テクニカルSEO初心者ガイド:必須施策を徹底解説

テクニカルSEO

この記事では、検索エンジン最適化(SEO)の中でも重要な「テクニカルSEO」について、徹底的に解説します。 テクニカルSEOとは何か、どのように行えば良いのかをわかりやすく説明しますので、初めて学ぶ方もぜひご覧ください。

この記事は、このようなお悩みを持つ方におすすめです。

  • テクニカルSEOとは何か、ゼロから学びたい。
  • テクニカルSEOでは、何をどう最適化すれば良いのかを知りたい。
  • テクニカルSEO作業ができる技術者とコミュニケーションを取りたい。

テクニカルSEOを理解するには、検索エンジンがどのようにWebサイトの情報を取得し、検索結果(SERP)に表示するのかを知ることも大切。この記事では、初歩的なレベルから解説し、関連記事もご紹介していきます。

テクニカルSEOとは何か?

テクニカルSEOとは、検索エンジンがWebサイトを正しく理解し、効率的にクロール(巡回)して、検索エンジンのデータベースにインデックス(索引登録)されるようにするためのSEO施策です。 Technical SEO(技術的な、技術面のSEO)という言葉通り、技術的な検索エンジン最適化の施策が該当します。

テクニカルSEOの重要性と目的

テクニカルSEOの重要性を理解するには、先に検索エンジンはどのようにWebサイトを検索結果ページ(SERP)に表示しているのか、その仕組みを知ることから初めていきましょう。

検索エンジンは、クローラーと呼ばれるロボット(例:Googlebot)を使ってインターネットに公開されたWebサイトを巡回し、その情報をインデックスします。 インデックスされた内容に基づいて、ユーザーが検索をするごとに、そのクエリ(質問)またはキーワードの検索意図と一致するWebサイトを、検索結果に表示しています。

Webサイトが検索エンジンの検索結果(SERP)に表示されるまでの順序を簡単に説明すると、以下のようになります:

  1. Webサイトがインターネットに公開される。
  2. インターネットにあるWebサイトを、検索エンジンのクローラーが巡回する。またはサイトマップで送信したURLを、検索エンジンのクローラーが巡回する。
  3. クローラーが取得したWebサイトの情報は、検索エンジンにインデックスされる。
  4. 検索ユーザーは、何かを調べるためにクエリ(キーワード)を入力する。
  5. 検索エンジンは、クエリやキーワードの検索意図に沿って、インデックスの中から適切なWebサイトやページを検索結果に表示する。

テクニカルSEOは、特に1~3の場面で行っておくべき重要な施策です。検索エンジンのクローラーがスムーズにWebサイトを巡回し、正しくインデックスされるようにするための土台作りを担います。

たとえば、Webサイトを公開してもクローラーが読み取れないWebページが存在していたり、ほかのページへのリンク(内部リンク)がなかったりすると、クローラーが巡回できず検索エンジンにインデックスもされません。

インデックスされたとしても、今度はページの表示速度が遅かったり、モバイルデバイスで見づらかったりするとユーザーが使いづらいページとみなされ、検索結果に表示されにくくなってしまいます。

テクニカルSEOは、こうした問題を解決し、検索エンジンとユーザーの両方に快適なWebサイトを提供するために重要です。

テクニカルSEOとコンテンツSEOの違い:役割を整理

SEOについて学んでいる方は、「コンテンツSEO」といった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか? テクニカルSEOとコンテンツSEOは、どちらも重要な役割を果たしますが、優先するターゲットと役割が異なります。

テクニカルSEOは、主に検索エンジンをターゲットとして、Webサイトの技術的な側面を最適化します。これにより検索エンジンがサイトを正しく理解し、インデックスに登録させることが主な役割です。さらに、Webサイトの構造を改善したり、ページの表示速度を改善させたりすることで、検索エンジンだけでなくユーザーにとっても使いやすいWebサイトに最適化していきます。

コンテンツSEOは、主に、Webサイトを訪問するユーザーをターゲットとします。ユーザーにとって価値のあるコンテンツを公開することで、検索エンジンだけでなく人間であるユーザーにも評価されるコンテンツとして、特定キーワードでの検索順位を向上させ、トラフィックを増やす役割を担います。さらには、マーケティングにおける潜在層にブランドを認知させたり、顕在層には商品の購入や資料請求を決断させたりと、Webサイトを通じた成果を高めることも、コンテンツSEOの役割です。

