2024年のSEOトレンド:事実とフィクションを区別しよう

SEO

この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:SEO Trends 2024: Separating Fact From Fiction
(著者:Chris Haines、Reviewed by Ryan Law / 原文の最終更新日:May 29, 2024)
※フルスピード註:この記事は2024年5月29日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs公式ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。

Google が検索結果を絶えず変更しているため、SEO 担当者は最新SEO トレンドの最先端を維持するしかありません。しかし、これほど多くのトレンドがある場合、どれに従うべきで、どれを「no follow」にすべきなのでしょうか?

この記事では、Ahrefsのデータを使って、最も検索されている SEO トレンドをいくつか見つけ、それらに対応する価値があるかどうか、著者である私の意見を共有します。

SEO トレンドは通常、ガートナーのハイプサイクルに少し似ている、よく知られたサイクルに沿っています。

しかし、多くのトレンドが(幻滅期を終えた後も)続く中で、SEO トレンドのハイプサイクルは、啓蒙の傾斜や生産性の停滞を除けば、正弦波のように見えます。

なぜなら、正直に言えば、これまでのトレンドを終える前に、次のトレンドの熱狂に夢中になりすぎるのは非常に簡単だからです。

考慮すべきトレンドが非常に多いため、決定する前にそれらをよく確認しておくことをお勧めします。

それを実行するために、AhrefsのキーワードエクスプローラーにSEOトレンドのトピックを入力して、各キーワードで予測されるオーガニック検索トレンドのデータを確認していきましょう。

予測検索ボリュームは、Ahrefsに追加された新しい機能です。どのキーワードにも使用できますが、今後のキーワードボリュームがどう変わるかという機能なので、トレンドを見つけるのに最適だと思います。

補足:SEOのトレンドに関しては、検索ボリュームが必ずしもすべての情報を提供するわけではありませんが、そのトレンドに従う価値があるかどうか判断するのに役立ちます。

1. 「リンクはそれほど重要ではない」

SEOにしばらく取り組んでいる人なら、リンクが一般的にGoogle のランキング要素として最も重要なものの 1 つと考えられていることをご存知でしょう。

そのため、Google のGary Illyes 氏が最近ブルガリアの検索カンファレンスで「長年にわたり、私たちはリンクの重要性を低下させてきました」と述べたことに驚かれるかもしれません。

では、リンクはそれほど重要ではないのでしょうか? リンク構築よりも、他のことに重点を置くべきでしょうか? Ahrefsで調べたデータが、何を示しているか見てみましょう。

Ahrefs のデータによると、人々は依然としてリンク構築を検索しており、予測される検索ボリュームの傾向は安定しています。※訳者注:以下スクリーンショットの、青~オレンジ色のとなっているグラフで、オレンジ色の領域が予測される検索ボリュームの傾向です。

もちろん、Google がアルゴリズムにどのような重み付けをしているのかを正確に知ることはできませんが、リンク構築が依然として安定した予測傾向を持つ、人気のある月間検索キーワードであることは明らかです。

このトレンドに従うべき? — いいえ

リンクの重要性は、以前よりわずかに低下しているというのは事実かもしれませんが、Ahrefs などの SEO ツールを使ってSERPを見ると、トップパフォーマンスを出しているWeb サイトで、最も一般的に共有されているシグナルの 1 つがリンクであることは明らかです。

(それでもまだ納得できない場合は、バックリンクをTim Souloまでお送りください。)

リンク構築を始めるには、Ahrefsブログのリンク構築ガイドと Ahrefsアカデミーをチェックして、ビジネスのためにリンクを構築する方法を学んでください。

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2. 動画SEO

これまで以上に多くの人が動画形式のコンテンツを消費しているため、動画SEOを無視することは難しくなっています。

YouTube や TikTok などのプラットフォームは、ほとんどの動画コンテンツにおける拠点であり、検索者はこれらの特定のプラットフォームで SEO を行う方法を知りたいと考えています。

以下3つの検索用語について、検索ボリュームの傾向は非常に安定しているように見えます。

ビデオSEO(動画SEO)の検索ボリューム傾向:

