この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:How to Gain SEO Experience & Improve Your Skills
(著者:Jenny Abouobaia、Reviewed by Mateusz Makosiewicz, Michal Pecánek / 原文の最終更新日:June 1, 2023)
※フルスピード注:この記事は2023年6月1日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs社公式ブログの記事は、今後追記・再公開される場合があります。
B2Bの分野だけでも、オーガニック検索と有料検索がWebサイトに送られる全トラフィックの 75% 以上を占めており、SEO が完全に消滅したわけではないことは明らかです。検索業界でキャリアをスタートしたい場合は、SEO のスキルと経験が必要です。
もちろん、新しい技術を学ぶことは気の遠くなるようなものです。業界の外部から見ている多くの人にとって、SEO はホグワーツ学校のデジタル魔術のようなものに見えるかもしれません。しかし、Google のアップデートや AI の進歩など、常に変化するこの業界では、SEO業界のOGでさえ、常に学んでいると語ります。
ですが、SEO の知識を共有することに特化したブログやYoutube チャンネル、学習コースは世にたくさんあり、検索業界でキャリアを始めるため、本当に必要な SEO のスキルや経験とは何かを知るのは難しい場合もあるでしょう。
この記事では、身に付けておくべきSEO の重要なスキルと知識について、また、SEOの仕事につながるための ポートフォリオを構築する方法と、 SEO の経験を積む方法を説明します。
学ぶべき必須の SEO スキルと知識
いくつかの注意事項から始めることが重要です。
まず、どんなに最良のガイダンスやアドバイスであっても、それが全員にとって適切であるわけではないことを理解しましょう。すべてのWebサイトは異なっています。したがって、それぞれに独自のニーズと求める機能や成果が存在します。Web サイトの種類や業界も、そのサイトに必要なものへ大きな影響を与えます。
2つ目に、身に付けておくべきSEOスキルと知識は、専門分野によって異なります。たとえば、コンテンツ スペシャリストは、最終的には何よりもオンページSEOに関する深い知識を必要とします。
ただし、皆さんがジェネラリストになるつもりかスペシャリストになるつもりかに関係なく、SEO のすべての要素を包括的に理解することは常に重要です。
SEOの基礎を学ぶ
SEO の基本要素を理解することは、SEO の経験を積みたいときに最も重要な側面の 1 つです。それがなぜ重要なのか、SEOの基礎には何が含まれるのかを見てみましょう。
キーワード調査
キーワード調査はSEOの基礎です。 SEO の経験を積みたい場合は、まず最初に理解すべきものです。
キーワード調査とは、皆さんがターゲットとしているユーザーが何らかの製品、サービス、情報を検索するときに、彼らはGoogle などの検索エンジンでどのような検索クエリを入力しているか、調べることを指します。
検索エンジンの主な目的は、ユーザーが入力した検索クエリに対して、最も関連性が高く役立つ回答を提供することであることに注意してください。Webサイトはキーワードを使うことで、ページを効率的に最適化し、検索エンジンはそのページにあるコンテンツが、ユーザーが入力したクエリに含まれる検索意図に対し、どのように適合しているかを理解できるようになります。
ローカル ビジネスの Web サイト、アフィリエイト サイト、趣味のブログ、どんなWebサイトでキーワードを調査し、作業するかは関係ありません。どのWebサイトかによらず、誰も検索していないトピックに関するコンテンツを作っても、検索エンジンからはそのコンテンツに対するトラフィックが得られなくなります。 ※フルスピード注:ローカルSEOのキーワード調査、アフィリエイト向けキーワード調査、ブログ向けキーワード調査の翻訳記事もあります。
これは、新興企業が犯す最大の間違いの 1 つです。多くの人はキーワード調査の必要性や重要性を理解していません。これが、インターネット上のページの 90.63% が Google からのトラフィックをまったく得ていないという調査結果の理由の 1 つです。※フルスピード注:調査結果の翻訳記事はこちら。
キーワード調査には次のようにさまざまな側面があります:
- シードキーワードを見つけ出す方法 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- ロングテールキーワードとショートテールキーワードを考慮する ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- キーワード分析を行う ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- キーワードマッピングをする ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- キーワードのクラスタリングを行う ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- キーワード調査ツールを活用する ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
Ahrefs のキーワードエクスプローラーは、キーワード調査の経験を積むのに最適なツールです。ロングテールキーワードの調査やキーワード マッピング、クラスタリングなどに役立ちます。
参考文献
