この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文：Location Landing Pages: 6 Crucial Elements Of Local Visibility
（著者：Despina Gavoyannis、Reviewed by Ryan Law / 原文の最終更新日：December 22, 2023）
※フルスピード註：この記事は2023年12月22日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs公式ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。
ローカル・ランディング・ページとは、地元で経営されているビジネスの場所を検索者や検索エンジンへ示すためにデザインされたWebページのことです。そのビジネスがカバーするサービス提供エリアの詳細、実店舗への行き方、その場所で利用可能なサービスや、スタッフに関する情報を含めることができます。
Google はそのようなページを順位付けすることを好まないという話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは必ずしも真実ではありません。 Google が好まないローカル・ランディング・ページは、次のような点を含む場合です：
- 質より量を重視したローカルページが量産化されている。
- そのビジネスが実際には存在していない/サービスを提供していない地域であっても、所在地ページが作成されている。
- 単に場所だけが入れ替わった、重複コンテンツ。
- そのロケーションに関する歴史を、単にWikipediaから引っ張って掲載し、「逆流」している。
それでは、ローカル・ランディング・ページの順位付けとコンバージョンを促進するだけでなく、地域コミュニティでの信頼性も高める、ロケーションページ戦略の構造を解き明かしてみましょう。
※フルスピード注：この記事で扱う「ロケーション・ランディング・ページ」は、複数の地域に店舗を展開するブランド、チェーンの「店舗詳細」ページも含まれます。
効果的なロケーションページの要素とは
優れたロケーションページは、あなたのビジネスがローカル検索結果に表示され、地元の検索者たちのの共感を得られる内容となっています。
以下の図は、検索結果で上位表示され、ビジネスを検索している人たちに貴重な情報を提供し、地元企業の新規ビジネスの推進に役立つ、ロケーション・ランディング・ページを作るときに使えるテンプレートです。
皆さんのビジネスニーズと顧客の検索意図に合わせてデザインを調整するとともに、この記事で解説している要素のほとんどをページに含めることをお勧めします。
では、効果的なロケーション・ランディング・ページに含めるべき、6 つの要素をそれぞれ紐解いてみましょう。
要素1. ローカライズされた URL 構造
URL にローカル検索向けのキーワードを追加すると、ロケーションページの順位上昇に役立つランキング要素になります。ページのターゲット キーワードと一致させるには、 URLの中にサービスと場所の両方を含めることが重要です。※フルスピード注：SEOフレンドリーなURL記事の翻訳版もあります。
これを設定するには、いくつかの方法があります。
たとえば、www.example.com/emergency -plumbing-new-york のような URL は、ホームページから 1 階層だけ下にあるサイト構造です。すべてのロケーションページをこのように作成すると、非常にフラットな Web サイト構造になり、ユーザーにとっては遷移しづらく、企業にとっては整理や追跡が難しくなる可能性があります。
また、Google のクローラーから見ると、ユーザーが閲覧している このWeb サイトで、どのページが最も重要であるかを正確に特定しづらくなる可能性があります。
より良い形でロケーションページを作成するには、親ページと子ページを作成しましょう。
例えば、あなたのビジネスが全国的かつ複数の都市にわたって、またはフランチャイズとして運営されている（または今後運営される）場合は、自分の場所を親ページに、サービスを子ページの順序にしましょう。
ビジネスが小規模な地域単位である、または 1 つのエリア内のみで運営されている（そして今後も運営され続ける予定の）場合は、サービスを親ページにして、場所を子ページにします。
