この記事では、Webマーケティングで成果を出したいと考えている方のために、SEOとコンテンツマーケティングの違いを解説します。
どちらもWebマーケティングで重要な役割を果たしますが、混同されやすい部分も多く、「コンテンツを出せばSEO対策ができる」など、誤った解釈を持たれてしまうこともあります。SEOとコンテンツマーケティング、それぞれの定義から具体的な施策、そして効果的な連携方法まで分かりやすく解説していきます。
SEOとコンテンツマーケティングの根本的な違い
初めにSEOとコンテンツマーケティングについて、それぞれの定義と目的はどう違うのかを明確にしましょう。
SEO(Search Engine Optimization)の定義:「検索エンジン最適化」とも呼ばれます。SEOとは、Googleなどの検索エンジンでWebサイトが上位表示されるように最適化することです。最適化を行う領域は幅広く、サイト構造やパンくずリストの整備、htmlの記述(titleタグ、descriptionなど)、内部リンクの設置と外部リンクの獲得、ページ内容の最適化(オンページSEO)、アクセシビリティの改善などが含まれます。
SEOの目的:検索エンジンの検索結果を経由してWebサイトのアクセスを増やし、最終的には売上やリード獲得、広告収入といった成果につなげることです。
コンテンツマーケティングの定義:コンテンツマーケティングとは、見込み顧客や既存顧客との関係構築を目的としたマーケティング手法です。「コンテンツ」はブログ記事にとどまらず、インフォグラフィックや動画、画像、セミナー、ゲーム、診断・計算ツールなどもコンテンツに含まれます。
これらは広告(Ad)ではなく、見込み顧客や既存顧客が体験して有益と感じるものであるため、コンテンツ(Content)とされます。また、コンテンツは検索エンジンに限らず、SNSやメディアサイト、動画サイト、メール、オフラインなどあらゆるチャネルを通じて、見込み顧客や既存顧客に届けられます。
コンテンツマーケティングの目的:それまで商品やその業界・分野について詳しく知らなかった見込み顧客を教育すること、すでに顧客となっている場合は今後も顧客でいてもらうために育成することが主な目的です。最終的な目的はSEOと同じく、売上やリード獲得、広告収入といった成果を目指します。
改めて、SEOとコンテンツマーケティングそれぞれの違いと最終的な目的をまとめると、以下のようになります。
項目 | SEO | コンテンツマーケティング |
目的 | ・検索エンジンでの上位表示 ・Webサイトのアクセス増加 | ・顧客育成 ・ブランド構築 ・(Webサイトのコンテンツである場合)アクセス増加、検索エンジンでの上位表示 |
最終的な目的 | 売上増加、リード獲得、広告収入 | 売上増加、リード獲得、広告収入 |
アプローチ | 検索エンジンで上位表示されるための、Webサイト最適化、リンク構築 | ・コンテンツ作成、さまざまなチャネルを使った発信。・(Webサイトのコンテンツである場合)コンテンツのSEO施策 |
指標(KPI) | ・キーワード検索による表示順位・Webサイトの流入(トラフィック)・GA4でのイベント、CV測定 | ・エンゲージメント・CV / CVR・顧客生涯価値 (LTV)・(Webサイトのコンテンツである場合)SEOの指標 |
SEOとコンテンツマーケティングの施策・手法の違い
SEOとコンテンツマーケティングの定義や目的はどう違うのかを理解したうえで、具体的な施策と手法の違いを見ていきましょう。
SEOの施策・手法:内部対策と外部対策を理解しよう
SEOの施策・手法は大きく分けて、内部対策と外部対策があります。
内部対策:Webサイトの最適化を指します。具体的には、以下のような施策が挙げられます。
- キーワードの選定:Webサイトに訪問して欲しいターゲット層が検索しそうなキーワードを調査する作業です。大量のキーワード候補の中から適切なものを選び取ることが重要ですが、手作業で行おうとすると膨大な時間がかかります。そのため、キーワード候補を瞬時に出し、選定に役立つ指標も表示するAhrefsのような分析ツールを使うことをおすすめします。
- オンページSEO:Webサイトに公開するページ上(On Page)の要素を最適化することを指します。具体的にはタイトルタグ(titleタグ)、メタディスクリプション(Meta description)、見出し(h1タグなど)、ページ本文に対する検索キーワードに即した適切な回答を書くことなどです。これらを行うことでWebサイトに公開されるコンテンツ自体を最適化します。
- テクニカルSEO:Webサイトの速度、モバイルフレンドリーな構成、サイトマップの最適化など、技術的な側面からWebサイトを最適化することを指します。これらの情報は、当サイトにもテクニカルSEOカテゴリがありますので、ぜひご覧ください。
外部対策:主に、Webサイト外の被リンクを獲得したり、検索以外の方法でWebサイト流入を増やしたりする手法です。
- 被リンク(バックリンク)獲得:他のWebサイトから、自社サイトをリンクしてもらえることを目指す手法です。Aherfsを使えば、被リンク分析ツールとしてどのようなリンクが得られているか、良質なリンクはどのぐらい得られているのかを分析できます。