YouTube SEOの検索ボリューム傾向:

TikTok SEOの検索ボリューム傾向:

YouTubeとTik Tok、どちらの動画プラットフォームも、SEOを意識したキーワードは安定した予測傾向を示しています。

このトレンドに従うべき? — はい

動画コンテンツを作成することが、Web サイトやビジネスへの関心を高めるのに役立つ方法であることは、驚くべきことではありません。

Ahrefsでは、動画コンテンツを真剣に受け止めており、YouTube で最も人気のある YouTube SEO チャンネルを構築しました。

また、SEO とAhrefs製品の使い方を理解するのに役立つ、Ahrefsアカデミーも運営しています。※訳者注:AhrefsアカデミーはAhrefsアカウント不要、かつ無料でAhrefsの使い方やSEOの学習ができます。表示言語は英語のみです。

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3. 音声検索

SEO のトレンドとして、これはすごいです。皆さんはこの記事を Google の音声検索で見つけましたか?

正直に教えてください…

はは!おそらくそうではないでしょう。しかし、それにもかかわらず、数年ごとに音声検索が再びトレンド前面に出て、人々は再び誇大宣伝を信じます。最新の例は、ChatGPTが新しい音声機能を発表した後のことです。

Ahrefsのデータを使ってこの検索傾向を見ると、検索ボリュームはそこそこあるにもかかわらず、しばらくは下降傾向にあることがわかります。

このトレンドに従うべき? — いいえ

ビジネスを音声検索向けに最適化しても、労力に見合う価値はありません。また、以下のショップのように全力を尽くしたとしても、それは実際に自分たちでも実行可能な SEO 戦略というよりは、PR活動にすぎません。※訳者注:「近くのタイ料理」という屋号にすることで、音声検索(とローカルSEO)を意識したと思われる例がこちら。

私はLinkedIn で簡単なアンケートを実施し、人々が音声検索をどのくらいの頻度で使用しているか調べました。

結果はかなり決定的なものでした:
※訳者注:ほとんどの回答者が「Never(全然使ってない)」と回答。

結論としては、最適化が簡単ではない SEO トレンドに、時間と労力を費やすことはあまり意味がないと言えます。

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4. コアウェブバイタル

コアウェブバイタル(Core Web Vitals、CWV)は、Webサイトのユーザーエクスペリエンスを測定するために、Google が作成した指標です。

これらを改善することで、サイト訪問者に優れたエクスペリエンスを提供でき、結果として Google によるWebサイトの評価(順位)が上がる可能性があります。

検索トレンドデータから判断すると、コアウェブバイタルへの関心は、過大な期待がピークに達した後、やや落ち着いています。

このトレンドに従うべき? — 状況によります

コアウェブバイタルは、Webサイトのユーザーエクスペリエンス指標のベンチマークに役立ちます。また、Ahrefsのサイト監査ツールに、コアウェブバイタルを取得する機能も追加されました。

しかし、時にはその重要性が誇張されすぎて、コアウェブバイタルで満点を取ることに執着してしまいがちだと思います。

このトレンドに従うべきかどうかについて、「状況による」と言ったのは、小規模な WebサイトよりもエンタープライズWebサイトのコアウェブバイタルを改善する方が、価値があると考えているからです。

コアウェブバイタルを使い始める場合は、以下のリソースをご覧ください。

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5. SGE – 現「AI Overview」

SGE(Search Generative Experience)は、ChatGPT に対する Google の回答です。検索結果の上部に表示され、検索クエリに対する生成的な回答を提供します。

これは次のようになります。この例では、フィーチャードスニペットの上に配置されています。

Ahrefs のデータを使って検索トレンドを調べてみると、このトピックへの関心は今後数か月でさらに高まることがわかります。

補足:この例では、SGE の検索トレンドは 2015 年から一貫しているのに対し、SEO でSGEという言葉が使われるようになったのは、最近であるとわかります。これは、以下のような SGE という言葉が持つ意味のバリエーションが、他にもあることを示唆しています。疑問がある場合は、必ず実際のSERPを確認してください。※訳者注:以下のように、SGEはイギリスの土木工事会社を指す場合もあります。