あなたのビジネスで「場所」と「サービス」どちらを親・子にするかは、今後あなたが展開しようとしているビジネスの規模や地域と、それに合わせて拡張しようとしているWebサイトの構造によって決まります。
要素2. ローカライズされたページタイトルとtitleタグ
H1 見出しとtitleタグにサービスと場所を追加すると、そのページはどのトピックに関するものであるかを Google へ明確に伝えることができ、検索順位の上昇に役立ちます。※フルスピード注：H1タグとtitleタグに関する記事の翻訳版はこちら。
また、アクセスしたページの中に、訪問者の求める情報が含まれている可能性が高いことを、すべてのユーザーが認識できるようにすることで、アクセシビリティとユーザーエクスペリエンスも向上します。
ただし、SEO を行うことと、人間にとって魅力的なコピーを作成することの間には、綱引きが起こる場合があります。
最適なバランスは、ターゲットとするキーワードでSEO的にはランキングの主導権を握り、独自の販売提案で魅力的なコピー要素をフォローして、競合他社ではなく自社のビジネスを選択するよう訪問者に促すことで生まれます。例えば、以下のようなバランスです：
- ニューヨークの高齢者ケア |私たちは居住体験においてニューヨーク市でナンバーワンです
- マンハッタンの配管工 |ニューヨーク全土で年中無休の緊急配管工事
- 拡張建築士 NYC |隠れた料金のない固定料金の住宅拡張
- カーペットクリーニング ニューヨーク | 99ドルの固定料金サービス
要素3. コンバージョンに最適化されたファーストビュー
Web サイトのホームページは、他の内部ページと比較して、デザイナーにたくさん手をかけてもらえる傾向があります。しかし実際のところ、多くの人は最初にローカル・ランディング・ページから Web サイトを見つけ、ホームページすら見ずに検索目的を満たしている可能性があります。
このため、最高のユーザー エクスペリエンスとコンバージョンの可能性を念頭に置いて、ローカル・ランキング・ページを設計することが重要です。
誰かがあなたのロケーションページにアクセスすると、すぐに「スクロールせずに見える範囲（ファーストビュー）」の領域が表示されます。これは、訪問者が画面をスクロールする前に表示される領域全体を指すものであり、コンバージョン可能性の宝庫です。
たとえば、パリス法律事務所のWebサイトにある、カリフォルニア州ランカスターでの自動車事故相談ページの場合、訪問時スクロールせずに見える部分は次のようになります。
これが信頼感を特に刺激しないことに気づきましたか？行動喚起ボタンも背景に隠れて見えにくく、視覚的に優勢なコンテンツは、訪問者が他の会社ではなくパリス法律事務所を選ぶ理由をアピールしていません。
次に、ファーストビューの印象をパリス法律事務所のホームページと比較してみましょう。このホームページには、依頼者のレビュー、これまでの実績、メディアによる同社の業績言及、創業年数など、信頼性とコンバージョンに最適化されたシグナルが数多く含まれています。
これらの要素が、先ほどのランカスター自動車事故のような、各ページのデザインに同じぐらいの注意が払われていないことは明らかです。
通常、ユーザーは （ランカスター 法律事務所などの）Google 検索ですぐにロケーション・ランディング・ページにアクセスするため、ファーストビューの時点でユーザーの注意をページに留め、予約や電話相談といったコンバージョンを促すように設計する必要があります。
ロケーション・ランディング・ページのコンバージョンを高めるには、次のことを考慮しましょう：
- 独自のセールスポイントを強調する。コンテンツとデザイン要素を使って、「なぜ、当社を選ぶべきか」相違点を際立たせましょう。
- 集計したレビューを紹介しましょう。FaceBook、Yelp などのサードパーティ プラットフォームから、レビューを埋め込むことができます。※フルスピード注：レビューの埋め込みは各プラットフォームによって規約を確認し、許可されている場合のみ埋め込むことをお勧めします。
- 検索者の意図に応えましょう。ユーザーがオフラインで購買行動（バイヤーズジャーニー）を継続する可能性がある場合は、それに対処し、簡単に行えるようにしましょう。※フルスピード注：電話のCTAボタンを設置する、店舗へのアクセスやランドマークをわかりやすく説明する、看板写真を掲載することなどが挙げられます。
- 実際にその地域に拠点を置いていることがわかるようにしましょう。ローカルビジネスを検索している人の多くは、自宅や今いる場所から近くのお店を選択します。