- SNSマーケティング:SNS(ソーシャルメディア)での発信を通じて、Webサイトへの流入(トラフィック)を増やす手法です。時には、コンテンツマーケティングの手法を交えながらSNSで話題作りを行い、最終的にWebサイトへの遷移を目指す場合もあります。
コンテンツマーケティングの施策・手法:多様なコンテンツと戦略
コンテンツマーケティングの施策と手法は多岐にわたります。Webページに限らず、さまざまな種類のコンテンツが存在しており、その発信方法も多様であることを理解しましょう。
- ブログ記事:定期的な情報発信を通じて、顧客とのエンゲージメントを高める手法です。具体的には、その製品や業界について理解を深める記事や、困りごとを解決する記事が挙げられます。Webページとして公開されるコンテンツであるため、SEOの手法を掛け合わせることで検索エンジン経由の流入を高めることもできます。
- 動画:視覚的に訴求力の高いコンテンツです。ブログ記事への埋め込みもできますし、ブログ記事を動画にする、またはその逆に動画をブログ記事にする、SNSに投稿する、インフォグラフィックのアニメーションやウェビナーの録画を動画コンテンツとして公開する、という手法も考えられます。また、YouTube等の動画プラットフォームでの最適化も意識しましょう。
- インフォグラフィック:データを視覚的に分かりやすく表現するコンテンツです。一枚の図表として作成されるケースが多いのですが、これを動画に展開したり、SNSやブログ記事に掲載する活用法もあります。
- ホワイトペーパー:専門的な情報を深く掘り下げて解説する資料です。株式会社フルスピードでは、オウンドメディア「GrowthSeed」にて、サービス資料をダウンロードいただけます。
- ウェビナー(オンラインセミナー):ウェビナーを開催することで、テキストや動画では伝わらない、顧客との双方向コミュニケーションを図ることができます。また、ウェビナー用に作成した資料はホワイトペーパーやブログ記事などに展開できるほか、録画・編集することで動画コンテンツとして再利用することもできます。
ポイント:コンテンツマーケティングを展開する場合、コンテンツを他の媒体で再利用できないかどうかを考えてみましょう。1つのアイデアから、複数の形式・チャネルでコンテンツを展開することができます。
また、最終的な成果を上げるには、ターゲット層に合わせたコンテンツ作成が重要です。たとえば、スマートフォンでショート動画を見る層(若年層など)には動画コンテンツ、社内共有・承認プロセスが必要なビジネスパーソンには、それらの情報を集約したホワイトペーパーや概要資料、オフラインでのコミュニケーションが重視される業界では印刷物での展開などが考えられます。
SEOとコンテンツマーケティング:効果的な連携とシナジー効果
SEOとコンテンツマーケティングは、それぞれ単独でも効果を発揮しますが、連携することでさらに大きな効果を生み出します。
- SEOからコンテンツマーケティングに誘導する例:SEOでWebサイトの流入を増やし、その中に質の高いコンテンツを公開することで、顧客育成を図ります。そこからコンバージョンにつなげることで、最終的な成果を高めることができます。
- コンテンツからSEOに貢献する例:Webサイトで公開するコンテンツをオンページSEOの観点から最適化し、Webサイト全体のSEOを高める方法もあります。この場合、SEOのキーワード選定、titleタグとdescriptionをあらかじめ策定することで、コンテンツがそのままオンページSEOの要件を満たす場合もあります。
- コンテンツマーケティングから、SEOとそれ以外にも繋げる例:コンテンツを作った後はSEOを行ったWebサイトで公開し、SNSやメルマガなど他のチャネルで発信する方法もあります。仮にコンテンツが拡散した(バズった)場合、検索エンジン以外からもWebサイトへの流入が期待できます。拡散した後も、SEOを行うことで継続的な検索流入を期待できます。
SEOとコンテンツマーケティングを組み合わせるアイデアをさらに調べるには、以下の記事もぜひご覧ください。
SEOとコンテンツマーケティング:よくある誤解とリスク
SEOとコンテンツマーケティングは密接に関連していますが、それゆえに混同しやすい点もあります。ここで、よくある誤解について見ていきましょう。
- SEOに偏りすぎる:検索順位を上げることにばかり集中することで、コンテンツの質がおろそかになるリスクがあります。
- コンテンツマーケティングに偏りすぎる:魅力的なコンテンツを作成してWebサイトに公開してもSEOの戦略がおろそかである場合、検索エンジンで発見されにくく効果が限定的になります。※コンテンツを活用するための戦術については、こちらの記事もご覧ください。
どちらかに偏り過ぎてしまうと、Webマーケティングとして成果を出すことは難しくなるため、双方のバランスを取ることが重要です。
まとめ:SEOとコンテンツマーケティングの違いを理解して成果を出そう
SEOとコンテンツマーケティングは、Webマーケティングの成功に欠かせない両輪です。それぞれの強みを理解し、効果的に連携させましょう。
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サムネイル出典:pexels (Pixabay)