このトレンドに従うべき? — はい

SGE(現AI Overview)は、フィーチャードスニペットの強化版です。Google によると、検索の基本ガイドラインに従うこと以外、AI Overviewに表示されるために特別なことをする必要はありません。間違いなく注目すべきスニペットですが、検索キーワードとしてのトレンドは、「SGE」から「AI Overview」に移行する可能性があります。

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6. AI SEO

ChatGPTやその他のAIツールが登場して以来、従来のSEOプロセスにAIを組み込むことは、多くの SEO担当者にとって当たり前のことになりました。

では、効率を向上し、時間を節約するのに役立つツールを使わないのはなぜでしょうか?

Ahrefsのデータを使って調べてみたところ、AI SEOの検索は今後数か月間、比較的安定した傾向になると予測されることがわかります。

このトレンドに従うべき? — はい

AIがすぐになくなることはないと言っても、過言ではないと思います。

したがって、AIに反対する人は、今すぐSEO施策にAIを使うスキルを身につけて、効率を高めましょう。

どこから始めればよいかわからない場合は、Ahrefsブログの記事を参考にして、AI SEOのレベルアップに役立ててください。

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7. EEAT

EEAT は、経験(Experience)、専門知識(Expertise)、権威(Authority)、そして信頼性(Trustworthiness)を意味します。Googleは、Webサイトのページの信頼性を把握するために EEAT シグナルを使用していると述べています。

AhrefsでEEATの検索トレンドデータを見ると、この特定のトレンドは今後数か月で徐々に増加すると予測されているようです。

このトレンドに従うべき? — 状況による

EEATを完全に無視して上位にランクインしているWeb サイトは数多くあります。しかし、ほとんどの Webサイトの場合、James Brockbank氏が述べているように、EEATは評判管理だと考えるのが一番簡単だと思います。

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8. プログラマティックSEO

プログラマティックSEOとは、ほぼ自動化、または完全に自動化された方法で、所定のキーワードをターゲットにしたページを大規模に作成するプロセスです。

SEO担当者は長年にわたって大規模なページを作成してきましたが、プログラマティックSEOが、このトレンドを説明する最新の方法になりました。

Ahrefsのデータを使って調べてみると、この検索フレーズは今後数か月で上昇傾向になると予測されます。では、このキーワードに基づいて、トレンドに従うべきでしょうか?

このトレンドに従うべき? — 状況による

適切に実施されたプログラマティックSEOは、ビジネスにとって貴重な資産(アセット)となります。しかし、適切に実施されなければ、品質が低くスパムのように見え、ブランドの評判に悪影響を与える可能性があります。

Google のJohn Mueller氏は、プログラマティックSEOは時に「派手なスパムバナー」になる可能性がある、とまで言っています

Ahrefsブログで、コンテンツマーケティング ディレクターのRyan Lawさんが、WiseやZapierなどの大企業が、SEO戦略の一環としてプログラマティック SEO をどう活用しているかについて、記事を書いています。つまり、プログラマティックSEOは、確立されたWebサイトが、特定のトピックにわたって一貫したサイト訪問時のエクスペリエンスを作成したいとき、非常に役立ちます。※訳者注:Ryan氏の記事で紹介されているのは、タイトルや記事構成が一貫している、通貨換算ページやディレクトリページなどです。

また、Ahrefs自身でも、プログラマティックSEOを使用して/seo/for/ページのような(業種別SEOガイド)のページを作成しており、これまでのところ良好な結果が得られています。

したがって、次のプログラマティックSEOプロジェクトに時間とお金を投資する前に、キーワード エクスプローラーなどのツールを使って適切にキーワードを調査し、実際に使えるキーワードパターンを特定しておくことが大切です。

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9. モバイルページの高速化(AMP)

Accelerated Mobile Pages(AMP)は、モバイルデバイスでWebページを閲覧するとき、そのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを向上させるために Google が開発したフレームワークです。控えめに言っても、SEO関係者の間ではかなり物議を醸しています。