- 行動喚起を明確にしましょう。行動を促すボタンを明確に設置し、適切な文章で検索者の行動喚起をサポートしましょう。
これらの要素は、SEO のためだけに作ってはいけません。検索ユーザーを顧客へ変換するために、意味のあるコピーや設計にしましょう。※フルスピード注：SEOコピーライティングの記事翻訳版はこちら。
要素4. 地図とオリジナル写真の追加
「語らずに見せる」は強力なアドバイスで、ロケーション・ランディング・ページにも驚くほど効果があります。自分がその地域でビジネスをしていると言うのは簡単ですが、消費者は不誠実または操作的なマーケティングに対する不信感を強めてもいます。
この項目では、ローカルでの存在感をアピールするために、ページデザインへの追加を検討すべき要素をいくつか紹介します。
ビジネス拠点の地図を追加する
オフィスや実店舗がある場合は、現在地を示すピンが付いた地図（Googleマップ）を追加しましょう。
特定の地域で事業を行っているものの実店舗がない場合は、代わりに、Plain Palletsの以下スクリーンショットのように、サービス提供エリアを強調表示する地図を追加しましょう。
1 つのエリアに物理的な拠点がありながら、近くの場所（学区など）にも接続している学校のような運営形態の場合は、車でのルート案内を含む地図をサイトに追加してみましょう。
または、あなたの拠点が「Y エリアからわずか X 分」であることを、その場所に到達するための最適な方法とともに紹介することもできます。
※フルスピード注：最寄り駅の○口から徒歩何分、車の場合国道○号から何分、といったアクセスの説明も推奨されます。
施設や拠点の画像を追加する
本物の写真は、ストック画像よりもはるかに説得力があります。たとえば、Sheen Panel Servicesのこの画像には、牽引サービスを提供しているトラックが含まれています。また、この写真にはブランドのロゴや連絡先情報もトラックのペイントとして含まれており、会社が提供するサービスを1枚の画像で表現しています。
別の牽引会社が掲載しているストック画像と比較してみましょう。この画像は、ページ内容やサービスで得られる体験に価値を追加するものではなく、訪問したほとんどの人に無視される可能性があります。また、記載されているコンテンツやサービスの詳細は画像で推測することもできません。
Sheen Panel Servicesを例として、地域の信頼性を強化し、オンラインでもより多くの信頼を獲得するために、ロケーション・ランディング・ページに追加できる画像のアイデアを紹介していきましょう。
拠点の外観画像：ブランドロゴが含まれる写真が理想的
このようなタイプの写真は、顧客がその場所まで移動して来店する必要がある店舗やビジネスに最適です。以下の例のように、施設の外観全体と、ロゴがはっきりと見えるように写真へ収めるのが理想的です。
受付エリアがわかる内部写真
受付エリアとフレンドリーなスタッフを映した画像は、潜在的な顧客に対し、来店前の時点で暖かい雰囲気を醸し出すことができます。以下の画像のように、ロゴと笑顔の制服を着たスタッフを紹介するのが理想的です。
現場で働く各チームメンバーの写真
各拠点のスタッフ画像を追加すると、オンラインとオフラインの間に親近感と連続性が生まれます。このような画像は、いくつかの異なる方法でロケーション・ランディング・ページに含めることができます。
Sheen Panel Service のようなビジネスの場合、以下の画像のように、サービスが提供されるエリア（牽引車の整備・修理エリア）でチームメンバーを撮影してみましょう。
あるいは、さまざまなオフィスに勤務する現場スタッフと仮想スタッフが混在するプロフェッショナル サービス会社や企業は、Liston Newtonの次のような顔写真を掲載することで、「依頼したい」「相談したい」とコンバージョンの恩恵を受ける可能性があります。
サービス提供時の写真：関連する内容や詳細がわかること
さまざまなサービスを行う、チームのクローズアップ写真や詳細がわかる写真は、非常に役立ちます。特定のサービスに関するコンテンツにこうした画像を掲載することで、説明内容と実際のサービス提供イメージとのギャップを埋めることができます。
また、「正確でしかない」平凡なストック画像を探す代わりに、実際にサービスはどのように提供されるかを適切に示すこともできます。