- SEOのためにキーワード調査をする方法 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- 高度なキーワード調査:未開拓のキーワードを見つける5 つのヒント ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- SEO にとって最も重要な 8 種類のキーワード ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
オンページSEO
オンページ SEO の経験を積むことがいかに重要であるかは、どれだけ強調してもしすぎることはありません。テクニカルSEOやページ外SEOなどについては、専門家に依頼するのが一般的です。ただし、SEO 業界で働きたい場合は、オンページSEOとは何か、それがどのように機能するかを明確に理解する必要があります。
オンページ SEOとは、検索エンジンの検索結果ページ(SERP)でより高い順位を達成するために Web サイトのページを最適化することを言います。
オンページSEOを行うことで、Web サイトの制御可能な側面に取り組むことができます。場合によっては、たとえ小さくて基本的な変更であっても、Web サイトの順位に大きな違いをもたらす可能性があります。
オンページSEOがうまく機能すると、Google がそのWebサイトのコンテンツや、ページ間の関係、そのページが個々の検索クエリにどのように関連しているかを理解するのに役立てることができます。
一般的なオンページSEOには、次のようなものがあります:
- 関連するキーワードを含む、高品質で役立つコンテンツを作る。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- ページタイトルにH1 タグを使う。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- コンテンツ全体で見出しタグ(H2 ~ H6)を使う。
- 説得力のあるタイトルタグを書く。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- 検索意図に応じた メタディスクリプションを作る。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- SEO に適した URL を設定する。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- 画像を最適化する。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- 内部リンクと外部リンクを含める。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- フィーチャードスニペットのために最適化する。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- 構造化データを使ってリッチ スニペットの取得を狙う。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
オフページSEO(被リンク構築とブランディング)
オンページSEOとは異なり、オフページSEOは、Webサイト自体では制御できません。しかし、SERP での順位に影響を与える可能性のある側面に焦点を当てていきましょう。オフページSEOは、主にリンク構築とブランドマーケティング で構成されます。※フルスピード注:リンク構築の翻訳記事もあります。
Googleは、どのクエリに対して、どのページを SERP のどの順位にするか決めるとき、被リンク(バックリンク)などの外部要因を考慮します。
一般的なオフページSEOの手法には、次のようなものがあります:
- 競合他社のリンクを調べてそのリンクを奪う。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- ゲスト投稿をする。※フルスピード注:ゲスト投稿はnofollowであるべき、とGoogle検索セントラルに記載されていることにご注意ください。
- リソースページのリンク構築。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- デジタル PRのテクニックを駆使する。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- HAROなどの引用プラットフォームを使う。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- 業界関連のポッドキャストで紹介されるように努力する。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
これらのテクニックは、話題の関連性や検索エンジンでの権威性を促進することで、SERP でのランキングに影響を与えるのに役立ちます。
オフページSEO、特にリンク構築について詳しく知りたい場合は、Ahrefsアカデミーで公開している無料の上級リンク構築コースをご覧ください。
参考文献
- 被リンクを獲得する方法:追加、問合せ、連携、購入を比較 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- Pet Keen が月間300万以上のオーガニック検索トラフィックへ成長させるために行った、3つのリンク構築方法 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- 実際に機能する 6 つのリンク構築サービス(+避けるべきものも6つ紹介) ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
