この記事はAhrefs公式ブログの日本語訳です。
原文:Quick SEO: 8 Ways to Accelerate SEO Results From Months to Days
(著者: Chris Haines✓ Reviewed by Ryan Law / 原文の最終更新日:June 26, 2024)
※フルスピード註:この記事は2024年6月26日時点の記載をもとに翻訳しています。Ahrefs公式ブログの記事は今後追記・再公開されることがありますことをご了承ください。
SEOは、効果が出るまで非常に時間がかかることがあります。そのため、SEOの価値を早い段階で証明しなければならないというプレッシャーがある場合、どうすれば結果が出るまでの時間を短縮できるのでしょうか?
この記事では、クイックSEOに取り組むために使用するフレームワークとツール、そしてより早く結果を得るために最初に焦点を当てる8つの方法について説明します。
SEOの結果を加速させるには、戦略的である必要があります。そのためには、プロセスで制御できるものとできないものを理解し、前者を加速させることから始めます。
例えば:
- 分析に費やす時間を制御できるため、できるだけ集中する必要があります(初心者はAhrefsの機会レポートを使用して、機会をすばやく特定することをお勧めします)。
- 変更の実装にかかる時間を常に制御できるわけではありません。
Ahrefsを使って、迅速にSEO施策に取り組む方法は次のとおりです。
それでは、SEOの結果を加速するために使える、具体的な方法を検討してみましょう。
1. IndexNowを使ってWebサイトの更新を数秒でプッシュする
SEOを加速する上で最大の障害の1つは、検索エンジンが最新Webサイトの改善を検出して対応するのを待つことです。
Googleによると、ページの再クロールには数週間かかることがあるそうです。そんな猶予のある人はいないでしょう。これがクイックSEOです!
では、代わりに何ができるでしょうか? —IndexNow を使用してください。
注:IndexNowとは? IndexNowは、Web サイトを更新するとすぐに検索エンジンに通知するオープンソースプロトコルです。これにより、Webサイトの更新がクロール、インデックス化され、トラフィックがこれまでよりも速く生成されます。クイックSEOを行いたい場合は、まずこれを設定する必要があります。
Ahrefs は最近 IndexNow と提携しました。つまり、Ahrefsのサイト監査にIndexNow API キーを追加すると、変更内容が検索エンジンに即座にプッシュされるようになります。埃をかぶった古いXMLサイトマップから変更内容が取得されるまで「数日または数週間」待つ必要はありません。
これにより、SEO施策の変更による順位結果の変更速度が向上します。
設定するには、以下を行ってください:
- Ahrefsサイト監査の クロール設定に移動し、 IndexNowセクションまでスクロールします。
- 「生成」をクリックしてAPIキーを作成するか、既存のキーを貼り付けてください。
IndexNowをAhrefsのサイト監査と組み合わせると、次のように機能します。
GoogleはまだIndexNowをサポートしていないため、更新されたページも Google Search Console に再送信することをお勧めします。
参考文献
- Yep と Ahrefs が IndexNow をサポート。より新鮮なデータ、より高速なインデックス作成、そしてゲームを変えるサイト監査機能の発表 ※フルスピード注:翻訳版はこちら。
- IndexNow.org
2. 上位表示の難易度が低く、トラフィックにつながりやすいキーワードを狙う
「勝てない戦いは、戦うな。」
孫子
難易度の低いキーワードは、必要なリンク数が少なく競争も少ないため、ランクインが簡単です。うまくやれば、これまでよりも早くGoogle検索1ページ目にランクインされる可能性があります。
したがって、オーガニック検索トラフィックを迅速に獲得する必要がある場合は、キーワードバトルを賢く選択する必要があります。では、どうすれば実行できるのでしょうか?
