SEOの競合分析をするには?競合サイトの見つけ方や調査方法を解説

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この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:How to Do an SEO Competitor Analysis
(著者:Si Quan Ong / 原文の最終更新日:August 1, 2023)
※フルスピード註:この記事は2023年8月1日時点の記載をもとに翻訳、追記して再公開しています。Ahrefs社ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。

競合他社のサイトは、自社サイトの検索エンジン最適化(SEO)戦略を改善するために活用できる情報の宝庫です。

この記事では、SEOを行うにあたって欠かせない、競合分析とは何かを解説し、競合サイトの見つけ方や分析方法を学ぶことができます。

SEOの競合分析とは?

SEOの競合分析とは、競合他社サイトがどのようなSEO戦略を行っているのか、詳しく調べることを指します。SEOにおける競合分析の目的は、競合サイトの長所と弱点を見つけて、自社サイトが彼らを上回るようにすることです。

なぜ、SEOでは競合分析をするべきなのか?

SEOを行うにあたって競合分析をすれば、次のことができるようになります:

  • 自社が所属する業界でどのような施策がうまくいき、どれがうまくいかないのかを学べるため、SEOの間違いを避けることに繋がります。
  • 競合サイトの弱点を利用したSEOの施策を実行しやすくなります。
  • 競合サイトが持つ強みを再現しやすくなります。
  • 今後、自社サイトではどのSEO施策を優先すべきか、理解できるようになります。
  • 競合サイトに(順位やトラフィックなどで)勝つことが、いかに難しいかを理解できます。

SEOの競合分析は、いつ行うべき?

以下のいずれかに当てはまる場合、皆さんはSEOの競合分析をするべきでしょう:

  • 新しくWebサイトを公開したとき。
  • SEOを行う予定であり、戦略を計画しているとき。
  • 競合サイトが自社サイトを(検索結果などで)上回っているとき、または自社サイトで注力しているキーワードの順位が下がっているとき。

SEOの競合分析を行う方法

このプロセスを解説するにあたり、新しいインフォグラフィック デザインツールを公開している企業の場合と仮定してみましょう。ここで取り上げる、仮想のSEO競合分析は以下のような手順で行います。

1. SEOの競合サイトを特定する

SEOの競合サイトとは、目的としているキーワードのGoogle検索結果において、オーガニック検索(訳者注:広告ではない検索結果)の中で競合しているWebサイトを指します。これらの競合サイトは、実際のビジネスにおいて直接の競合他社と同じではない可能性があります

たとえばHubSpotは、インフォグラフィック デザインツールというビジネスにおいて、直接の競合相手ではないにもかかわらず、「インフォグラフィック 作り方」というキーワードで上位表示しています。

SEOの競合サイトを簡単に、すばやく特定する方法は次のとおりです:

  1. Ahrefsのサイトエクスプローラーにアクセスしましょう
  2. 自社サイトのドメインを入力してください
  3. 左サイドバーの「オーガニック競合他社」レポートに移動します

このレポートには、先ほど入力したあなたのWeb サイトと同じキーワードで、Google検索の上位10件にランクインしている競合サイトが表示されます。 

これらは、おそらくSEOの競合サイトです。

あなたが運営しているWebサイトがまだ新しい場合、「オーガニック競合他社」レポートでは満足する結果が得られない可能性があります。※訳者注:Ahrefsのオーガニック競合他社レポートは、ある程度時間の経ったWebサイトでないと、データが取得されない可能性があります。

この場合、代わりにできる競合サイトの探し方は次のとおりです:

  1. Ahrefsのキーワードエクスプローラーにアクセスしましょう
  2. 潜在的な顧客が、自社の製品やサービスの検索で使いそうなキーワードを、いくつか入力してください
  3. キーワードエクスプローラーの「ドメイン別トラフィックシェア」レポートに移動します

今回の「インフォグラフィック デザインツール」企業に関するキーワードエクスプローラーを使った例では、潜在的な競合サイト上位5件は、Canva、Visme、Venngage、Piktochart、Adobeなどのサイトだとわかります。

プロのヒント
Adobe や Canva などの企業は、通常、ドメイン評価(ドメインレーティング、略称:DR)が高い有名なブランドです。DRとは、 Web サイトの信頼性を推定するAhrefsの指標です。これにより、彼らは競争上の優位性を得ることができるため、より深く競合分析をする場合は、DRの高いWebサイトは除外することをお勧めします。 