テクニカルSEO
テクニカル SEO は、検索エンジンが Web サイトを検索、クロール、インデックスできるようにするために、Web サイトへ技術的な改善を加えることを言います。 ※フルスピード注:テクニカルSEOの初心者向けガイド翻訳記事はこちら。
テクニカルSEOは非常に重要です。 Web サイトが技術的に健全であることを確認するのは、SEO の中核的な基盤です。
SEO の経験を積むとなると、初心者として高度な技術的タスクを実行することは期待できません。しかし、たとえばWeb サイトが確実にインデックスに登録されるということを理解し、実行することは、そもそも論としてWeb サイトが SERP に表示されることを意味します。
したがって、皆さんが技術的な専門家になりたくなかったとしても、最低限テクニカルSEO とは何か、どのような施策や作業が含まれているのか、それらが Web サイトにどのような影響を与えるかを理解することが重要です。
一般的なテクニカルSEOの要素としては、次のようなものがあります:
- クロールとインデックス作成 ※フルスピード注:クロールとインデックス作成の翻訳記事もあります。
- Webサイトのアーキテクチャ ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- robot.txt ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- サイトマップ ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- Canonicalタグ ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- Hreflangタグ ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- コアウェブバイタル ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
- Schemaマークアップ ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
重要な SEO ツールの使い方を学ぶ
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなど、すべての SEO担当者が把握すべき重要なツールがいくつかあります。これらのツールの仕組みと使い方を理解することは、Web サイトの SEO パフォーマンスを適切に評価できることを意味します。
ただし、主要なツールだけでなく、日々の SEO 業務を支援するいくつかの追加ツールを用意して学ぶことで、ハードに作業するのではなく、よりスマートに作業できることも知っておきましょう。
多くのSEOツールを使うことで、特定のタスク実行に必要な時間を大幅に短縮でき、スキルや専門知識が必要な領域に集中できる時間が増えます。また、SEOツールはタスクの自動化設計にも役立ちます。
たとえば、追加ツールとしてAhrefs のサイト監査(Site Audit)のようなものを使うことで、毎週または毎月のWebサイト監査自動で実行できます。このツールは、皆さんが運営するWebサイトのどこかで問題が発生した場合に警告を発し、その警告を通じて問題を詳しく調べるように促すのにとても便利です。
SEOの仕事をするにあたり、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleといった主要なツールに加え、スタックに含めておきたい追加ツールは以下のようなものです:
- Webサイト監査ツール
- キーワード調査ツール
- コンテンツ最適化ツール
- 順位追跡ツール
SEO業界で働くためにポートフォリオを構築する
SEO の仕事に就こうとすると、卵が先か鶏が先かという状況になる可能性があります。たとえば、フリーランサーとして働くことを考えている場合、実証済みのSEO経験がなければ誰も喜んで仕事を与えてくれません。しかし、まだSEOの仕事をしていなのに、どうやってSEOの経験を積めばいいのでしょうか?
フリーランスのクライアントを獲得せずにSEOスキルを向上させ、ポートフォリオの一部を構築できるようなWebサイトで働く方法は、いくつかあります。
個人プロジェクトを始める
最も簡単にSEOの経験を始める方法は、独自のデジタル資産を構築することです。ドメイン取得とホスティングだけで、Webサイトの構築を始めることができ、検索エンジン用に最適化するための作業を開始できます。
個人プロジェクトとしてWebサイトを立ち上げることは、SEO のあらゆる側面を試す方法になります。(自分のWebサイトであれば)誰かのオンラインビジネス用Webサイトをクラッシュさせることなく、間違いを犯して学ぶこともできます。また、自分がどの分野で働くことを好むのか、どのような側面で天性の才能があるのかもわかります。
業界で何年も働いた後でも、私はまだテスト目的のみでいくつかのサイトを運営しています。これにより、新しいことに挑戦し、何がうまくいくか、何がうまくいかないかを確認し、自分の技術を磨くことができます。
スキル交換でSEOの経験を積む
スキル交換は新しい手法ではありません。多くの場合、お返しに自分の時間やサービスを提供するだけで、双方が望むものを手に入れることができるため、お互いにとって有益です。
実際、スキル交換プラットフォームであるSkill Harborはその好例です。自分のニーズを投稿して、自分のスキルと別のスキルを交換してもらうことができます。
あなたが通っているジムに、Webサイトを作りたいと思っていて、代わりにパーソナルトレーニングをしてくれるパーソナル トレーナーはいますか?