まず、SEO施策の労力が少なく、成果が高いキーワードだけを狙いましょう。
以下のスクリーンショットは、キーワード「ドレス」をAhrefsのキーワードエクスプローラーで分析したときの例です。
「ドレス」は労力と見返りが大きいキーワードです。驚くことではありません。
Ahrefsは、このキーワードで上位10位以内にランクインするには、約153の参照ドメイン (Referring Domains,RDs) が必要であると見積もっています。これは非常に多くの参照ドメイン数であり、大金を持っていない限りはランクイン競争に参加できる可能性は低いでしょう。
しかし、キーワード難易度フィルターとトラフィックポテンシャルフィルターを組み合わせてレポート結果をフィルタリングすると、このキーワードに関連する、最適なランクイン機会を見つけることができます。
以下スクリーンショットのように、「ドレス」を含む関連キーワードのKD(キーワード難易度)は低く、TP(トラフィックポテンシャル)は高いことがわかりました。
しかしここで終わりにせず、さらに一歩進んでみましょう。
最も弱いSERPのキーワードだけ見つけるために、最低DRフィルタを追加してみましょう。つまり、ランクイン競争で戦うのが最も簡単なキーワードを見つけるということです。以下の例では、ドメイン評価(Domain Rating,DR)を10に設定し、可能な限り最も競争が簡単なキーワードを見つけています。※フルスピード注:DRは0~100の相対スコアで、0に近いほどドメイン評価が低く簡単、100に近いほどドメイン評価が高く難しいと考えられます。
たとえば、「婚約写真 ドレス」というキーワードは、キーワード難易度がゼロで、トラフィックポテンシャルは11,000です。
Ahrefsでたった5分間、「ドレス」の関連キーワードを調査したにしては、悪くない結果です。このテクニックはどのキーワードにも適用でき、フィルタ設定を好みに合わせて「勝てるキーワード調査」を調整できます。
参考文献
3. パフォーマンスの低いコンテンツを更新(リライト)する
Googleにインデックスされるまでに時間のかかる新しいコンテンツを作成するのではなく、パフォーマンスの低いコンテンツを更新することに重点を置いてみてください。
既存のコンテンツを更新する利点は、すでにインデックスが作成されているため、何が効果的かが自然にわかることです。そのため、イチから書き直したり新しい記事を書いたりするよりも速くなります。
運が良ければ、24時間以内にWebサイトのトラフィックがさらに増加する可能性があります。
次の方法でコンテンツ更新をしてみましょう:
- 既存コンテンツに新しい情報やサブトピックを追加する
- 類似記事をまとめる
- SERP分析を行って、そのキーワードで最もパフォーマンスの高い記事とあなたの記事を比較する
Ahrefsのサイトエクスプローラーのようなツールを使えば、コンテンツページのURLを入力し、時間経過に伴うパフォーマンスを確認するだけで、どれがパフォーマンスの低いコンテンツなのか簡単に特定できます。
以下のスクリーンショットは、私(著者)が書いたブログ投稿の例です。以前はパフォーマンスが良かったのですが、最近になってオーガニック検索トラフィックが減少し始めました。
これは更新する価値があるタイプのコンテンツです。
では、これが機能していることをどうやって知れば良いのでしょうか? Ahrefsブログの著者として、私は毎週記事を書いて更新していますが、記事のパフォーマンスが”SEO成層圏”へ急上昇したときに、いくつかの更新の影響に気付かないのは難しいことです。
以下のスクリーンショットは、コンテンツ再公開日の24時間後にトラフィックの劇的な増加が発生しており、コンテンツを更新することでいかに早く結果が得られるかを示しています。
このアップデートでは、新しい情報とサブトピックを追加することに重点を置き、記事の元構造を可能な限り維持するように努めました。
フルスピード注:当項目の関連記事
この項目でリンクされている記事の翻訳版をまとめました。
4. キーワードの共食い(カニバリゼーション)を減らす
キーワードカニバリゼーションは、複数のページが同じキーワードをターゲットにし、同じ検索意図を満たし、Google で互いのランキングを共食いする場合に発生します。
時間をかけて複数のページを1つの「メガページ」へ慎重に統合することもできますが、キーワードカニバリゼーションを減らす最も早い方法は、類似または重複するページを1つのプライマリページ(優先ページ)へ301 リダイレクトすることです。この方法で、権威性が1つのページに統合されます。
では、キーワードカニバリゼーションとはどのようなものなのでしょうか? 以下の図を見て理解しましょう。