最も有名なのは、Barry Adams氏が「Google AMP は地獄に落ちていい」と宣言したことですが、その後もAMPがゆっくりと死んでいくのを見るのには非常に長い時間がかかっており、今もまだ終わっていません。

このトレンドに従うべき? — いいえ

私の意見では、AMPの時代はとうの昔に終わりました。

さらに証拠が必要な場合は、Wixのフレンドリーなチームでさえ、最近「焼き消す」ことを決定しました。

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10. 情報利得、インフォメーションゲイン

情報利得、またはインフォメーションゲイン(Information gain)とは、Google が特許を取得した方法で、コンテンツにスコアを割り当て、そのトピックを持つ他のコンテンツと比較して、そのコンテンツがどれだけユニークであるかを判断するものです。※訳者注:当記事では「インフォメーションゲイン」の表記で進めます。

インフォメーションゲインを得る最も簡単な方法は、自分の個人的な経験について書き、自分のユニークな視点を文章に盛り込むことです。

Ahrefsのデータによると、この傾向はソーシャルメディアでは頻繁に議論されているものの、検索ボリュームの点ではほとんど注目されていないようです。では、このSEOトレンドに従うべきでしょうか?

このトレンドに従うべき? — はい

わかります、皆さんが何を考えているかはわかります。なぜ検索ボリュームとしては下降傾向にあるトレンドに従わないといけないのでしょうか? その理由は、「インフォメーションゲイン」という用語が、SEO以外の分野で使用されていたためです。

Ahrefsでは、競合他社のコンテンツと差別化できる独自の価値を読者に提供するため、コンテンツ制作プロセスの刷新に多くの時間を費やしてきました。

私たちはコンテンツを作るときはいつでも、次の方法で読者にさらなる価値を提供するよう努めています:

  • サーベイ(情報収集)調査の実施
  • データ調査の実施
  • 専門家による見解の調達
  • 複雑な概念を分解するためにユニークなイラストや図表を作成
  • 動画コンテンツを文章コンテンツに統合

コンテンツにさらに力を入れるのは簡単なことではありませんが、それだけの価値があるのでしょうか? 私たちAhrefsがそれを行う主な理由は、AhrefsのWebサイト(とプロダクト)を使う人々にとって、より良い体験と永続的な印象を生み出すためです。これが売上を促進し、ブランドを構築するものだと私たちは信じています。

Sundar Pichai氏が応じた最近のインタビューによると、この課題こそ、現時点で最大の関心事であるようです。

「私たちが作り上げるこのコンテンツ エコシステムで、独創性、創造性、独立した意見を可能な限りの規模で評価し、それが繁栄するチャンスを与えるにはどうすればよいでしょうか?
それが私の考えです。それが検索チームの考えです。」

Sundar PichaiGoogle CEO

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最後に

どのSEOトレンドが時間と労力をかける価値があるかを理解するのは、それを裏付けるデータがなければ、少し賭けのように思えるかもしれません。

ただし、Ahrefsの検索ボリューム予測機能を活用すれば、あらゆるキーワードの長期的な見通しをより正確に把握できると思いますし、そのトレンドがSEO ハイプサイクルのどの段階にあるかを理解できます。これにより、そのトレンドに従う価値があるかどうかについて、より情報に基づいたビジネス上の意思決定を行うことができます。

この記事について、ご質問がありますか? 著者のXまでご連絡ください。

著者プロフィール

ChrisHaines

Chris Haines
Chrisは、代理店側でのSEOで10年の経験を持つ SEO ディレクターです。SEOに携わっていないときは、ビンテージシンセサイザーをいじったり、砂浜を散歩したり、おいしいお茶を飲んだりするのが好きです。著者個人サイト著者X(旧Twitter)著者LinkedIn

  • ・コンテンツが少なく、Webサイトのアクセスが伸びない。
  • ・競合サイトに検索順位で後れを取っている。
  • ・リンク獲得ができず、Webサイトが評価されない。
  • ・お問合せや資料請求のコンバージョンが増えない。

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