それとも、地元のダンススタジオの Web サイトがオンページSEOを必要としていて、その見返りに自分の子供へバレエのレッスンを提供してくれるというような機会もあるのではないでしょうか?
スキル交換は、経験を積み、ポートフォリオに追加するための優れた方法です。さらに、相手は苦労して稼いだ現金を投資しないことになるため、たとえあなたに実績がほとんどなくても、仕事のチャンスを与えてくれる可能性が高くなります。
慈善活動でSEOの経験を積む
スキル交換と同様に、ボランティアとして自分のスキルやサービスをさまざまな組織に提供することで、経験やポートフォリオを構築することができます。
Devon Voluntary Actionのような Web サイトでは、自分のスキルに基づいてボランティアの機会を検索できます。
SEOの支援機会を提供してくれる慈善団体に連絡するのも良いでしょう。Google 検索で、お住まいの地域(またはそれ以上の検索クエリをもとに)のSEOが必要そうな慈善団体を検索するだけです。 Ahrefs のSEO ツールバーを使えば、SERP上で各サイトの指標を直接確認することが簡単になります。
AhrefsのSEOツールバーは、どの Web サイトがSEOの支援を必要としているか、連絡先のリストをどう絞り込むか考えるのに役立ちます。
参考文献
インターンシップ
SEO の経験を積むには、実際に作業を行うより良い方法はありません。インターンシップでは、業界をリードする最大手の企業の専門家チームからトレーニングを受けながら、実際のプロジェクトに取り組むことができます。
インターンシップが有給のポジションになることはほとんどありません。スキル交換や慈善活動と同じように、時間と引き換えにスキル、経験、知識を構築することができます。
実務経験
SEOの初心者にとって、フリーランスや社内で働くことはおそらく選択肢にはなりませんが、ジュニアレベルの SEOプレイヤーを受け入れ、実地研修を提供するSEO エージェンシーもいくつかあります。インターンシップとは異なり、これらは有給のポジションですが、職位としては最下位になると考えられます。
これにより、複数の Web サイトで作業する直接の経験が得られ、経験豊富な専門家から学ぶ機会が得られます。多くの代理店ではキャリアアップの機会も用意されており、スキルの向上に合わせて職位を上げることも期待できます。
継続的に学び、SEOの変化をキャッチアップしましょう
SEO について言えることの 1 つは、SEO は常に進化しているということです。これは、学ぶことが大好きな私のような人間にとって、SEO の最も素晴らしい部分の 1 つです。
ただし、専門家でありたい(または専門家であり続けたい)場合は、何が起こっているのか常に最新の情報を入手し続ける必要があることを意味します。
常に新しいアルゴリズムの更新知識を得ることが必要で、試してみるべきツールが常にあり、現在機能しているものが来年も機能するとは限りません。
業界のリーダーやブログ、幻の「SEO Twitter」をフォローしておくと、最新情報を把握しやすくなるでしょう。また、SEO ポッドキャストやニュースレターをフォローすれば、毎週SEOの専門家から洞察を得ることができます。 ※フルスピード注:翻訳記事はこちら。
まとめ
経験を積むことは、SEO のキャリアを追求するには最初に重要なステップです。基礎を理解し、実世界でSEOの経験を得ることは、スキルと知識を向上させるための重要な側面です。
SEO を始めたいと考えている場合は、無料のSEO トレーニング コースから始めるのが最適です。
質問がありますか?Twitter で私にご連絡ください。
著者プロフィール
Jenny Abouobaia
Jennyは、E-A-T構築でクライアントのSEO成果を最大化するためにブランドPRを活用することを専門とし、ニッチアフィリエイトとテクニカルSEOの豊富な経験を持つ、受賞歴のあるSEOコンサルタントです。
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