Sheen の Web サイトを例に挙げると、以下の画像のように、制服を着たスタッフが写真に写っており、背景であってもその画角には自社のブランドロゴが含まれているような構図で撮影してみましょう。
ビデオ、または仮想 360° ツアーを追加する
ビデオと仮想 360° ツアーにより、Web サイトの訪問者は静止画像以上のものを感じることができます。たとえば、以下のGIFビデオでは、Bax Clean がさまざまな窓掃除サービスを提供する方法を動画でわかりやすく紹介しています。
Webサイトの訪問者はほんの数秒で、チームの細部へのこだわり、高層ビルの窓の清掃能力、天窓や屋上の窓の清掃能力などを確認できます。
ビジネスにとって意味があるのであれば、仮想 360°ツアー（バーチャル ツアー）も検討する価値のある選択肢になるかもしれません。不動産マーケティング会社である Matterport の例は、それをよく表しています。
同社は、クライアントがオンラインでさまざまなタイプの展示住宅や物件を紹介できるように、バーチャル ツアーのコンテンツを公開しています。
要素5. その地域で利用可能なサービスへのリンクや言及を追加する
各地域で提供するサービスに、内部リンクや言及を追加すると、以下のようなことが可能になります：
- ユーザーが検索している「サービス + 場所」のキーワードをターゲットにすることで、これらのサービスのローカル検索最適化を高められます。
- 各地域でこのブランドはどのようなサービスを提供しているのか、サイト訪問者へ正確に伝えることができます。
- ローカル市場で利用可能なカスタム情報、割引、オファーを追加することで、訪問者が最も関心のあるものに優先順位を付けることができます。
サイト設計の観点からは、訪問者をその場所の専用サービス ページに誘導する内部リンクコンポーネントの使用をおすすめします。※フルスピード注：内部リンクSEOの記事翻訳版はこちら。
または、ページ上に各サービスに関するコンテンツを追加することで、その地域で利用可能なすべてのサービスのロケーションページを間接的に検索結果へ順位付けさせることもできます。
要素6. 社会的証明、レビュー、認定の掲載
オンライン上で自分の信頼性を証明することは、ますます重要になっています。信頼性を判断する 1 つの方法は、経験、専門知識、権威性、および信頼性 ( EEAT ) シグナルを介することです。
Google が信頼できるコンテンツの優先順位に引き続き注力しているため、これらのシグナルはSEO にとっても重要になってきています。
ロケーションページに追加することを検討すべき、 EEAT と信頼性の要素は次のとおりです：
- Google レビュー、FaceBook、Yelp などのサードパーティ プラットフォームからの総合評価。
- サッカー スタジアムの芝生の FIFA 認定など、 業界の認定と認証。
- ISO 認証や業界固有のライセンスなど、政府発行の評価またはライセンス。
- 住所、連絡先、営業時間などの位置情報。
- 業界の経験と専門知識を紹介する現地スタッフの詳細。
- ビジネスや Google ビジネス、FaceBook、X、LinkedIn などのソーシャル プロフィールへのリンク。
- ビフォーアフターの写真、サービス完了後の結果、ケーススタディ、地元でサービスを依頼したクライアントの成功事例。
まとめ
Google は、信頼できるブランドを明らかにすることに引き続き重点を置いているため、ランクを維持し続けるロケーション情報ページを再考することが求められています。
大切なのは、皆さんのビジネスWebサイトにおけるロケーションページ戦略を、大量生産されたドアウェイページから、有益でローカライズされた情報を提供する、信頼性の高いページ群へと変革することです。
この移行は Google の基準を満たしており、特に企業が地域コミュニティに最適なサービスを提供できる方法を（伝えるのではなく）正確に表現し始めているため、ユーザーにとってより魅力的で信頼できるスペース（検索結果）が作成されることに繋がります。
この記事について、質問や共有したいロケーション・ランディング・ページに関する情報がある場合は、著者のLinkedInまでお問い合わせください。
著者プロフィール
Despina Gavoyannis（ゲストライター）
Despinaは、B2B、eコマース、SaaS、およびナショナルブランドを成長させた8年以上の経験を持つシニアSEOコンサルタントです。彼女は根っからの楽天家で、毎日、人生の明るい兆しを楽しむことに時間を割いています。著者LinkedIn