競合する各ドメインをサイトエクスプローラーで個別に分析するか、すべての競合ドメインをバッチ分析ツールでまとめて分析すれば、各サイトのDRを確認できます。

今回の例では、自社サイトがDR50程度であれば、Adobe や CanvaといったDR90超えのサイトではなく、Visme、Vengage、Piktochart などのサイトと競合できる可能性があります。

2. 競合サイトがトラフィックをどうやって得ているか調査する

競合サイトがどうやってトラフィックを獲得しているか知るには、競合サイトの構造を調べ、検索トラフィックのほとんどはどこに向かっているのかを理解しましょう。 

競合サイトの構造を確認する方法は次のとおりです:

  1. Ahrefsのサイトエクスプローラーに移動します
  2. 競合サイトのドメインを入力してください
  3. サイト構造」レポートに移動しましょう

たとえば、今回の例では競合サイトとなるVenngageの場合、「テンプレート 」サブフォルダの推定月間検索トラフィック数が260,000件あります、これはVenngageのオーガニック検索トラフィック全体のうち、9.9%に相当することがわかります。

「テンプレート 」サブフォルダをクリックして、1階層下の部分を確認すると、Venngageが提供するテンプレートコンテンツのうち、最も多くトラフィック得ているものがどれなのかわかります。

このことから、パンフレットやインフォグラフィックのテンプレートを作成することは、Venngageの競合ツールにとって、完璧なSEOの機会であることがわかります。 

参考文献

SEOの競合分析でお困りではありませんか?
この記事を翻訳している株式会社フルスピードは、約20年にわたり5,500社以上の企業様へSEOサービスを提供してまいりました。ご相談は無料。お気軽にお問い合わせください。
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3. 競合分析で「コンテンツ ギャップ」を見つけて埋める

コンテンツ ギャップ(キーワード ギャップとも呼ばれます)とは、競合サイトがランクインしているのに、自社サイトはランクインできていないキーワード(それに注力しているコンテンツ)のことです。※訳者注:自社サイトと競合サイトのコンテンツを比較して、ギャップ(差)を調べることをさします。 

Webサイトのコンテンツ ギャップを見つける方法は次のとおりです:

  1. Ahrefsの競合分析ツールにアクセスしましょう ※フルスピード注:Ahrefsの有償プランをご利用の方のみアクセスできます。
  2. 「ターゲット」セクションに自社ドメインを入力します
  3. [競合他社]セクションに、競合サイトのドメインを入力します
  4. 「比較(Comapre)」ボタンをクリックします
  5. コンテンツギャップレポートをクリックして確認します

「トップストーリー」や「イメージパック」などのSERPフィーチャーで競合サイトがランクインしているデータを除外するには、以下スクリーンショットのように、「メインポジションのみ」をクリックしてオンに切り替えます。

レポートに目を通し、自社サイトに関連するキーワードを特定しましょう。

たとえば、「インフォグラフィック 例」は、自社サイトのコンテンツ作成に使えるキーワードのように見えます。

プロのヒント
キーワードが多すぎて調べきれなかったり、ほとんど無関係に見えたりする場合は、[競合他社の掲載順位]ドロップダウンをクリックして、すべての競合他社をチェックしましょう。これにより、すべての競合他社が上位10件にランクインしているキーワードだけが表示されます。

参考文献



4. 競合サイトのフィーチャードスニペットを分析する

フィーチャードスニペットとは、Googleがそのキーワードで上位10件にランクインしたページから抽出した、検索結果内で回答を表示する枠のことです。 

上位10件にランクインしている競合サイトが、どのキーワードでフィーチャードスニペットを表示しているのか見つけることができれば、これらのフィーチャードスニペットを「盗める」可能性があります。 

競合サイトがどのキーワードでフィーチャードスニペットとして表示されているか知るには、次の手順で分析しましょう:

  1. Ahrefsの競合分析ツールに移動します ※フルスピード注:Ahrefsの有償プランをご利用の方のみアクセスできます。
  2. 「ターゲット」セクションに競合ドメインを入力します
  3. [競合他社]セクションに自社ドメインを入力します
  4. 「比較」ボタンをクリックします
  5. コンテンツギャップレポートをクリックします
  6. SERPフィーチャーフィルターを「ターゲットがランクインしている場所」に設定し、「フィーチャードスニペット」にチェックを入れます
  7. ターゲットの順位を「No」から「Any(任意)」に設定します

レポートに目を通し、自社サイトがフィーチャードスニペットを取得するために、既存ページを最適化できるキーワードがないかどうかを確認しましょう。

たとえば、Vengageは、「ポスターの作り方」というキーワードで、手順リストとしてフィーチャードスニペットを持っています。

このキーワードを自社サイトでもターゲットにしている場合は、既存ページを再最適化し、H3の見出しタグを作り、番号付きの箇条書きタグで明確な手順を追加する必要があります。

