コンテンツ制作のプロが使っている7つのコンテンツ自動化ツール

コンテンツマーケティング

この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:7 Content Automations Used by Real Content Pros
(著者:Mateusz Makosiewicz、Reviewed by Ryan Law / 原文の最終更新日:June 27, 2024)
※フルスピード註:この記事は2024年6月27日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs公式ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。

コンテンツマーケティングは、すぐに複雑になり、手間がかかってしまう可能性があります。

コンテンツチームは、ライター、レビュアー、そして毎月何十本もの記事からなるチーム全体で、アイデア出し、ライティング、編集、校正、出版、プロモーション、分析、レポーティングを管理する必要があります。賢明なコンテンツリーダーは、これらのプロセスの一部を自動化して、本当に重要なことへ集中できるようにする方法を見つけています。

そこで、この記事ではコンテンツ制作の自動化を検討している皆さんにインスピレーションを与え、何が自動化できるのかだけでなく、自動化する価値があるものも紹介するために、3人の専門家にお気に入りのワークフローを共有してもらいました。

1. Airtableを使ってコンテンツ制作ワークフロー全体を管理する

すべてを自動化することはできませんが、コンテンツ制作のワークフロー全体を自動化することは可能です。

インタビューを受けた人たちは、Tommy Walker氏の言葉を借りれば、Airtableを「業務の中心拠点」として使っています。そうした拠点が、次のようなコンテンツ制作のすべてをコントロールします。

  • キーワードと、そのSEOデータを含むトピックのアイデア。※フルスピード注:SEOデータ翻訳版はこちら
  • ブリーフィング。
  • コンテンツのアウトライン。
  • 記事。
  • タスクとステータス、またはタスクを表示するさまざまな方法(カレンダー、カンバンなど)。
  • 貢献者とその役割。
  • 通知。

この背後にある一般的な考え方は、トリガーとアクションの使用です。トリガーと少なくとも1つのアクションからなる完全なセットは、多くの場合、Zap(自動化ツールプロバイダーのZapierによる造語)と呼ばれます。

私たちの専門家は皆、このような中心拠点を持っています。ワークフローの自動化を始めると、そうした基盤を持たずにはいられなくなると思います。Eric Doty氏によるシステムの1つが、こちらの動画です。

>※フルスピード注:動画はこちら(記事原文のページが開きます)

Eric氏は、キーワード出しのソースとしてAhrefsを使うと述べました。皆さんも同じようにAhrefsでキーワード出しをされる場合は、以下に簡単なヒントをご紹介します。 ー Ahrefsのキーワードエクスプローラーで自動キーワードクラスタリングを使えば、後で調べる必要がなくなります。※フルスピード注:キーワードクラスタリングの翻訳記事はこちら

ヒント
キーワードクラスタリングを使うと、同じ検索意図を持つキーワードをグループ化できます。このようなキーワードはよく見かけられます。( 例:「車の保険(car insurance)」と「自動車保険(auto insurance)」)。
この作業に必要なのは、Ahrefsのキーワードエクスプローラーにある、「フレーズ一致」レポートで、「親トピックによるクラスター」タブをクリックすることだけです。ここで表示されたリストをエクスポートして、Airtable、Notionなどに移し、活用できます。

コンテンツワークフローの中心拠点に話を戻すと、全員が定期的にアクセスする必要はない点に注意することが重要です。Tommy氏が指摘したように、コンテンツ自動化システムは、チームメンバーが従うプロセス(場合によっては他の自動化)と統合できます。

たとえば、一部の関係者はステータスの変更に関してリアルタイムの通知を必要としますが、他の関係者はコンテンツ出力の週次ダイジェストのみを必要とすることがあるでしょう。自動化は、これをうまく処理します。

また、システムに取り込むフォームへ記入してもらうこともできます。たとえば、営業チームはそのようなフォームを使って、Airtableの設定を入力しなくても新しいコンテンツをリクエストできます。

2. ライター、編集者、テーマの専門家(SME)に記事を割り当てる

Caitlin氏は、作業の進捗に基づいて、ライター、テーマの専門家であるレビュアー(subject matter expert reviewers,略称SME)、編集者、これら3種類の寄稿者に、タスクを自動的に割り当てる方法を紹介してくれました。すべてAirtableを離れることなく、毎月20~30件の記事を公開し続けるためのものです。

