じかそれ以上の時間をプロセス成功の宣伝に費やす可能性があります。
SEOの予測レポートを作成したり、結果を示すために多くの役員会議を開催したり、他のチームをトレーニングしたり、SOPを作成したり、他の人に情報を提供するニュースレターを送信したりする必要があるかもしれません。
特にテクニカルSEOの場合は、一緒に仕事をしている開発者やチームの仕事も宣伝するようにしてください。彼らの知名度と昇進を得ることができれば、SEOの支持者が得られ、彼らはあなたの支持者となり、将来のプロジェクトでも一緒に仕事をしてくれる可能性が高くなります。
専門能力の開発
エンタープライズ テクニカルSEOに関しては、2つの主要な道があります。最も一般的なのは、個人貢献者(individual contributor、
略称:IC)、つまりチームの一員である個人です。エンタープライズ環境では、ICの役割であっても、主題専門家(subject matter experts、略称:SME)と見なされるため、かなりの自主性が認められる場合があります。中には、人員管理に携わる人もいます。
エンタープライズ テクニカルSEO担当者として人材管理に移行したい場合は、次のことをお勧めします:
- プロジェクトで目立つ
- リーダーとして見られるようにする
- スキルアップに取り組む
- できる限りチームを助けましょう
- 組織の全体像を理解する
- 関係を築く
- 効果的にコミュニケーションする
これらを達成するために、SEO コースやカンファレンス参加などに与えられた資金を、すべて活用してください。機会があれば、 Ahrefs Evolveに参加することを強くお勧めします。マネージャーになりたい場合は、管理職やリーダーシップのコースを検討することもできます。
※フルスピード注:この項目で登場した関連記事
翻訳版は以下の記事がございます。合わせてご覧ください。
- 初心者のためのテクニカルSEOガイド
- hreflang:初心者向けの簡単なガイド
- Webサイトの構造:SEOを基盤から設計し構築する方法
- エンタープライズSEO指標と成功レポートの作成方法
- オーガニックトラフィックを拡大するSEO SOPの作り方
- ファーストパーティおよびサードパーティのデータと競合他社の予測を使用したSEO予測
エンタープライズ テクニカルSEOのクロール設定
テクニカルSEOの大きな部分は、Webサイトのクロールを設定し、問題を監視することです。技術的にすべてを完璧にできれば理想的ですが、エンタープライズWebサイトでは、ほとんど現実的ではありません。
Ahrefs のサイト監査で気に入っている点の1つは、重要でないと思われる問題を無視できることです。※訳者注:以下スクリーンショットのように、「Turn off for this project」で、優先度の低いSEOイシューを無視できます。
必要に応じて、カスタムでSEOイシューを追加することもできます。問題として設定可能なページとリンクすべてのデータポイントと、日付間の変更も可能です。問題ごとに優先順位を変更することもできます。
また、問題をCMS別、あるいはテンプレート別に分類して、各問題がどのグループに属しているかを正確に把握し、問題がいつ解決されるかを確認することもできます。これは、サイト監査のセグメントを使えば実行できます。
他の多くのチームのデータニーズに応えることもできます。(エンタープライズ テクニカルSEO担当のあなたは)スクリプトや古いファイルバージョンの確認、言及してはいけない単語の確認、ページ作成者、公開日、更新日、その他の有用なデータの抽出などの作業が求められる可能性があります。
多くのクローラーでは、クロールする前にこの設定を行う必要がありますが、Ahrefsのサイト監査では、クロールが行われた後にHTMLまたはテキスト内を検索できます。
クローリングには、次のようにいくつかのオプションがあります。
通常のクロール
企業における標準的なクロールは通常、月に1回ですが、Webサイトを複数のセクションに分割している場合は、1週間か2週間に1回の頻度となる場合もあります。この場合の欠点は、クローラーが問題を検出するまで、しばらくの間、サイトが機能しない可能性があることです。
SEOの問題が発生する前に検出する方法
理想的なシナリオは、問題が発生する前にそれを検出することです。
企業環境によっては、ユニットテストを設定して、起動前に問題を自動的にチェックできる場合があります。