両方がどのような役割を持つかを理解する例として、料理のレシピを提供するWebサイトをイメージしてみましょう。

このWebサイトにおけるコンテンツSEOは、次の要素を担います:

  1. 検索結果でクリックされやすいように「キーワードに沿ったレシピ」を説明するタイトルを付ける。
  2. そのページの中に、キーワードで検索されているレシピについて、わかりやすく手順のテキストが書かれている。
  3. そのレシピを視覚的に理解できる画像や動画が挿入されている。また、ユーザー自身がおいしい料理を作れるとイメージできるよう、魅力的な完成写真も掲載されている。

一方、テクニカルSEOとしては、次の要素を満たすことが求められます:

  1. そのレシピが書かれたページが、検索エンジンにインデックスされている。
  2. 検索結果に、そのページが表示されるようになっている(可能であれば、構造化データも実装されている)。
  3. ユーザーがPCまたはモバイルでそのページを読むとき、モバイルでも適切に表示され、読み込み速度が速い。

両者は密接に連携しており、どちらか一方のみを頑張って行っても、SEOとしての効果は限定的です。質の高いコンテンツ(コンテンツSEO)が充実しており、優れた技術面の土台(テクニカルSEO)があるからこそ、WebサイトのSEOは成果を出せるようになります。

テクニカルSEOは内部SEO?外部SEO?

テクニカルSEOは内部SEOに該当します。コンテンツSEOと同じくWebサイトの中身、特にhtmlやサイトマップといった技術面で最適化する施策であるためです。

また、「オンページSEO(ページ上のSEO)」や「ローカルSEO(MEOを含む)」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。さまざまなSEOがあって混乱する……という方のために、表で整理してみました。

項目内部SEO外部SEO
テクニカルSEO×
コンテンツSEO◎(オンページSEO)△(リンク構築と掛け合わせ)
ローカルSEO○(Webサイト、GBP)○(サイテーション)
リンク構築△(コンテンツSEOと連携)

誰かにテクニカルSEOを頼みたいという場合は、ぜひ株式会社フルスピードにご相談ください。SEOコンサルティングサービス「デフォイキ」で、テクニカルSEOを含めた総合的なSEOをご提案いたします。

クローラー最適化:検索エンジンがサイトを適切に巡回するための施策

ここからは、テクニカルSEOとして行う施策を解説していきます。「検索エンジンのクローラー向けの最適化」と「インデックス向けの最適化」に分けて、クローラー最適化とされる施策から見ていきましょう。Googleの検索セントラルもご覧いただくことをおすすめします。

XMLサイトマップの設置とrobots.txt設定:クローラーに的確な指示をする

XMLサイトマップとは、Webサイトの構造を検索エンジンに伝えるための地図のようなものです。そのため「sitemap(サイト マップ)」と呼ばれます。このファイルはxmlという拡張子で、通常「<ドメイン名>/sitemap.xml」という形でWebサイトのサーバにアップロードされます。

これにより、検索エンジンのクローラーに巡回して欲しいWebページを的確に指示でき、インデックスされるようになります。

robots.txtとは、クローラーがアクセスして良いページと、アクセスしてはいけないページを指定するためのファイルです。この記述を適切に行うことで、検索エンジンにインデックスしてほしい部分と、インデックスしてほしくない部分(会員専用ページなど)を指定することができます。

XMLサイトマップとrobots.txtの両方を設定することで、クローラーが効率的にサイトを巡回し、インデックスに登録されるようにします。 Google Search Consoleと連携させることで、サイトマップの送信がしやすくなり、効果的に行うことができます。

サイトマップとrobots.txtの関連記事は、こちらをご覧ください。

サイト構造の最適化:階層構造と内部リンクを適切に配置する

Webサイトの構造は、クローラーだけでなくユーザーである人間にとっても分かりやすい階層構造にすることが重要です。一般的には「深すぎる階層にしない」とされていますが、これはWebサイトの目的によって適切な階層の深さは変わります。UI/UXの観点から階層を考えることも大切です。