Caitlin氏はとても寛大なので、このワークフローが何をするのかだけでなく、 Airtableと既製のZapの条件付きロジックを、リンク先の記事からコピーできるかも確認できます。

プロセス全体は、Caitlin氏が記事のステータスを「執筆中」に割り当てた時点から始まります。

これにより、Airtableの自動化がトリガーされ、ライターのGoogleスプレッドシートに概要が追加されます。次に、Googleスプレッドシートの新しい行によってZapがトリガーされ、割り当て日が追加され、ライターに新しい割り当てを通知するメールが送信されます。

Airtableの画面では、この部分の設定は次のようになります。

ライターが自分のパートを終えると、Caitlin氏はSlackで自動通知を受け取ります。

次に、記事をテーマの専門家にレビューしてもらいます。これは、独自の専門知識と実生活の経験によってコンテンツを強化するため、Caitlin氏の戦略にとって非常に重要です。※フルスピード注:この記事で言う「テーマの専門家」とは、その記事の内容に詳しい専門家。監修者。

自動化のおかげで、Caitlin氏が行う必要があるのは、ステータスを「レビュー中」に変更することだけです。これにより、記事のリンク、概要、単語数がレビュー担当者のGoogleスプレッドシートに追加されます。

さらに、この自動化により、レビュー担当者に割り当てを通知するメールが送信されます。そして、ここが素晴らしいところです。記事が完全に新しいものか、2回目のレビューなのかによってメールの内容が異なります。Zapierでこれを設定する方法は次のとおりです。

レビュー担当者が作業を完了したら、「完了」をチェックし、シートの「次のステップ」ドロップダウンでフィールドを選択して、記事が承認されたか、ライターによる変更が必要かを反映します。すると、Caitlin氏はSlackで次のようなメッセージを受け取ります。

ライターが変更を加える必要がある場合は、そのための特別なステータスもあります。ケイトリンがステータスを「レビュー中」から「ライターが更新中」に変更すると、ライターの Google スプレッドシートのステータスも自動的に変更されます。また、ライターがそのステータスの変更を見逃さないように、自動メール通知も用意されています。

最後に、編集段階です。ここで、Caitlin氏はステータスを「編集中」に変更し、ライターと専門家の場合と同様に、編集者のGoogleスプレッドシートに行を追加します。

記事が完成し、編集者がシートのステータスを変更し、必要に応じてコメントを追加すると、Caitlin氏は次のメッセージを受け取ります。

以下のリンクから、Caitlin氏が使用したZapsをそのままコピーできます:

3. コンテンツを社内で共有し、アクセスできるようにする

公開するコンテンツが増えれば増えるほど、組織内の人員も増え、このタイプの自動化の必要性も高まります。

このセクションでは、まずEric氏が、新しいブログ投稿が公開されるたびに、ライターへのメール、Slackへのメッセージ、Airtableでのステータス変更がトリガーされるようにAirtableを設定する方法を紹介します。

>※フルスピード注:動画はこちら(記事原文のページが開きます)。

さて、大きなコンテンツインベントリがあり、他のチームがそのコンテンツにアクセスして、見込み客へ電話やニュースレターを送るとき使用できるようにしたいとしましょう。Caitlin氏による別のワークフローを使用すると、公開されたすべての記事の AI 生成サマリーがZapを通じて、Airtableに追加されます。

参考文献

4. 最高のコンテンツアイデアを素早く保存する

Eric氏(そして私)のように、コンテンツのアイデアはさまざまな、多くの場合ランダムな状況で思いつきますが、コンテンツダッシュボードを開いてそれを書き留めるのは、必ずしも迅速で簡単ではありません。幸いなことに、Zapを設定してこれらを処理できます。

以下の例では、Eric氏が、Slack チャンネルに記録されたコンテンツアイデアをAirtableに直接送信するための便利なワークフローを、どのように作成したかを説明しています:

  1. Eric氏は、定義済みのハッシュタグを使用して、Slackチャンネルにキーワードのアイデアを書き留めます。
  2. Slackボットは、Airtableベースへのリンクを追加して、キーワードをAirtableに追加することを確認します。
  3. キーワードがキーワードリストに追加されたので、Ericは準備ができたらSEOデータを追加できます。

>※フルスピード注:動画はこちら(記事原文のページが開きます)

