パーマリンク(英:Permanent Link)とは、Webページの恒久的なURLのことを指します(恒久的とは、不変の意味)。具体的にはドメイン名を除いた部分を指します。
URLのサンプル:https://ahrefs.jp/blog/technical-seo/what-is-a-crawler-basics-for-seo-beginners/
このURLの場合、「https://ahrefs.jp/」がドメインであり、「blog/technical-seo/what-is-a-crawler-basics-for-seo-beginners/」がパーマリンクとなります。さらに分解すると、次のようになります:
- https://ahrefs.jp:当Ahrefs紹介サイトのドメイン
- /blog:当ブログのディレクトリ
- /technical-seo:当ブログの「テクニカルSEO」カテゴリにあたるディレクトリ
- /what-is-a-crawler-basics-for-seo-beginners/:「クローラーとは?SEO初心者にもわかる基礎知識を解説」記事のために設定されたslug(読み:スラグまたはスラッグ)
まずはこのような構成で成り立っていることを理解したうえで、パーマリンクはなぜSEOで重要なのかを見ていきましょう。
SEOでパーマリンクが重要な理由
適切なパーマリンクを設定することで、次のようなSEOの利点があります:
- ユーザビリティの向上:短くてわかりやすいURLは、ユーザーがそのURLをどのようなものか理解しやすくなります。また、URLがソーシャルメディアや他のWebサイトで共有されたとき、それを見たユーザーもリンクをクリックしやすくなります。
- 検索エンジンの理解を助ける:パーマリンクにSEO対策で注力しているキーワードを含めることで、検索エンジンがページの内容を理解しやすくなります。
- わかりやすいサイト構造:SEO対策を行う側の視点でも、適切なパーマリンクの設定は重要です。ディレクトリやカテゴリ、ページの内容に基づいて設定ルールを決めておくことで、URLの重複を防いだり、統合したりするときに効率よく作業できます。
パーマリンクを設定するときの注意点
パーマリンクは恒久的なURLであることから、一度設定した後の扱いには慎重になるべきです。思い付きで設定してしまうと、Webサイトを構造から変えてリニューアルするときやビジネス上の理由で移転・統合するときに、SEOの側面からリスクを抱えてしまう場合があります。主な注意点を理解してからパーマリンクを設定しましょう。
1.変更は慎重に
一度設定したパーマリンクは、むやみに変更しないようにしましょう。たとえば、一度パーマリンクを設定したページがすでに外部サイトからリンクを張ってもらっていたとします。この状態で元のページのパーマリンクを変更すると、外部サイトに張ってもらえていたリンクが無効(リンク切れ)となり、被リンク数が減少してしまいます。
その結果、SEOの評価が下がり、順位下落やトラフィックの減少を招く恐れがあります。解決策としては、パーマリンクの作成ルールを事前に決めて守ることです。複数人で作業している場合は、ルールを周知して作業を担当する人が都度確認できる仕組みを作ることも検討しましょう。
2.リダイレクトの設定
Webサイトのリニューアルや移転、統廃合などやむを得ない理由でパーマリンクを変更することもあるでしょう。その時は、リダイレクトによって引き続きリンクが有効になるように設定しましょう。
301リダイレクトを設定して、古いURLから新しいURLへ転送させることが重要です。これにより、リンク切れを防ぎ、リンクシグナルの損失を最小限に抑えることができます。
3.定期的な見直しとリンク構築
コンテンツの更新やサイトの方向性に応じて、パーマリンクの設定を見直すことも大切です。特に新しいキーワードやトレンドに合わせて、最適化を図ることが求められます。
また、リダイレクト設定を行った後も、新しいページが公開されるにつれてリンク構築を再度行う必要も出てくるでしょう。外部サイトが古いパーマリンクURLをアンカーテキストにしてリンクしている場合、適切なアンカーテキストで再度リンクを張ってもらうように依頼することも検討しましょう。
パーマリンクが有効かリンク切れかを把握するには、Ahrefsのサイト監査を使えば、効率的にチェックできます。
- Ahrefsにログインします。※当紹介サイト「ログイン」からもログインいただけます。
- プロジェクトとして運営サイトを登録し、サイト監査のクロール設定を行います。
- Aherfs Site Audit Botが、サイト内をクロールします。
- クロール結果に応じて、有効なURL、リダイレクト設定となっているURL、リンク切れとなっているURLを洗い出し、レポートとして表示します。
Ahrefsのサイト監査は、170以上のSEO問題(SEO Issue)を指摘します。
内部SEO・テクニカルSEOの改善でお悩みの方は、ぜひAherfsの導入をご検討ください。
パーマリンク設定のベストプラクティス
パーマリンクを設定する際のベストプラクティスは以下の通りです。
シンプルで短いURLにする
パーマリンクは短く、シンプルに保つことが推奨されます。これにより、ユーザーが覚えやすく、クリックしやすくなります。ただし、シンプルだからと言って省略しすぎると、何を表すページかわからなくなってしまうので注意しましょう。
以下に、exsample.comのブログでseoカテゴリの記事について、パーマリンクを設定する場合の悪い例と良い例をご紹介します。
- × シンプルだがあまり良くないURLの例:exsample.com/blog/seo/001. (何の001であるか不明。ただし、サイト管理ルールによってはこれが正解となる場合もあり、あくまでも一例です)
- ○ シンプルで良いURLの例:exsample.com/blog/seo/seo-guide-01 (SEOガイドの記事であり、シリーズ連載の1番目の記事とイメージしやすくなります)
パーマリンクにキーワードを含める
パーマリンクに関連するキーワードを含めることも推奨されます。ただ、この設定は直接的にSEOの評価を高めるものではなく、人間と検索エンジンの両方が理解しやすいURLにするためです。
日本語のパーマリンクを設定することもできますがエンコードによってURLが長くなり、見づらくなることがあります。英語を使う方がユーザビリティやSEOにおいて有利とされています。
なお、英語でパーマリンクを設定する場合、「what is permalinks」といったようにスペースをきちんと処理しましょう。スペースのままで設定してしまうと、これもエンコードされ読みづらくなります。単語の区切りにはアンダースコア( _ )ではなく、ハイフン(-)を使用することが推奨されます。これは、Googleの検索セントラルでも推奨されている設定です。
Webサイトのパーマリンク設定でお悩みの場合は、ぜひ株式会社フルスピードにご相談ください。SEOコンサルティングサービス「デフォイキ」で、適切なURL設計を含めた総合的なSEO施策をご提案いたします。
WordPressのブログでパーマリンクを設定するには?