次に、内部リンクを戦略的に配置することも大切です。特定のキーワードで上位表示させたいページがある場合、それに関連するページは、対象ページに対して内部リンクを張る必要があります。また、Webサイトには存在するがどこにもリンクされていない「孤立ページ」をなくすことも、テクニカルSEOの施策では重要です(コンテンツSEOとして、内部リンク先を指定する場合もあります)。

そのページはどの階層にあるかをクローラーとユーザーにわかりやすく説明するために、パンくずリストを設置することも有効な施策です。

URLの最適化:クローラーの巡回効率を高める

URLは、Webサイトにあるページがそれぞれどのようなものかを端的に表すアドレスと言えます。一般的には短く、分かりやすいURLにすることが良いとされています。これはテクニカルSEOだけでなく、コンテンツSEOでも重要な考え方です。

なぜ、短いURLが良いのか:検索エンジンのクローラーがサイトをスムーズに巡回し、コンテンツを正確に把握できるようにするために重要です(これをクローラビリティと言います)。複雑なURLや多くのパラメータを含むURLは、クローラーが迷いやすく重要なページを見落とすリスクがあります。また、ユーザーにとっても短いURLは読みやすくなり、ナビゲーションが容易になります。

なぜ、分かりやすいURLが良いのか:検索エンジンが「このURLはどういう意味か」を理解するために重要です。英語など1バイトの文字で書くことが分かりやすいとされていますが、これはURLが1バイト文字かマルチバイト文字かで見え方が変わるためです。以下に、例を挙げてみましょう。

例:「サンプルサイト(exsample.com)のブログにある、テクニカルSEOカテゴリのページ」のURLを設計する場合。

  • 良い例:「exsample.com/blog/technical-seo/」⇒英語のみで簡潔に記述され、分かりやすい構成と言えます。
  • 好ましくない例:「example.com/ブログ/テクニカルSEO/」⇒日本語で読むとわかりやすいURLですが、日本語はマルチバイト文字であるため、URLエンコードがされない場所にこのURLをコピー・ペーストした場合「example.com/%2F%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%/B0%2F%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%ABSEO%2F」といったように、%混じりの分かりづらいURLになってしまいます。

このほかのURL最適化としては、後述する「重複コンテンツ対策:オリジナルページの価値を高める」で解説しますが、Webサイトのコンテンツが増え重複コンテンツが出てきた場合や、Webサイトの移行などが発生した場合、URLの正規化(canonicalタグの活用)や301リダイレクトも行う必要があります。

インデックス最適化:検索エンジンにコンテンツを正しく理解させるための施策

続いて、クローラーが取得したWebサイトの情報を、正しくインデックスしてもらうためのテクニカルSEO施策を見ていきましょう。一部の施策はコンテンツSEOの領域でも行う場合があります。

タイトル、メタディスクリプション、見出しの最適化

titleタグ(タイトル)、meta description(メタディスクリプション)、見出しタグ(h1~h6)は、検索エンジンがページの内容を理解する上で非常に重要です。検索結果に表示されるときの文字数に注意しながら、そのページを端的に説明する内容にしましょう。上位表示を目指したいキーワードを含めることも必要ですが、ユーザー体験も考慮してバランスの良い記述を心がけてください。

画像の最適化:alt属性、ファイル名、配置場所

ページの中に挿入する画像にはaltテキストを適切に記述し、画像ファイル名も分かりやすく命名しましょう。

たとえば、「目玉焼きのレシピ」というページで、レシピの手順ごとに画像を掲載する場合は「目玉焼きのレシピ-01-卵を常温にする.jpg」や、「目玉焼きのレシピ-05-目玉焼きの完成-さらに盛り付ける.jpg」といったように、その画像が何を表しているかを説明しましょう。

この施策は画像検索を意識したSEOにも有効ですし、ユーザーエクスペリエンス、特にアクセシビリティの観点からも重要です。コンテンツSEOとして記事を作成する場合も、この画像はこのファイル名と命名規則を設定することをおすすめします。

構造化データの記述:SEO効果とユーザー体験の向上

構造化データとは、SEOにおいては検索エンジンがサポートしている記述を行うことで、「リッチリザルト」に対応して検索結果を表示させることができるようになる、というものです。これは、生成AIによる検索結果への最適化(GEO)でも押さえておきたいポイントです。以下は、リッチリザルトとして「目玉焼きのレシピ」が検索結果に表示されている例です。