また、Ahrefsのサイト監査を使用すれば、ステージング環境と開発環境をクロールし、公開前に問題がないか確認することもできます。
※訳者注:以下のスクリーンショットは、Ahrefsのサイト監査でステージング環境を登録する画面です。Basic HTTP認証またはダイジェストHTTP認証で保護された、ステージングWebサイトをサイト監査でクロールできます。この機能はアドバンスドプランまたはエンタープライズプランでご利用いただけます。
クロールサンプリングでSEOの問題を早く検出するには
企業サイトでは、実行に数週間かかることもある完全なWebサイトクロールが常に必要なわけではありません。重要な変更が行われたかどうかを確認するのに十分な情報があれば、それで十分です。
Ahrefsのサイト監査をページのカスタムリストに対して毎日実行すれば、変更があった場合に通知を受け取ることができます。さまざまなテンプレートやシステムでサンプルを使用すると、問題をより早く見つけることができます。
また、本番環境に新しくプッシュを行ったセクションで、小規模なクロールを実行することもできます。
テクニカルSEOの変更をキャッチする最速の方法:常時クロール
これは、Ahrefsが常時オンのクロールと呼んでいる、今後のAhrefsプロダクト計画のプレビューです。
アイデアとしては、(Ahrefsサイト監査の)ユーザーが、毎週または毎月設定する傾向があるスケジュールされたクロールから、常にクロールがオンとなっていて問題をより早く通知する、優先順位付けされたクロールシステムに切り替えることです。
IndexNow を使用すると、リアルタイム オプションを追加できると同時に、ユーザーとAhrefs自身のリソースを節約できるようになります。※訳者注:IndexNowの翻訳記事はこちら。
IndexNowとサイト監査の新しい常時オン・オプションを使用しているWebサイトでは、ユーザーがページを更新した直後に問題を通知できるようになります。
図にすると、次のようになります:
これより優れたシステムは考えられません。実質的にリアルタイムの監視と警告のシステムです。テクニカルSEO担当者として、これは私にとって夢の実現です。
エンタープライズ テクニカルSEOで優先順位を付けるには
テクニカルSEOのプロジェクトに重点を置く場合、エンタープライズ環境では注意を引こうとする事柄が無数に存在する可能性があります。
テクニカルSEOの問題に関する、弊社の調査結果をご覧ください。最も一般的な問題を確認するために、1,000,000件を超えるWebサイトで監査を実施しました。※訳者注:テクニカルSEOの問題翻訳版はこちら。
タスクには優先順位を付け、最も重要な問題に焦点を当てる必要があります。私は通常、影響/労力マトリックスを視覚的に使って、最も重要なタスクが何であるかを他の人に理解してもらいます。その内容は次のとおりです。
より正確な労力予測のためには、開発チームと協力する必要があるでしょう。しかし、私の経験では、まずは必要な労力を見積もっておくと、彼らは感謝してくれるようです。その後、彼らが考える労力に基づいて、調整する機会を与えてください。
重大なインシデントが発生し、関係者が集まって問題を解決する、いわゆる「消防訓練」や「作戦会議」の状況に陥ることがあります。この場合、何かがひどく間違っており、会社に多額の損害が発生している可能性があります。これは常に、他の優先事項よりも優先されるタスクです。
私は、技術的に完璧な大手Webサイトなど存在しないと思っています。もしあったとしても、重要なことよりも重要でないことにリソースを浪費しているのではないかと心配です。
企業で興味深いのは、必ずしも理想的ではない決定を下さなければならない場合があることです。たとえば、サイトの一部ページやセクションに、作業量よりもコストがかかるために修正されない問題がある場合があります。投資対効果 ( ROI ) がないからです。※訳者注:SEOのROI翻訳版はこちら。
時には、「正しいこと」をする代わりに「最も悪くない」選択肢を選ばなければならないこともあります。すべてをコントロールできるわけではありません。最善を尽くし、機会があれば、できるだけ将来を見据えた決断を下してください。
エンタープライズ テクニカルSEOでやるべきことの例