当ブログはWordPressを使ってページを公開しています。ここでは、WordPress環境でのパーマリンク設定について、具体的な手順をご紹介します。
1.ダッシュボードにアクセス
WordPressの管理画面にログインし、左側のメニューから「設定」を選択します。「設定」メニューの中に「パーマリンク」がありますので、これをクリックします。ここで、さまざまなパーマリンク構造を選択できます。
2.サイトの方針に沿ったパーマリンク構造を選ぶ
パーマリンク構造は、そのサイトがどのような設計でページを公開するかで推奨事項が変わります。当ブログは複数の記事カテゴリを持つことから、カスタム構造で「/%category%/%postname%/
」を設定しています。
もしこれが、グローバルメニューのコンテンツだけで完結するシンプルなサイトである場合、「投稿名」を選ぶことが推奨されます。これにより、URLが短くわかりやすくなります。
たとえば、飲食店のサイトをWordPressで運営するとして、「about(お店の概要やコンセプト)」のページを作りたいとしましょう。この場合、「投稿名」のパーマリンク構造を指定することで、http://example.com/about
のURLになります。
ですが、もしメニューごとにカテゴリを持たせたいと考えている場合や、新着情報をブログカテゴリで発信したい場合は注意が必要です。予めカスタム構造を選んでカテゴリslugとページslugを指定したほうが後から管理しやすくなるでしょう。
また、ID形式でページを管理していくのであれば、「基本」や「数字ベース」を選択する方法もあります。「日付と投稿名」「月と投稿名」については、日付または月そのものが一つのディレクトリを構成することになるため、URLの管理方針に応じて検討することをおすすめします。
注:日付を含めると、年月が経つにつれて古いコンテンツの印象を与える可能性があります。特に、長期的に運用するコンテンツ(エバーグリーンコンテンツ)には不向きと言えます。これは主にユーザー目線のポイントですが、SEOの観点からも「古い年数のタイトルは古い記事とみなされる」傾向があることから、パーマリンクも年月にとらわれない設定が無難と言えます。
ahrefs.jpの場合は「カスタム構造」を採用し、カテゴリと記事ごとにslugを設定しています。なお、カスタム構造を選んだ場合、カテゴリ名が変更されるとURLも変わりリンクが失われてしまうため、変更の際は注意が必要です。
3.ページ(記事)URLのslugを設定する
ここまでの設定を決めてから、ページごとのslugを指定し、公開することでそのページのパーマリンクが確定します。上のスクリーンショットは、この記事の下書き画面です。
オレンジ色枠の通り、下書き画面右側の「パーマリンク」欄でスラッグ(URLの一部)を設定しましょう。デフォルトでは記事タイトルが自動的にスラッグになりますが、英数字で短縮したものに変更することが推奨されます。また、カスタム構造を採用している場合は先にカテゴリを指定してください。
カスタム構造を採用したWordPressブログでページのパーマリンクを確定させる手順は、次の通りです。
- 公開するページの中身を確定させる。※コンテンツ制作のフェーズ。
- WordPressにログインし、カテゴリを作成、slugを決める。カテゴリ作成済みの場合は「3」へ。※カテゴリは原則変更しない。
- 投稿の「新規作成(新規追加)」で下書き画面を開く。
- ページのタイトルを入れる。※この時、自動または手動保存で ahrefs.jp/blog/未分類/日本語のタイトル といった仮のパーマリンクが決まる。
- カテゴリを選ぶ。※この記事はテクニカルSEOカテゴリのため、ahrefs.jp/blog/technical-seo/日本語のタイトル まで決まる。
- タイトルが日本語なので、ページslugとして英文に置き換える。※翻訳ツールを活用し、ハイフンを使ってスペースをなくすことで、ahrefs.jp/blog/technical-seo/what-is-permalinks-and-why-its-important-for-seo/ が確定する。
- 変更を保存する。※「下書きを保存」など、現在使用しているWordPressの環境に合わせて、ページの設定を保存。
- 公開する。※パーマリンクとして有効となる。サイトの管理ルールに沿って、公開後の報告・登録作業も忘れずに。
まとめ
パーマリンクとは何かを要約すると、次の通りです。
- 特定のウェブページや投稿に固定された一意のURLである。
- パーマリンクを変更してしまうと、リンク切れになる。
- パーマリンクを決める前のサイト構造ルール設定、決めた後のリダイレクト設定についても理解する必要がある。
これらのポイントを考慮して、SEOフレンドリーでユーザーフレンドリーでもあるパーマリンクを設定しましょう。