構造化データは技術的な知識が必要です。まずはGoogleの構造化データマークアップに関するガイドラインを読んで、自分のWebサイトでも実装できるかどうかを検討してみましょう。

重複コンテンツ対策:オリジナルページの価値を高める

重複コンテンツとは、Webサイトの中または外部サイトに、内容が同一または実質的に類似したコンテンツが存在する状態を言います。同じWebサイトの中に重複コンテンツがある場合、SEOにとってもリスクがあります。

ページ評価(URL評価)が分散してしまう:同じまたは似ているページがあるということは、それぞれが有益なコンテンツであった場合、読者であるユーザーは一つのページのみをリンクするのではなく、バラバラにリンクしてしまう可能性があります。その結果、1つのページだけが得られるはずであった被リンク評価が分散してしまうおそれがあります。

また、Googleなどの検索エンジンも、インデックスしたページの中に似たような内容のページが複数ある場合、どれを検索結果に表示すれば良いか迷いやすくなります。

これを正すにはURLを正規化(Canonicalタグなど)することによって「これが正しいページである」と示すことや、内容が似ているページを1つのページに統合し、他は削除したりインデックスから除外したり、301リダイレクトによって正しいページに移動させる、といったテクニカルSEOの施策が必要となります。

Ahrefsには、このような重複コンテンツを自動的にチェックするサイト監査という機能がありますので、活用してみましょう。

関連記事:「重複しています。google により、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されました」とは?

モバイルフレンドリー:あらゆるデバイスで快適な閲覧体験を提供

モバイルフレンドリーとは、スマートフォンやタブレットといった、パソコン(デスクトップ、ラップトップ)ではない端末でWebサイトが見やすいか、使いやすいかどうかを指すものです。

スマートフォンやタブレットでの閲覧が主流の現代において、モバイルフレンドリーは検索順位に影響するかどうかで判断するものではなく、必須施策として組み込まれているものと考えるべきでしょう。

Googleは、2024年7月5日から検索エンジンのクローラーを「スマートフォン用 Googlebot」のみにしています。もし、現在もモバイルフレンドリーではないWebサイトである場合は、CMSを変えたり、Webサイトのリニューアルを検討したりすることをおすすめします。

表示速度の改善:ユーザーと検索エンジンの両方に必要

ページ表示速度とは、ブラウザで表示するページの読み込み速度のことです。ページの読み込み速度が遅くなってしまうと、ユーザーにとっては「なかなか表示されなくて使いづらい」と感じ、ユーザーエクスペリエンスを損ないます。また、検索エンジンとしても読み込み速度が遅いページはユーザーエクスペリエンスが低いページと判断しやすくなりますので、SEOとしてはマイナス要因となります。

ページ読み込み速度を改善するには、まず現在の状況を知り、阻害要因を把握することです。Core Web Vitals指標を参考に、画像の圧縮、キャッシュ活用などの施策で表示速度を改善しましょう。 PageSpeed Insightsなどのツールを活用して、改善点を特定し、効果を測定しましょう。

Ahrefsが持つサイト監査というコアツールでは、ページ読み込み速度に関するSEOの問題も指摘してくれます。

まとめ :Webサイトの土台作りにはテクニカルSEOが必須

テクニカルSEOは、Webサイトの成功に欠かせない重要な要素です。 今回ご紹介した施策を一つずつ実践し、継続的に改善していくことで、検索順位の向上、トラフィックの増加、そしてビジネスの成功に繋がるでしょう。 

一方で、テクニカルSEOの施策は多岐にわたり、技術的な側面も強いものです。Ahrefsのような分析ツールを使って効率的に改善を図ることや、網羅的にWebサイトの課題を洗い出し、改善策を提案するSEOコンサルティングを検討されることもおすすめいたします。

  • ・コンテンツが少なく、Webサイトのアクセスが伸びない。
  • ・競合サイトに検索順位で後れを取っている。
  • ・リンク獲得ができず、Webサイトが評価されない。
  • ・お問合せや資料請求のコンバージョンが増えない。

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