エンタープライズ環境の大手Webサイトで、テクニカルSEOを始めるのに役立つプロジェクトをいくつか紹介したいと思います。もちろん、そもそもどのような問題があるのか特定するために、まずはテクニカル SEO 監査から始めるのもいいでしょう。
Webサイトのインデックスをチェックする
優先度 – 高
おそらく、インデックスされるべきでないページがいくつかインデックスされ、インデックスされるべきページが noindexed になっているページが多数あるでしょう。正規化は、インデックスしたいページのバージョンがインデックスされているバージョンであることを確認する、もう1つのSEOイシューです。
まず、サイト監査のインデックス作成レポートで「Noindex ページ」の警告を確認します。
Googleはこの警告が出ているページをインデックスに登録できないため、インデックスに登録したいページではないことを確認する価値があります。
また、サイトエクスプローラーのサイト構造レポートで、オーガニックトラフィックがあるはずのないページにトラフィックが発生しているかどうか確認することもできます。
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翻訳版は以下の記事がございます。合わせてご覧ください。
リンク回収作業で被リンクを回復させる
優先度 – 高
Webサイト、そしてWEB全体は常に変化しています。私たちが調査を行ったところ、調査した 9 年間でWEBにあるページへのリンクのうち、約3分の2が消えたことがわかりました。
多くの場合、古いURLには他のWebサイトからのリンクが含まれています。現在のページにリダイレクトされない場合、それらのリンクは失われ、ページにカウントされなくなる可能性があります。
こうしたリダイレクトを行うのに遅すぎることはありません。失われた被リンクの価値をすぐに取り戻し、コンテンツの順位を上げることができます。私は通常、これをビジネスケースにするために、参照ドメインごとに400ドルなどの金額を割り当てます。※訳者注:ビジネスとしての価値を説明するため、参照ドメインごとに金額を記載していると考えられます。
こうした機会を見つける方法は次のとおりです:
- サイトエクスプローラーに、リンク回復の機会があるかを知りたいWebサイトのURL(ドメイン)を入力しましょう。
- Best by links レポートへ移動してください。
- 「404 Not Found」HTTPレスポンスフィルターをクリックし、フィルタとして追加します。
私は通常、この手順で表示したレポートを、「参照ドメイン」順で並べ替えます。※訳者注:以下のスクリーンショット参照。Referring domainsの列をクリックし、降順でソートしています。
リダイレクトの一致に役立つスクリプトも作成しました。スクリプトと聞いて、怖がらないでください。いくつかのファイルをダウンロードしてアップロードするだけです。Colabノートブックが手順を案内し、面倒な作業を代わりに行ってくれます。
このスクリプトは定期的に実行することもできますが、リダイレクトを頻繁に行う必要がある場合は、実装を自動化することをお勧めします。Ahrefs APIからのデータとアナリティクスからの訪問数をシステムに取り込むことができます。次に、1か月で3回以上のRD、5回以上のヒットなどのロジックを作成し、これらにリダイレクトのフラグを付けたり、リダイレクトを提案したり、自動的にリダイレクトしたりします。
すでに1年以上リダイレクトされている場合は、その値が新しいページに統合されている可能性があります。これはGoogleが推奨していることであり、Ahrefsでテストしたときにもその通りでした。また、これを考慮して、ページが1年間リダイレクトされていたかどうかを確認する自動化ロジックに「リダイレクトされた」というフラグを追加することもできます。
※フルスピード注:この項目で登場した関連記事
翻訳版は以下の記事がございます。合わせてご覧ください。
- 過去9年間でサイトへのリンクが少なくとも66.5%死んでいた(リンク腐敗に関するAhrefs の調査)
- 301リダイレクトの説明:SEOに与える影響
- 1年後に301リダイレクトを削除しても問題ないか?Ahrefsのテスト結果を紹介
内部リンクを追加する
優先度 – 高
私は、内部リンクがページのランクを上げるのに強力な手段であることをいつも感じてきました。※訳者注:内部リンクの翻訳版はこちら。