潜在的なカニバリゼーションを特定するには、Aherfsのランクトラッカーにアクセスし、サイドバーにある「GSC > Overview(概要)」レポートに移動してください。※フルスピード注:あらかじめ、そのWebサイトをランクトラッカーに登録しておく必要があります。
このレポートに移動すると、「潜在的なカニバリゼーション」という枠が表示されます。 「すべて表示」ボタンをクリックすると、すべての潜在的なカニバリゼーション問題のリストが表示されます。
詳細はリストの中身を確認する必要がありますが、Webサイト全体で潜在的なカニバリゼーションの問題がどこにあるのか、特定するのに役立ちます。
注:ランクトラッカーを使う以外には、サイトエクスプローラーで機会レポートの「潜在的なカニバリゼーション」をクリックするだけで、任意のWebサイトが持つ潜在的なカニバリゼーションを特定できます。
潜在的なカニバリゼーションを特定すれば、(情報などが)古いページをより関連性の高い既存ページにリダイレクトしたり、複数のページを新しいものに結合したりして、ページ統合を開始できます。
最終的には、以下のようになります。
ページを統合したら、更新したページを Google に再送信することを忘れないでください。
参考文献
フルスピード注:当項目の関連記事
この項目でリンクされている記事の翻訳版をまとめました。
- キーワードカニバリゼーションとは何か?修正する方法
- 301リダイレクトの説明:SEOに与える影響
- WebサイトをGoogleに登録する方法
- キーワードの多様化: カニバリゼーションの2つの影響(SEO調査)
5. 重要なページから、あまり知られていないページへ戦略的な内部リンクを構築する
SEOのための戦略的な内部リンクは、サイト訪問者とGoogleをあなたにとって最も重要な場所に誘導する最良の方法の1つです。
人間の訪問者やGoogleに最も重要なコンテンツを探させる必要がなくなり、重要なコンテンツを簡単に提供できるため、SEOの成果がスピードアップします。
あまり知られていないが価値のあるページを強調表示することで、そのページへのトラフィックが急速に増加します。
「戦略的に見て、何を最も重視しているか、それを内部リンクでどのように強調できるかを考える必要があります。」
John Mueller, シニア検索アナリスト、Google
これらのページにリンクしないと、それらのページは「孤立したページ」となり、GoogleBotや人間の訪問者が見つけにくくなります。
内部リンクの追加をどこから始めればよいかわからない場合は、Ahrefsでサイト監査を実行し、内部リンクの機会レポートへ移動するのが最善の方法です。
このレポートでは、Ahrefsがあなたに代わって大変な作業を行い、キーワード コンテキスト列に、推奨される内部リンクの箇所を強調表示しています。※フルスピード注:どのページを内部リンクに含めるかも提案します。また、このレポートは日本語対応しています。
レポートをエクスポートし、確認することで、それらをアンカーテキストとする内部リンクをWebサイトに実装できます。
参考文献
6. オンページSEOを完璧に調整する
オンページ SEOに段階的な変更を加えることは、結果を加速させるのに役立ちます。
以下は、titleタグを変更するだけで、トラフィックがわずかに増加したページのスクリーンショットです。
サイトエクスプローラーのPage Inspectレポートで確認すると、変更したのはタイトルのみであることがわかります(以下スクリーンショット参照)。
オンページ SEO は大きな領域ですが、すぐに調整できる要素が他にもあります。
たとえば、ほとんどの人は記事を最初から最後まで一直線に読むのではなく、ざっと目を通します。そのため、見出しは読者の注意を引く上で大きな役割を果たすことがよくあります。
以下のような論理的な階層を追加することで、記事をざっと読みやすくなります。
ヒント
Ahrefs の SEO ツールバーを使えば、最も重要なページをすばやくチェックし、それに応じて見出しを調整できます。
オンページSEOの領域で、簡単に調整できるもう1つは、メタ ディスクリプションです。メタ ディスクリプションは検索エンジン上で見える「お店の入り口」となるため、メタ ディスクリプションを魅力的でクリックしやすいものにすれば、クリック数が増える可能性があります。
オンページSEOを微調整したら、ページを Google に再送信することを忘れないでください。
参考文献
フルスピード注:当項目の関連記事
この項目でリンクされている記事の翻訳版をまとめました。
7. 404でリンク切れの被リンクを修正する