5. コンテンツ概要を自動的に作成する

同じドキュメント形式を使って、他の人向けのコンテンツ概要や自分のコンテンツ概要を何度も作成している場合は、このワークフローが役立つと思います:

  1. トリガーには2つの条件があります:トピックが「概要作成が必要」ステータスに達していることと、かつ、まだ概要が作成されていないことです。
  2. アクション:コンテンツ概要のテンプレートとして機能する、Googleドキュメントが作成されます。ドキュメントには、キーワード、トピック、形式などの変数を通じて渡されたAirtableからの情報がすでに含まれています。

>※フルスピード注:動画はこちら(記事原文のページが開きます)

ヒント
重要なサブトピックを含めることで、Googleにとってコンテンツの関連性が高まります。上位の記事がランクインしているキーワードを特定することで、サブトピックを見つけることができます。

Ahrefs のキーワードエクスプローラーにアクセスし、調べたいキーワードを入力して、SERP概要の項目まで概要レポートをスクロールします。上位表示されている記事をいくつか選択し、「コンテンツギャップで開く」をクリックします。

すると、選択した記事がランクインしているキーワードのリストが表示されます。上位3件以内にランクインしている記事が多いキーワードは、おそらく最も重要なサブトピックです。

既存の記事を最適化する場合は、Ahrefs のAIコンテンツグレーダーを使用して、拡張する価値のあるトピックを追加できます。※フルスピード注:AIコンテンツグレーダーはエンタープライズプランのみ利用できます。

参考文献

6. ポッドキャスト番組のゲストを管理する

Tommy Walker氏からインスピレーションを得て、いくつかの異なるツールをAirtableに接続して、ポッドキャストの制作を自動化する方法を紹介します。

手順は次のとおりです:

  1. Tommy氏は、Calendly経由でエピソードの時間枠を予約する招待状を送信します。
  2. ポッドキャストのゲストが時間を予約すると、Airtableに「予約済み」ステータスの新しいレコードが作成され、詳細が入力されます。
  3. これにより、Googleドライブは新しいフォルダとその中に2つのサブフォルダを作成します(そのうちの1つは、ゲストが自分の顔写真をアップロードするためのものです)。
  4. フォルダに顔写真をアップロードすると、デザイナーに通知されます。
  5. 次に、ゲストとの事前通話を予約するためのメールが送信されます。
  6. これで、Tommy氏はAirtable内で「ページを作成」ボタンをクリックするだけで、WordPressにページと投稿を作成できます(すごいですね!)。
  7. YouTubeでのポッドキャスト放送が完了すると、CastmagicのRSSフィードに送信されます。これにより、Tommy氏はツールを使って書き起こし(トランスクリプト)を作成し、それに対して AI チャットボットを使用できるようになります。
チェックマークは、WordPress でページを作成するためのボタンです。

7. 寄稿者がGoogleドライブに新しいファイルをアップしたら、メールを送る

誰かがGoogleドライブに新しいファイルをアップロードしたときに、通知が届かないのはご存じですか? その人に手動で通知する必要があり、非常に手作業のように感じられます。同じことを2回行っているような気がします。

Googleがこれを修正するまで、Eric氏が時間を節約し、安心できるZapの作成方法を紹介しましょう。デザイナー、ライター、ビデオチームと共同作業するときに、この方法を使用してください:

  1. トリガー:コンテンツの寄稿者が、Googleドライブ内の指定されたフォルダにファイルをドロップします。
  2. アクション:寄稿者の名前とファイルへのリンクが記載されたメールが、Eric氏に送信されます。

>※フルスピード注:動画はこちら(記事原文のページが開きます)

コンテンツ自動化のよくある質問

コンテンツの自動化を始めたばかりの方向けに、よくある質問にいくつか答えてみました。

コンテンツ自動化と自動化(AI)コンテンツの違いは何ですか?

これら2つの用語は非常に似ており、一方が他方のサブセットであるため、混同しやすいです。

  • 自動化コンテンツは、主に人間の入力なしでAIによって生成されます。
  • コンテンツ自動化は、ツールを使ってコンテンツ作成、管理、配信を効率化することを指します。

したがって、自動化コンテンツがなくても、コンテンツ自動化は可能です。さらに、Googleで上位表示したい場合は、コンテンツを完全に自動化しないことをお勧めします。

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コンテンツ自動化はSEOに良いのでしょうか?