参考文献


5. 競合サイトはどの国からトラフィックを得ているか確認する

競合サイトがオーガニック検索トラフィックの大部分を獲得している国を知ることは、コンテンツを他の言語に翻訳、または作成することでより多くトラフィックを獲得できるかどうかを理解するのに役立ちます。

これを確認する方法は次のとおりです:

  1. Ahrefs のサイトエクスプローラーにアクセスしましょう
  2. 競合サイトのドメインを入力してください
  3. 「国別のトラフィック」セクションを見てください。

Venngage がトラフィックの大部分を獲得しているのは、米国であることがわかります。そのため、競争相手としては、当然英語のコンテンツに重点を置きたいと思うでしょう。 

ただし、メキシコ、フィリピン、ブラジル、インドなどの国にもチャンスはあります。ホームページやランディングページをスペイン語、ポルトガル語、タガログ語、ヒンディー語に翻訳できる可能性があります。これらの国から得るトラフィックを最大化するために、多言語ブログを立ち上げることもできます。

実際、Vengageはスペイン語など多くの言語でこれを行っています。

参考文献


6. 競合サイトとの被リンク ギャップを見つける

リンクはGoogleの重要なランキング要素です。一般的に言えば、リンクが多いほどGoogle(場合によっては他の検索エンジン)での検索順位も高くなります。

競合サイトがどのようにリンクを獲得しているかを把握できれば、同じ戦略を再現できる可能性があります。

その方法は次のとおりです。

  1. Ahrefs のサイト エクスプローラーに移動します
  2. ドメインを入力してください
  3. リンク交差」レポートに移動します ※フルスピード注:現在は競合分析ツールに統合されています
  4. 上部のセクションに、競合サイトのドメインを入力します
  5. 下部のセクションに、自社サイトのドメインを入力します
  6. 「リンクの機会を表示(Show link opportunities)」ボタンをクリックします

このレポートには、競合サイトにはリンクしているけれど、自社サイトにはリンクしていないWebサイトが表示されます。

自社サイトにとって価値がありそうな、簡単に複製できるリンクを探すとよいでしょう。 

たとえば、cnet.comの番号をクリックすると、競合サイトが「試してみる価値のあるツール」としてページにリストされていることがわかります。

これらのサイトと競合している場合は、自社サイトのツールをCNETにも追加するよう、お願いすることをお勧めします。

参考文献


7. 局所的な「リンクベイト」のチャンスを調べる

Googleで上位表示したい場合、リンクは重要です。しかし、「お金のページ(訳者注:購入や取引につながるページ)」には価値がないため、人々にあなたの「お金のページ」にリンクしてもらうのは難しい場合があります。 

この問題は、リンクベイトを作成し、リンクベイトが引き寄せる「権威」を、最も重要なページに再分配することで解決できます。これは、検索エンジンでの表示順位を上げるのに役立ちます。

優れたリンクベイトのアイデアを見つけるには、競合サイトの被リンクプロフィールを分析し、競合他社にとって効果的なものを利用することです。

それらを見つける方法は次のとおりです:

  1. Ahrefs のサイト エクスプローラーに移動します
  2. 競合サイトのドメインを入力してください
  3. Best by links」レポートに移動しましょう

このレポートには、競合サイトのコンテンツの中で、どのコンテンツが最も多く被リンクを持っているかが表示されます。リストに注目して、どのような形式やトピックのコンテンツが、あなたの業種や分野で共感できるかを確認してください。

たとえば、統計を紹介する投稿は、Venngageでうまく機能しているとわかります。

参考文献

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8. 競合サイトのリンク切れページを見つけて「奪う」

競合サイトが被リンクを持ちながらリンク切れの「壊れた」ページがある場合、次のことができます。

  • 自社サイトに、代替品として機能するコンテンツを公開しましょう。
  • 無効なページにリンクしている全員へ、代わりに自社サイトへリンクするよう依頼してください。

被リンクがありながら、リンク切れの競合ページを見つける方法は次のとおりです。

  1. Ahrefs のサイト エクスプローラーに移動します
  2. 競合他社のドメインを入力してください
  3. Best by LInk」レポートに移動しましょう
  4. HTTP コードフィルターを404 not foundに設定します

これにより、競合サイトの中にある、被リンクを持ちながら404ステータスのページがすべて表示されます。レポートに目を通し、複製できる可能性のある関連ページがあるかを確認しましょう。 