エンタープライズの環境では、このようなリンクを取得するのも難しい場合があります。Webサイトのさまざまなセクションをさまざまな人が担当している場合があり、内部リンク作成に時間がかかり、内部リンクを張るにも会議や多くのフォローアップが必要になることがあります。
政治的なハードルに加えて、内部リンクのプロセスは少々複雑です。サイトをよく理解し、リンクの機会を探すためにさまざまなページを読むか、機会を見つけるために大量のスクレイピングとクローリングを伴うプロセスに従う必要があります。
Ahrefsでは、これをシンプルかつスケーラブルでアクセスしやすいものにして、誰でもこれらの機会を見つけられるようにしました。内部リンクの機会を確認する最も簡単な方法は、サイト監査の内部リンクの機会レポートを使用することです。
Ahrefsは皆さんのページがどのようなキーワードや要因で検索結果にランクインしているかを確認し、それらを言及している(同じWebサイト上の)他のページからのリンクを構築するように提案します。
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この記事を翻訳している株式会社フルスピードは、約20年にわたり5,500社以上の企業様へSEOサービスを提供してまいりました。ご相談は無料。お気軽にお問い合わせください。
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スキーママークアップを追加する
優先度 – 高
私は、検索機能が得られる限り、スキーマ マークアップのファンです。どのスキーマ マークアップを実装すべきかを確認するには、スキーマ マークアップのガイドをご覧ください。現在では、ページに表示される内容に基づいてスキーマ マークアップを提案できる便利なツールもいくつかあります。※訳者注:スキーママークアップの翻訳版はこちら。
ページ エクスペリエンスを修正する
優先度 – 中
これらの多くは必ずしも SEO に大きな影響を与えるわけではありませんが、ユーザーにとって、またユーザーのWeb サイト体験にとって有益なので、取り組む価値はあります。
- コアウェブバイタル(Core Web Vitals)。これはページの読み込み速度を表します。
- HTTPS。ページを安全にしたいとお考えですか。驚くべきことに、6%を超える数のサイトが HTTPSからHTTPにリダイレクトしています。
- モバイルフレンドリー。自社サイトのページは、モバイル環境でも閲覧や使用できますか?
- インタースティシャル。邪魔なインタースティシャル広告や、画面の大部分を占めるインタースティシャル広告は避けてください。
Ahrefsのサイト監査では、これらのほとんどをカバーしています。たとえば、PageSpeed Insightsデータを取得すると、コアウェブバイタルの場合、実際のChrome ユーザーエクスペリエンスレポート(CrUX)指標と、サイト監査のLighthouse指標を取得できます。※訳者注:以下のスクリーンショットを参照。
また、サイト監査はモバイル SEO の問題も報告します。※訳者注:以下のスクリーンショットを参照。
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Webサイトの一般的なSEO健全性/メンテナンス
優先度 – 低
これらは SEO にはあまり影響しないかもしれませんが、ユーザーエクスペリエンスにとっては重要な考慮事項となる可能性があります。
- 壊れたリンク(リンク切れ)。見つけて、修正してください。
- リダイレクト チェーン。Googleは最大10ホップまで追跡します。5ホップ以内のリダイレクトチェーンを心配する必要はありません。
- サイトマップを追加する。これはサイトマップ追加が自動化されていることを確認してください。手動で作成するように求められた場合は作成できますが、手動の場合は最新の状態に保たれることはほとんどないことに注意してください。クロールされたページに基づいてサイトマップを作成する場合は、すべての検索エンジンがいずれにしてもクロールできる可能性があります。
リダイレクトチェーンについては、長すぎるかどうか確認することをお勧めします。これは、サイト監査のリダイレクトレポート [問題] タブで確認できます。※訳者注:以下のスクリーンショットを参照。