回答の要約:コンテンツを完全に自動化したい場合、つまり公開前に確認すらしない場合は、Google が AI コンテンツ自体に反対しているわけではないとしても、SEOには悪影響が出る可能性が高くなります。

さまざまなSEOに関する実験や調査研究によって、疑いの余地なく1つのことが証明されています。システムを操作しても、短期的な利益しか得られないということです。Googleは、自動コンテンツであるかどうかに関係なく、遅かれ早かれ、悪質なコンテンツやスパムの検知に追いつきます。そして、これが起こると、トラフィックチャートは次のようになります。

Google が提案しているように、AIを使ってコンテンツを作成していることを開示することもできます。しかし、逆説的に、ガイドラインを順守しようとすると、ユーザーエクスペリエンスが損なわれる可能性があります(特にYMYL トピックの場合)。消費者は一般的にAIコンテンツに反対しているわけではないようですが(調査)、AIコンテンツに対しては慎重である可能性が高いです(調査)。

最後に、私が今回話を聞いたコンテンツ自動化の専門家は、コンテンツ生成にAIを使用していません。彼らの経験を考えると、異なる答えは期待していませんでした。彼らはコンテンツ概要の生成、コンテンツギャップの発見( AI コンテンツ グレーダーをご覧ください)、関連するサブトピックの検索など、他の用途にAIを使用するかもしれませんが、実際の執筆には使用しません。※フルスピード注:AIコンテンツグレーダーの解説翻訳はこちら

コンテンツ自動化はあらゆる規模のチームに適していますか?

私たちの専門家は、規模の大小を問わず、すべてのチームがコンテンツ自動化から恩恵を受けることができると同意しています。

正直に言うと、これは誰にでも使えるものです。私は、月10記事から100記事まで、あらゆるレベルのコンテンツ作成にこれを使用しています。HealthMatchでは、月150~200記事を公開していたため、その規模を可能にするために自動化をどのように使用するかをすぐに考えなければなりませんでした。週に1人か2人のライターに新しい割り当てのメールを送信することは可能ですが、20人のライターにメールを送信することは不可能です。

Caitlin Burns, Dovetail コンテンツおよびSEOリーダー

さらに、Tommy Walker氏はこれについて独自の見解を持っています。

大企業にとっての価値提案は、その規模によって異なります。大企業の場合、情報交換を自動化して効果的かつ効率的に行うことが重視されます。一方、小企業の場合、時間の節約が重視されます。

Tommy Walker, The Content Studio創設者

SEOにAIを効果的かつ安全に使用したい場合は、実証済みの 14 のアイデアをご紹介します。※フルスピード注:翻訳記事はこちら

コンテンツ自動化のよくある落とし穴は何ですか?

専門家によると、2つの点に注意する必要があるそうです。

最初の落とし穴は、無限ループを作成することです。これは、自動化ツールのプランが最大限に達するまでタスクが何度も実行されることです。Zapierを使用している場合、これを回避する方法はリンク先をご覧ください

もう1つの落とし穴は、可能だからといってすべてを自動化してしまうことです。

Eric氏のアドバイスに従ってください。手動で何度か処理したタスクを自動化しましょう。新しいプロセスをすぐに自動化することは避けてください。まずは手動で実行して、自動化する価値があるかどうかを確認してください。そうしないと、非効率的なワークフローに時間を浪費したり、自動化されたタスクが多すぎて圧倒されたりする可能性があります。

まとめ

最後に、各専門家から初心者向けコンテンツ自動化にとって、一番のヒントを紹介して終わりたいと思います。全員が同意しているようです。それは「スマートで小さい」ということです。

コンテンツ自動化の専門家になろうとするのではなく、解決したい特定の問題に取り組んで自動化に取り組むと、試行錯誤しながら学習し、はるかに早く学習でき、抽象的なことを学ぶのではなく、自分で問題を解決できるようになります。したがって、小さなことから始め、いつも行っているがやめたいと思っている手動プロセスから始めてください。

Eric Doty, Dockコンテンツリード

ご質問やご意見がございましたら、 著者のXまたはLinkedInでお知らせください。

著者プロフィール

Mateusz Makosiewicz
Ahrefs のマーケティング研究者兼教育者。Mateusz は、代理店、SaaS、ハードウェア ビジネスで 10 年以上のマーケティング経験を持っています。執筆活動をしていないときは、音楽を作曲したり、長い散歩を楽しんでいます。
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