たとえば、ゲシュタルト設計原則に関するこの投稿はまともなようで、33個のサイトがリンクしています。

キャレットをクリックし、「Archive.org で表示」をクリックします。 

これにより、 Wayback Machineのページが開き、過去の様子を確認できます。

それを改善して、代わりに人々にリンクしてもらうことができる可能性があります。これを行う方法については、以下のガイドに従ってください。

参考文献


9. 競合サイトのCore Web Vitalsを確認する

Core Web Vitalsは、ユーザー エクスペリエンスを測定するために使用される Google のページ エクスペリエンス シグナルの一部です。これらはGoogle のランキング要素です。 

そのため、全体的なテクニカルSEOの健全性と併せて、彼らのCore Web Vitalsを確認し、あなたスコアと比較したいと思うでしょう。

この分析は、競合他社のページを 1 つずつPageSpeed Insightsに入力することで実行できます。

この作業は面倒かもしれません。したがって、より良い方法は、Ahrefsのサイト監査を使って競合ドメインのクロールを実行し、PageSpeed InsightsのAPIを繋いで、他のテクニカルSEOに関する問題とともに、競合サイトのCore Web Vitalsを確認することです。

参考文献


10. 競合サイトが有料検索でどのキーワードに入札しているかを確認する

競合サイトが有料検索で特定のキーワードに入札している場合、そのキーワードは収益を上げている可能性があります。

競合が入札しているキーワードを確認する方法は次のとおりです:

  1. Ahrefsのサイトエクスプローラーに移動します
  2. 競合サイトのドメインを入力します
  3. 有料キーワードレポートに移動します
  4. キーワードフィルターに、「キーワード:[ブランド名] を含まない」を追加して、ブランドキーワードを除外したレポートを表示します。※フルスピード注:以下スクリーンショット、オレンジ色の枠を参照。

このレポートを確認することで、キーワード調査中に見逃した可能性のある、競合サイトが入札している、少量でもコンバージョン率の高いキーワードを発見するのに役立ちます。※フルスピード注:キーワード調査ガイドの翻訳記事はこちら

たとえば、次のようなキーワード(パンフレット メーカー)を自社サイトでも狙うのがよさそうです。

11. 競合サイトのPPC広告からLPやコピーを学ぶ

Google は、より低いクリック単価(CPC)で、より関連性の高い広告に報酬を与えます。そのため、競合にとっては、その競合サイトの広告が確実にクリックされることが利益に繋がります。

通常、これは見出しと説明が改善されることを意味します。これらをインスピレーションとすることで、自社サイトでもクリックスルーを増やすタイトル タグや、メタ ディスクリプションを作成できます。

競合サイトが有料検索で出稿している広告コピーを確認する方法は、次のとおりです。

  1. Ahrefs のサイトエクスプローラーに移動します
  2. 競合サイトのドメインを入力します
  3. 有料キーワード」レポートに移動します
  4. 自社サイトでも有料検索で入札したいキーワードの横にある、虫眼鏡アイコンにカーソルを合わせましょう。※フルスピード注:以下スクリーンショット参照。

このスクリーンショットは、(仮想の競合としている)Vengage がキーワード「インフォグラフィック デザイン」で入札している、現在の広告コピーです。クリックを集めるため、「カスタマイズ可能」、「たった数回のクリックで作成」、「デザイン ウィズ」などの言葉を使用しているようです。 

これらは、自社サイトでも有料検索広告を作るときに、独自のタイトルタグやメタディスクリプションを考える、便利な追加アイデアとなる可能性があります。

参考文献


まとめ

今回紹介したSEO競合分析の方法は、氷山の一角にすぎません。他にもできる競合分析はありますが、最初に競合分析を始めるには、これで十分です。 

私たちのアドバイスは、今回ご紹介したプロセスを実行し、そこから得られたインサイトをSEO戦略に適用することです。やはり実行が大事ですね。

著者プロフィール

ご質問やご意見はありますか?Twitterまたはスレッドでお知らせください。

Si Quan Ong
コンテンツマーケッター @ Ahrefs 。私は過去 6 年間デジタル マーケティングに携わっており、アジアで開催される業界最大のカンファレンスのいくつか (TIECon および Digital Marketing Skill Share) で講演しました。また、個人のブログで書籍の概要をまとめています。

貢献者:Joshua Hardwick

  • ・コンテンツが少なく、Webサイトのアクセスが伸びない。
  • ・競合サイトに検索順位で後れを取っている。
  • ・リンク獲得ができず、Webサイトが評価されない。
  • ・お問合せや資料請求のコンバージョンが増えない。

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