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hreflangの問題を修正する
優先順位:サイトによって異なります
hreflang は、検索で適切なユーザーに適切なページを表示するのに役立ちます。不適切なパスや迷惑なユーザーによる離脱は多額の費用がかかる可能性があるため、企業にとってこれを正しく行うことは非常に重要です。※訳者注:hreflangの翻訳版はこちら。
サイト監査では、さまざまな hreflang の問題にフラグを立てます。
また、世界初の hreflang クラスター視覚化のように、問題を説明するのに役立つ優れた視覚化もいくつかあります。何が壊れているかを図で表示して伝えるため、一般的なスプレッドシートよりも関係者に説明するのがはるかに簡単になります。
クロールバジェットを最適化する
優先順位:サイトによって異なります
クロール バジェットは、数百万ページある大規模なサイトや頻繁に更新されるサイトでは、懸念事項となる場合があります。一般的に、希望する頻度でクロールまたは更新されていないページが多数ある場合は、クロールの高速化を検討することをお勧めします。※訳者注:クロールバジェットの翻訳版はこちら。
EC(Eコマース)のページを最適化する
専門のタスク
ECサイトのSEOは、製品を販売するあらゆるサイトにとって重要です。
エンタープライズサイトの場合、ファセットナビゲーションは特に扱いにくい場合があります。幸いなことに、ファセット ナビゲーションに関する優れたガイドがありますので、こちらもご覧ください。
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JavaScript SEOの問題を修正する
専門のタスク
サイトが大きくなるほど、複数の技術スタックに遭遇する可能性が高くなります。その一部は JavaScript フレームワークかもしれません。これらは CMS よりも比較的新しいため、SEO 担当者にはあまり理解されていません。そこで、JavaScript SEOに関するガイドを用意しました。
このガイドでは、直面する可能性のがある多くのJavaScriptに関する問題とそのトラブルシューティング方法、および Google のレンダリングプロセスの仕組みについて説明しています。※訳者注:JavaScript SEOガイドの翻訳版はこちら。
他のWebサイトを移行させる
専門のタスク
Webサイトの移行とは、Webサイトのドメイン、URL、ホスティング、プラットフォーム、またはデザインに対する重要な変更を行うことを指します。
大企業はこれらの変更を好み、(Webサイトの環境に)混乱を引き起こします。一貫性を保ち、変更の影響を最小限に抑えるために、標準を作成するようにしてください。※訳者注:Webサイト移行の翻訳版はこちら。
合併や買収の際にトラフィックを維持する
専門のタスク
エンタープライズ企業は、常に他の企業を買収しています。エンタープライズ SEOで働いていたとき、私は常に1つは Web サイト統合プロジェクトを実行しているように感じました。問題が発生する可能性は多く、多額のお金が失われます。詳細については、合併と買収に関する SEOのガイドをご覧ください。※訳者注:企業合併・買収時のSEOガイド翻訳版はこちら。
ログファイルを分析する
専門のタスク
通常、このタスクは開発部門で確実に行うべきものと考えていますが、テクニカル SEO 担当者に依頼されることもあります。
ログの保存と分析にはコストがかかり、IP アドレスを含む個人情報(PII)が含まれるため、多くの企業は SEO 担当者にログファイルへのアクセスを許可しません。依頼すれば、Googlebot や Bingbot などの主要な検索ボットのみにアクセスを許可してもらえるかもしれません。
ログの最も一般的な使用例は、リダイレクトするページを確認することです。これは通常、Google アナリティクスまたは Google Search Consoleのクロール統計レポートから取得できます。
正直に言うと、テクニカルSEOにとってログファイル分析にはあまり価値がないと思います。誰もリンクしようとしない孤立したページを見つけてリンクしたり、誰も改善しようと努力しなかった価値の低いページをさらにインデックスに登録しようとしたりしても、私は興味がありません。