リンク構築は時間がかかる作業となりやすいですが、Webサイトに張られたがリンク切れとなってしまった被リンクを修正することで、権威性とトラフィックをすぐに取り戻し、せっかくの被リンクを404のページではなく、目的のページに送ることができます。
これは、Ahrefsサイトエクスプローラーの中にある、リンク切れレポートを確認すれば実行できます。
- サイトエクスプローラーに、自分のサイトドメインを入力します。例として、Ahrefs.comを使用しました。次に、サイドバーの「被リンクプロフィール > リンク切れ」レポートに移動します。
- リンク切れレポートで、Dofollowをクリック、選択します。(後で他のリンクを確認できます)
- 「ベストリンク」をクリックし、「ベストリンクのみ表示」を選択します。
- 下部のリストにある、DR列をクリックし、降順(最高→最低)でソートします。
4つの簡単な手順で、私たちに再度リンクしてもらえそうな、高DRのサイトを多数見つけました。
このクイックSEO施策は、大規模Web サイト、移行したサイト、長年にわたってSEOが無視されてきた(SEOをしていなかった)サイトで、特に適しています。
リンク切れを特定したら、それを復元するかリダイレクトしましょう。
今回の例では、アンカーテキストがブランド自体(Ahrefsと記載してリンクしている)のため、リンク切れとなっていたAhrefsの製品ページを、Ahrefsのホームページにリダイレクトできる可能性があります。
復元するかリダイレクトするかを決めるフローチャートを、以下に載せました。
参考文献
フルスピード注:当項目の関連記事
この項目でリンクされている記事の翻訳版をまとめました。
8. リンクがないブランド言及を見つけ、リンクしてもらう
リンクされていないブランド言及をリンクとして取り戻すことは、すでにブランドについて書いているが、リンクはしていないWebサイトからリンクを取得するための、比較的迅速かつ費用対効果の高い方法です。
過去に、Webサイトの所有者は、知らないブランドからの編集依頼よりも、知っているブランドからの編集依頼に反応が良かったことが分かりました。
リンクされていないブランド言及を特定するには時間がかかりますが、 AhrefsのWebエクスプローラーなどのツールを使えば、ブランド言及の分析がスピードアップします。
ここからは、AhrefsのWebエクスプローラーを使って、Ahrefs.comがリンクされていないブランド言及を識別する方法を説明します。
上のスクリーンショットは、「Ahrefs」について言及しているが、AhrefsのWebサイトにリンクしておらず、かつahrefs.comではないページを検索する演算子です。
この検索でブランド言及をしているがリンクはしていないWebサイトのリストをまとめたら、Buzzstreamなどのツールを使ってテンプレート化されたメールをサイト管理者に送り、リンクされていないブランド言及に対して、リンクを取り戻すことができます。
フルスピード追記
AhrefsのWebエクスプローラーは、アドバンスドプラン以上でご利用いただけます。また、スクリーンショットの検索演算子を以下にテキスト化いたしました。Aherfsをご利用の方は以下をコピーし、アレンジして活用ください。
ahrefs.jp -outlinkdomain:ahrefs.jp -site:ahrefs.jp
参考文献
被リンク獲得やサイテーションSEO、クイックSEOでお困りではありませんか?
この記事を翻訳している株式会社フルスピードは、約20年にわたり5,500社以上の企業様へSEOサービスを提供してまいりました。ご相談は無料。お気軽にお問い合わせください。
※以下をクリックすると、株式会社フルスピードのお問合せフォームページが開きます。
>被リンク、サイテーション獲得でお悩みの方はこちら。
>クイックSEOでお悩みの方はこちら。
まとめ
SEOに全力を注ぎたい場合は、より戦略的なアプローチを取ってください。そうすれば、すぐに結果が得られます。
Ahrefsのようなツールは、他の方法では気付かなかったかもしれない、リンクやコンテンツ更新といった重要な機会を強調表示するため、クイックSEOに役立ちます。また、Ahrefs の IndexNow 統合により、サイトを更新したときはすぐに検索エンジンへ通知できるため、これまでよりも早く結果を確認できます。
ご質問がありますか? 著者のXまでご連絡ください。
著者プロフィール
Chris Haines
Chrisは、代理店側でのSEOで10年の経験を持つ SEO ディレクターです。SEOに携わっていないときは、ビンテージシンセサイザーをいじったり、砂浜を散歩したり、おいしいお茶を飲んだりするのが好きです。著者個人サイト、著者X(旧Twitter)、著者LinkedIn