私は通常、2、3年に一度くらいの頻度で、問題のトラブルシューティングのためにログを取得することがあります。クロールバジェットや、サイトの大きな変化を示すクロール急増の監視などのために、ログを取得するケースを作ることができるかもしれません。私の経験では、ログファイルの分析にかかる労力とコストは、メリットを上回ることがよくあります。
APIからデータを取得する
専門のタスク
すべてのテクニカルSEOがこれを行うとは期待していませんし、APIの操作は開発者の仕事だと私は通常考えていますが、多くのテクニカルSEOはこの種の作業を支援するスキルを持っています。典型的な使用例は、データストレージ、レポート作成などです。
機械学習タスク
専門のタスク
これはテクニカルSEO担当者にとって必ずしも必須ではありませんが、機械学習プロジェクトを引き受け、セマンティック分析、リダイレクトの自動化、キーワードのクラスタリングなどの作業を支援する人が多くいます。
開発にチケットを送るときの重要なポイント
開発チームにチケットを送信するときは、詳細かつ簡潔にする必要があります。開発チームが何をすべきかわかるように十分な詳細が必要ですが、チケットは開発チームが実際に読んでもらえるほど短くする必要があります。
私が重視する要素は次のとおりです:
- 問題を詳細に説明すること。
- 対応結果の受け入れ基準。この問題が解決されたと判断するために確認する必要があるものを洗い出すこと。
- 追加情報。アップロード方法や、問題を再現する手順、問題を示すビデオを添付すること。
- 優先順位と影響。問題はどの程度重要ですか? 可能であれば、(問題を放置することで)予想される影響を、現金に換算するようにしてください。
些細な作業で、開発者の時間を無駄にしないでください。多くのテクニカル SEO 担当者が、労力はかかるもののほとんど影響がない、あるいはまったく影響のない多くの事柄についてチケットを提出することで、開発チームとの関係を断ち切ってしまうのを私は見てきました。
エンタープライズ向けのテクニカルSEOツール
エンタープライズ企業で働くテクニカル SEO 担当者に役立つツールは多数あります。たとえば、次のツールがあります:
- Ahrefs のサイト監査。これは本当に業界最高クラスです。ぜひチェックしてください。Ahrefsのサイト監査は、最も使用されているクラウドベースのサイト監査ツールです。1日に約7 億ページをクロールします。
- Ahrefs SEO ツールバー。これは私にとって、実質的にすべてのSEO拡張機能を置き換えました。
- Google Search Console。インデックス作成やクロールなどをチェックするための便利なツールが、いくつかあります。
エンタープライズ SEO ツールのガイドもご覧ください。
まとめ
最後にもう1つアドバイスがあります。プロジェクトが進展していないように見える場合は、変更したいことを A/B テストとして売り込んでみてください。多くの企業はより多くのテストを行いたいと考えており、SEO の変更を「テスト」してその影響を確認できます。測定可能な影響があれば、より永続的な修正を主張できますが、当面は技術的に修正されたことになります。
エンタープライズ向けのテクニカルSEOサービスを提供する、外部のSEO代理店が必要な場合は、 SEO 代理店ディレクトリをご覧ください。エンタープライズ企業向けにテクニカルSEOサービスを提供する代理店は115社以上あります。
何かヒントや、共有したいエンタープライズSEOの経験、または質問がある場合は、私のXまたはLinkedInでお知らせください。
著者プロフィール
Patrick Stox
Patrick Stox は、Ahrefs のプロダクトアドバイザー、テクニカル SEO、ブランド アンバサダーです。2021 Web Almanac の SEO 章の主執筆者であり、2022 SEO 章のレビュアーです。また、Ahrefs の SEO Book For Beginners の共著者でもあり、The Art of SEO 4th Edition のテクニカル レビュー エディターでもありました。Raleigh SEO Meetup (米国で最も成功している SEO Meetup)、Beer and SEO Meetup、Raleigh SEO Conference など、いくつかのグループの主催者であり、Technical SEO Slack グループを運営し、Reddit の /r/TechSEO のモデレーターを務めています。